現在開催中の展覧会



鍋島と金襴手―繰り返しの美―展

■会期:2024年4月17日(水)~6月30日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日:月曜日・火曜日
※4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館
■入館料:一般1,200円/高大生500円
※中学生以下は入館料無料。
※上記の内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承くださいませ。

 出展作品リスト


展覧会趣旨


 整然と器面に続いていく文様。器種や時を越えて何度も出現する図様。江戸時代に佐賀で作られた鍋島焼や金襴手(きんらんで)様式の伊万里焼のデザインの中には、「繰り返し」の手法が見られます。
 鍋島焼は、佐賀鍋島藩から徳川将軍への献上を目的に創出されたやきもの。佐賀・伊万里の大川内山(おおかわちやま)の藩窯にて製作されたもので、17世紀末期には様式が確立されました。洗練されたデザインが数多見られ、唐花文や更紗文、桃文などを繰り返して連続させた構図もそのひとつ。同じ図様が時代を越え、踏み返されることも珍しくありません。
 一方の伊万里焼の金襴手も、17世紀末期に成立した様式。佐賀・有田の民窯で焼造され、国内外で人気を博しました。様々な文様を組み合わせた緻密な構成が特色であり、皿と猪口などと器種をまたいであらわされる、定番の唐草文や幾何学文が見られます。色違いで表現される図様は、染付で骨格を描き上絵で彩色する、染錦(そめにしき)ならではの楽しさがあると言えるでしょう。
 藩の献上および贈答品であった鍋島焼と、国内外で需要された伊万里焼という性格の違いはありますが、同時代に成立した両様式の中には、「繰り返し」という共通したデザインの方向性が認められます。約80点が織りなす、「繰り返し」の美をご堪能ください。



展覧会構成と主な出展作品

第1章では館蔵の鍋島・金襴手の優品を一堂に集め、第2・3章ではふたつのやきものに見られる「繰り返し」の美を、「連続文様」「定番文様」「色違い」「踏返し」の4つのアプローチでそれぞれ紐解いていきます。

◆第1章 「館蔵優品選—鍋島と金襴手—」(特別展示室)

鍋島焼と金襴手様式の伊万里焼は同じ時代に様式が成立しながらも、それぞれ性格が異なります。藩窯で製作される鍋島焼は厳粛に、金襴手様式の伊万里焼は絢爛に、個性際立つ2つのやきものを、厳選した館蔵の優品10点から紹介いたします。

色絵 壽字宝尽文 八角皿
鍋島
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径20.8×19.4㎝

色絵 壽字吉祥文 鉢
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径22.1㎝



◆第2章 「鍋島焼」(第1展示室)

【鍋島焼×連続文様】

  染付による七宝文を組み合わせて描いた更紗文の皿。鍋島焼には連続した文様を丸い窓から覗くように切り取ったデザインがよく採用されており、特に前期には様々な更紗文の皿類が見られます。

色絵 更紗文 皿
鍋島
江戸時代(17世紀後半)
口径15.9cm


【鍋島焼×踏返し】

  相対する2羽の鳳凰をあらわした皿。鳳凰の顔や体の向き、渦巻く尾羽などよく似たデザインですが、左は鍋島焼の中でも前期、右は盛期の作例です。鍋島焼では、同様の図様を時代を超えて繰り返し採用していました。

色絵 鳳凰文 皿
鍋島
(左)江戸時代(17世紀後半)口径20.1㎝
(右)江戸時代(17世紀末~18世紀初)口径20.1㎝



◆第3章 「金襴手様式の伊万里焼」(第2展示室)

【金襴手×定番文様】

  この桃形皿は、地文様として赤地に金色の唐草文を描いていますが、同じ唐草文を描いた猪口もあります。金襴手様式の伊万里焼には、別のうつわ、あるいは皿と猪口のように器種をまたいで描かれる定番の文様が種々存在しています。

色絵 雪輪亀甲文 桃形皿
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径21.2×20.2cm

     

【金襴手×色違い】

  全く異なる彩色の一対の鉢。しかし、実は染付(青色の部分)は同じデザインです。上絵付けの段階で、地を左は赤、右は萌黄に金色の唐草文と塗り分けています。染付で輪郭線などを引いて骨格を作り、上絵付けで色違いに仕上げる手法は、染錦ならではの楽しさです。

色絵 瑞獣文 鉢
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
高6.8㎝

     

同時開催


◇第3展示室『江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―』


◇やきもの展示室『鍋島焼・伊万里焼ができるまで』




本展会期中の催し物のご案内


◇展示解説 『鍋島と金襴手―繰り返しの美―展』の見どころ

 2階展示室にて、主な出展作品の見どころをご紹介いたします。
■5月18日(土)・6月15日(土) 各日14:00~(約45分)
■参加料無料(入館券を別途お求めください)
■予約不要



◇ラウンジ&ギャラリー・トーク 「繰り返すデザイン―鍋島焼と金襴手様式の伊万里焼を紐解く4つのアプローチ―」

 展覧会担当学芸員が、前半は1階ラウンジにて鍋島焼と金襴手様式の伊万里焼に見られる4つの「繰り返し」の手法について概説し、後半は2階展示室にて展示解説を行います。
■5月27日(月) 14:00~(約120分)
 ※当日はご予約の方のみご入館いただけます。
 ※13時30分開館、17時00分閉館です。
■先着30名様
■参加費 一般1,500円(税込)(入館券を別途お求めください)
 年間パスポート会員1,200円(税込)
■要事前予約
 ※下記予約サイトからお申込みください(受付開始4月17日10:00~)。
 《ラウンジ&ギャラリートーク予約サイト》
 https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/



◇アート&イート 戸栗美術館×シェ松尾・松濤レストラン

戸栗美術館にて所蔵品をご鑑賞いただいた後、シェ松尾・松濤レストランにて佐賀県産の食材を使ったフレンチをご堪能いただけます。詳細は、チラシ(右)をご覧くださいませ。
■5月1日(水)・2日(木)・3日(金・祝)
各日10:30/11:00/11:30開始
■戸栗美術館にて、作品を手に取っての鑑賞会および学芸員による展示解説を行います(自由観覧あり)。
■シェ松尾・松濤レストランにて、佐賀県産の食材を使ったアート&イート特別メニューをご提供いたします。
 ※ワンドリンク付(シャンパン又はノンアルコールスパークリング)
■各日各回先着6名様
■参加費20,000円(税込)
■要事前予約
 予約開始 2月14日(水)10:00~
 ※下記予約サイトまたはお電話(03-3465-0086/専用回線 ※月曜・火曜を除く10~17時)にてお申込みください。
《アート&イート 戸栗美術館×シェ松尾予約サイト》
 https://airrsv.net/toguri-event/calendar/
 ※アレルギーやご不明点のある方は、お電話にてお問い合わせ・お申し込みください。




●プレス・広報ご担当の方へ
プレスリリースに掲載の作品および展覧会ポスター画像データをご用意しております。また、メディア関係者の方のご取材を随時承っております。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

   『鍋島と金襴手―繰り返しの美―展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070