2024年5月15日水曜日

The Pen Friend Club:『Back In The Pen Friend Club』

 
『Back In The Pen Friend Club』
(PENPAL RECORDS/PPRD-0006)


The Pen Friend Club (ザ・ペンフレンドクラブ) 

【メンバー】
平川雄一 (Gt, Cho)
Niina (Vo)
西岡利恵 (Ba, Cho)
祥雲貴行 (Dr)
中川ユミ (Glo)
リカ (A, Gt, Cho)
そい (Key, Cho)
大谷英沙子 (Sax) ※現在休団中


 こんにちは、ザ・ペンフレンドクラブのリーダー、平川雄一です。今回は202451日に発売されたザ・ペンフレンドクラブの9thアルバム『Back In The Pen Friend Club』についてメンバー達がバンドやアルバムに関する設問に答える、という形で記事にさせて頂きました。僕自身も答えております。ではどうぞ。

Niina加入から1年ですが、ご感想をお願いします。


◎平川:Niinaに最初に出会ったのが2022年の7月。翌年20233月に加入。4月に初ライブ。それ以降数々のライブとレコーディングをこなし、20245月に本作9thアルバム『Back In The Pen Friend Club』 完成、発売。

ペンクラにとってもNiinaにとっても怒涛の1年 (1年半だったと思います。その圧倒的な才能と魅力でペンクラというバンドに変革をもたらしました。これからも更にペンクラは変化を見せていくことになると思います。どんなふうになるか僕自身も楽しみでしょうがないです。普段のNiinaは面白くていつもみんなを笑わせてくれる、めっちゃおもろい最高な奴です。


Niina入ってから、もう1年もたったと思えないくらい楽しい経験を色々してきました!バンドとのライブも沢山できたのはもちろんですけど、バンドメンバーと仲を深めることができてとても嬉しいです。仲のいい人達と自分の好きなことがこんなレベルまでできるなんて最高です!1年でこんなにできるなら、これからが益々楽しみです!

 

西岡:まだ1年なのかと考えるとちょっとびっくりするくらい変化した気がします。Niinaの加入が決まった頃、みんなで喫茶店に行ったんです。その時Niinaと平川であれもやろう、これもやろうってカバー候補をどんどん出しあってて、これはとんでもなく忙しくなりそうだなと笑。話にあがる曲は私は知らないのが多かったけど、モータウンとか、これまでのペンクラではあがってこなかったような内容でした。レパートリーも大きく変わって、Niinaの存在はペンフレンドクラブの印象も大きく変えたんじゃないかと思います。

 

祥雲:音楽に対してオープンで純粋な愛のあるNiina。一緒に演奏していると色々刺激になることがあります。まだ二歳の娘さんをときどき練習に連れてくるので雰囲気が和んでありがたいです。

 

中川:キー変更、ライブ、レコーディングと常に走り続けているような状態だったのでもう1年という感じです。

 

リカ:あっという間な1年で大変さもあったけど、とても楽しかったなぁという印象が大きいです。Niinaは本当にパワフルで、しっかりした部分もあるし、子供みたいに無邪気にはしゃいでる時もあってかわいいです。みんなとも直ぐに仲良くなって、なんだかNiinaとリーダーが妙に馬が合う感じが面白くて、2人でふざけ合ってる姿を見ると微笑ましいです。


そい:Niinaが加入してくれて本当に良かったなあと思っています。Niinaの歌声が大好きだから演奏するのがいつも楽しくて、あっという間にもう1年経ったのか〜という感じです!Niinaのパワフルでポジティブな姿に救われることも多いです。ペンフレンドクラブがより元気に突き進んで行ける気がしてこれからも楽しみ!!



