週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年5月11日号
2024年5月7日 発売
定価 900円(税込)
JAN:4910201320547

【第1特集】溶ける地方創生マネー 喰われる自治体

地方創生が叫ばれ始めてから10年が経ちましたが、地域活性化に成功したという自治体はそう多くないのが実情です。それでは地方創生をめぐる「カネ」はどこへ溶けていったのでしょうか。本特集では地方創生マネーが都会のコンサルに吸い上げられていく実態や、弱った自治体の機能をぶんどる「過疎ビジネス」など、地方創生の虚構を描き出しています。一方でコンサル主導の計画に住民が待ったをかけたケースや地場の中小企業が創生を実現した実例など、喰われないまちづくりに取り組んだ好事例も多数紹介しています。
 

【第2特集】マイクロソフト 「AI革命」の深層


生成AI電撃戦を仕掛け、世界中を熱狂させた巨大IT企業の実像とは。米シアトルの本社に入り込み、その熱源を探った。
 

目次

第1特集
溶ける地方創生マネー 喰われる自治体

地方創生マネーは都会のコンサルに吸い上げられていく

Part1 地方創生の虚構
[喰われた自治体]福島県|国見町 弱った自治体の機能をぶんどる「過疎ビジネス」
▶インタビュー 「企業版ふるさと納税は見直すべきだ」 初代地方創生担当相 石破 茂
[両刃の剣]福岡県|吉富町 地元にリスク押し付ける地方創生コンサル
[ブルーオーシャン]長期戦覚悟で乗り出す大手コンサル&広告会社
[税金を喰い荒らす]黒船アマゾン参入で激震 ふるさと納税で儲ける中間事業者
・ふるさと納税依存率トップ50
・ふるさと納税流出によるマイナス額トップ50

10年間でどう変わった? 自治体ランキング
・財政力指数トップ&ワースト50
・10年間の年少人口増減率トップ&ワースト50
[地方創生の模範とされてきたが…]女性が犠牲となる福井モデルの限界
▶インタビュー 「3世代同居に頼らない政策へ」福井県副知事 鷲頭美央
▶インタビュー 「自然減対策は完全に失敗だった」元総務相(日本郵政社長) 増田寛也

Part2 喰われないまちづくり
[「自治」取り戻した自治体]北海道|むかわ町穂別 コンサル主導の計画に住民が「待った」
[補助金に頼らない三セク]大阪府|大東市 老朽化した公営住宅を公民連携で建て替え
[コンサルなし/補助金なし/企業誘致なし]熊本県|天草地域 地場の中小企業が創生を実現
[足元にある資源]福島県|田村市&川内村 企業誘致ではなく足元の資源を掘る
[観光から事業承継、DXまで]地方創生に力を込める地域金融機関

まちづくり力を高めていくために コンサル丸投げ型から人材投資型への転換を

第2特集
[シアトル本社ルポ]マイクロソフト 「AI革命」の深層
「AI半導体」プロジェクトの内幕

ニュース最前線
パナソニックが家電で先手 PB受託で低価格帯制圧へ
“お家芸”事務機で再編加速 三つどもえの最終戦争へ
「不倫問題」で社長が辞任 ウエルシアに浮上する懸念


連載
|経済を見る眼|海外の学歴はなぜ「詐称」の対象になるのか|苅谷剛彦
|ニュースの核心|一方的な「接触」では拉致問題は動かせない|福田恵介
|トップに直撃|スカパーJSATホールディングス 社長 米倉英一 
|フォーカス政治|政権交代実現へ野党に課された宿題|山口二郎
|マネー潮流|循環経済を日本の勝機にしよう|中空麻奈
|中国動態|イエレン訪中が示す米中協調の兆し|梶谷 懐
|財新 Opinion&News|中国広汽集団、三菱自の撤退で600億円減損
|グローバル・アイ|イスラエルはパレスチナを国家と認めるべきだ|ギャレス・エヴァンス
|FROM The New York Times|景気循環はもはや無意味? 「消費主導」米国経済の強み
|少数異見|賃上げ対象外の年俸制やシニアの社員
|シンクタンク 厳選リポート|
|ヤバい会社烈伝|JR西日本 犠牲者の無念が巨大企業を動かす|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 56|佐藤 優
|経済学者が読み解く現代社会のリアル|熱帯雨林保全と貧困削減 その両立を導く政策設計|津田俊祐
|話題の本|『三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦』著者 萬代 悠氏に聞く ほか
|名著は知っている|『茶の本』[下編]
|社会に斬り込む骨太シネマ|『正義の行方』
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|編集部から|
|次号予告|