Back In The Pen Friend Club』全曲試聴トレーラー

・本作『Back In The Pen Friend Club』レコーディングで印象に残っている曲とエピソードを語ってください。※複数可


平川:

①クラウドファンディングの返礼品で「ハンドクラップで録音に参加できる権」というのがあって、購入された方々とブースに入って一緒にハンドクラップをレコーディングしたんですが、リズムがズレる場面があると「ちゃんと合わせる!全身でリズムに乗りながら叩く!」等、怒鳴ってしまったんですね、、、。高額なお金を出してくれた大切な方々なのに。後で考えたら大変申し訳なくて。お陰でいいハンドクラップが録れました。

 

②「Let It Shine」「The Girl From Greenwich Village」では僕がリードボーカルなのですが、ネイティブの英語を話せるNiinaに僕の英語の発音の悪い所を全て挙げて、改善策を教えてもらって再録音したこと。


③「Can't Take My Eyes Off You」ではフランキー・ヴァリの溜めた歌いっぷりに寄せるために一度録ったボーカルテイクを破棄し、後日、泣きの再録音を願い出たところNiinaが快諾してくれたこと。

 

Niina印象に残るエピソードは2回目のレコーディングセッションにクラウドファンディングでファンの方々が聴きに来てくださって、曲のクラップを一緒にレコーディングした時です。その時の平川さんが、みんなを完璧に合わせるように、凄い熱さでリードしてるところがとても面白かったです!真剣で真面目な平川さん、緊張してて頑張ってるファンの方々、リズム完璧なさくもくんのニヤケを見てて、面白いシチュエーションについ笑ってしまったのがいい思い出になってます!

レコーディングの印象に残った曲は「Can't Take My Eyes Off You」です!最初はスタジオでレコーディングしましたが、あとから少し歌い方の変更があって、また録り直すことになりました。それは鍵盤のそいさんの家で録ることになり、凄く楽な空間で録れました。

レコーディングの全てのサンプルが集まったのはそいさんの家が最後だったので、お疲れ様会としてみんなで飲みながらジャムセッションしたのが一番印象に残ります。

 

西岡:ベースのレコーディングは自宅でやってるんですけど、「Let It Shine」や「Alfie」を1人でじっくり聴きながら弾いてると曲の美しさがじわじわと再認識できた感じです。


祥雲:「Hey There Lonely Boy」

三拍子の曲をやることが少ないので新鮮でした。力を抜いてオリジナルのアダルトな雰囲気に近づけることを意識しました。

 

中川:Alfie」です。いつもおちゃらけてばかりのNiinaの普段とのギャップに、帰りの電車でもドキドキしていました。

 

リカ:今回のアルバム制作の為に実施したクラウドファンディングの返礼品の中に、購入してくださった方とメンバーと一緒にハンドクラップの録音をするというのがありました。ファンの方と一緒に録音するっていう、こんな特別な機会はなかなか無いことなのでとっても嬉しく楽しかったです。

For Once In My Life」「Let It Shine」「Can't Take My Eyes Off You」「Do You Believe In Magic?」の4曲に収録されています。

 

そい:Can't Take My Eyes Off You」 のピアノのリズムをとるのがなかなか難しくて、ディレクションしてくれる平川さんが全身を使って表現してくれたんですけど、その姿がすごく面白くて。集中しないといけないから笑っちゃいけないけど、他のメンバーがそれを動画で撮影してくれてて、あとで見たらすごく笑いました!

私の家にメンバーが集まって、レコーディングした後は、ごはんをつまみながら楽器を演奏したり歌ったり…そんな中で新しい曲のワンフレーズができちゃったりしたのも楽しかったです!



・本作からリスナー目線で好きな曲とその理由をお願いします。※複数可

 

平川:全部。出来がいい。

 

Niinaこれは何曲かありますね~!個人的に聴いてて気持ちいい曲は 「For Once In My Life」「Do You Believe In Magic?」 と 「The Girl From Greenwich Village」 です。全部ノリがいいって言うのもありますし、「For Once In My Life」のギターソロがめちゃくちゃ好きで、ライブでもソロと一緒に歌いたいくらいテンションがあがります。

Do You Believe in Magic」 もハッピーな感じで最後の Aaaah って言うところが歌うのも、聴くのも好きです。「The Girl From Greenwich Village」 は、正直初めて聴いた時、メロディとかパッと来なかったけど(知らなかった曲だったって言うのがその原因だと思いますが、、)、何回か聴いてから凄く気に入った曲になりました!平川さんの英語発音もめっちゃ良かったので、ライブでいつか聴けるのも楽しみです!

雰囲気が全然違うけど、「Alfie」も好きです!これは曲自体って言うより、小さい頃からお父さんの音楽の影響で一番最初に聞いた60年代のアルバムの最初の曲が「Alfie」でした。まさか自分のアルバムで歌うとは思ってなかったので、お父さんと沢山歌った思い出を含んで好きな曲の一つです!

 

西岡:1曲目 「Got To Get You Into My Life」 の賑やかな感じで始まるのが好きです。Niinaのパワフルな歌声がマッチしててかっこいいし、楽器の重なりも気持ちいい。

平川単独ボーカル曲の 「Let It Shine」 は1人の多彩な声色が心地よく調和してて、いい曲だなあと感じます。

Cant Take My Eyes Off You」 は今のペンクラらしいカバー曲という感じがしてます。

 

祥雲:Hey There Lonely Boy

アダルトな雰囲気が出せたので。

 

中川:For Once In My Life」が楽しい気分になれるのでお気に入りです。

 

リカ:全曲好きなので本当は選べないんですが、なんとか3曲に絞ってみました!


For Once In My Life

自分の中でも大好きだったこの曲を、華やかなペンフレンドクラブらしいサウンドでやっている不思議さと、嬉しさがあります。個人的に前ボーカルのMegumiさんの吹いてくれているフルートの音色がめっちゃお気に入りです。

 

Hey There Lonely Boy

原曲を知らなかったんですがすっかり大好きな曲になり、演奏したらより一層この曲の良さをしみじみと感じる事ができました。胸がキュッとなりますね。Niinaの歌いっぷりが最高!

 

Let It Shine

とってもイイ曲だし、ふぁ〜っと拡がる全ての音像が温かくて聴いていると心がキラキラしてきます。リーダーご自身のソロ作品ももっと作ったらいいのにって、この曲や「The Girl From Greenwich Village」 を聴いて思いました。

 

そい:全部良くて本当に迷ってしまいます。強いていうなら、「Tell Me」ですかね。「Tell Me」のボーカルの歌声はまろやかで優しくて、一言で言うとラブリーな感じ。メロディもボーカルもコーラスも、楽器隊の演奏も、一体になってる感じがすごく好きです。あと今回は平川さんボーカルの曲も2曲入ってて(Let It Shine」 と 「The Girl From Greenwich Village)、平川さんの歌声も実はすごく好きなので、何回も聴いちゃいます!



・本作の魅力を挙げて、アピールしてください。

 

平川:Niinaという新しいボーカルが加入したペンフレンドクラブの、まずは挨拶代わりのアルバムです。スピード感が大事と思ってるので急ピッチで作りましたが、メンバーのお陰で満足できる仕上がりになりました。

いつも応援してくれているファンの方々にもこの場をお借りして感謝を申し上げます。

こんな内容のカバーアルバムを作れるバンドは他にいないと思います。

誇りに思っています。

是非お聴きください。

 

Niina

①ジャケット、可愛くて最高。

②違う音色のペンフレンドクラブ、最高。

③ジャケットの中の写真、最高。

60/70年代の洋楽ジャンルの中でもいろんなジャンルとスタイルの曲が楽しめるアルバム。1つのCD12の楽しみ。最高。

 

西岡:Back In The Pen Friend Club』 は "コロナ禍を経て、また明るく楽しいペンフレンドクラブへ戻る" というコンセプトがあったんですが、ただ戻るだけでなく、これまでとも違う明るさ、楽しさのあるアルバムになってると思います。新しいペンフレンドクラブも楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

祥雲:Niinaのエモーショナルな魅力を引き出す構成になっています。またバンドの進化したコーラスワークなども楽しんで下さい。

 

中川:有名な曲が多いので、まだ聴いたことがない、どれから聴けばいいか迷っているというペンクラ初心者にオススメです。

 

リカ:ペンフレンドクラブの新境地もたくさん詰まった、美味しい所だらけなカバーアルバムです!聴いたら力が湧いてくるようなエネルギーに満ち溢れた1枚だと思います☆

 

そい:今回はなんといってもクラウドファンディングによって出来上がったのと、前ボーカルのMegumiのフルート演奏も入っていたりして、皆んなの期待とサポートによって出来上がった作品だと感じています。個人的にはジャケットのカラフルなメンバーの弾けた感じがお気に入りで、ぜひ皆さんのお部屋に飾ってもらいたいと思っています。新ボーカルNiinaを迎えて初めてのアルバム!コーラスも、どんどんレベルアップしてるんじゃないかな(!?)と思います。ぜひたくさん聴いてくださいね!




(テキスト:The Pen Friend Club)



2024年5月4日土曜日

The Beach Boys by The Beach Boys(Genesis Publications 2024)

 本年1月30日Melinda Wilsonが77歳で逝去された。哀悼の意を捧げる。
 2000年代以降、音楽界の伝説Brianの傍らには常にMelindaという存在があった。
 単なる伴侶やビジネスパートナーを超え、彼女は彼の音楽、人生、そして精神を支える光であり、時に影となる複雑な関係を築き上げてきたのだ。
 公私に渡ってブライアンを支え、彼の才能を開花させたMelinda。しかし、その関係は常にスムーズだったわけではない。Brianは躁うつ病などの精神疾患を抱えており、Melindaは彼の世話役や精神的な支柱となることもあった。時には、彼の気分や行動に振り回され、苦悩することもあっただろう。しかし、彼女は決して彼を見捨てず、献身的に愛情を注ぎ続けた。
 Melindaは、Brianにとってかけがえのない存在であり、彼の音楽、ビジネス、そして私生活において重要な役割を果たしてきた。彼女の献身的なサポートと深い愛情が、Brianを支え、彼の人生をより豊かに彩っている。

2024年グラミー賞でもMelindaへの弔意が捧げられた

 Melindaの死から2週間後の2月14日、ロサンゼルス郡上級裁判所へ後見申立てが行われる。申立てはBrianのパブリシストである Jean Sieversとビジネスマネージャーである Lee AnnHardの両名による申立てであった。
 Brian自身のケアにまつわる代理人や後見行為には過去様々な経緯があった代表的なものとしては以下の通りである。


1970年代後半: Stan LoveがBrianの身上監護のためにWilson家に派遣される。
後年StanはDennisに対する住居侵入等の不始末やWilson家に対する利益相反行為で放逐される。

1989年9月: Eugene Landyのコントロール下にあったBrianが、Irving Musicらを相手にSea Of Tunes売却に関する訴訟を起こす。

1990年: StanはBrianに対する後見申立てを行い、Stanの後見は認められなかったが主張の一部は裁判所で認められる。

1991年: 裁判所は、LandyとBrian間の個人的および経済的関係の切断を命じる。

1992年:

3月9日: Brianが精神的に無能力であると法廷で判断された後、Jerome Billetが後見人に任命される。

4月: Sea Of Tunesの訴訟は法廷外で和解し、Brianは1000万ドルを受け取る。

8月: MikeがBrianに対して作曲クレジットと報酬の分け前を求め公訴の提起を行う。

1994年:

12月24日: Mikeは裁判で勝訴し、Brianは500万ドルを支払い、35曲の将来の印税を折半することに同意する。

1995年:

BrianはMelindaとの婚姻後Billetを後見から解任し以後Melindaが後見行為を行う

9月: Brianは、前保佐人となったBilletをMikeとの訴訟での利益相反行為を持って1000万ドルで訴える。

Melindaの死去により後見が終了となるため、今回申立ては必要となるのは自然な流れである、肉親以外のビジネス関係の人物が後見人または​​保佐人に就任するのは一抹の不安があるが、Wilson家側としてはSNSなどを通じて今回の申立てについてはBrian、彼の7人の子供たち(Carnie及びWendyそして養子の五人)、Brianの医師等ケアに関わるスタッフとの慎重な検討と協議の末決定したことである旨主張しているので問題ないと思われる。

筆者の入手した法廷資料から伺われるのは、今回の申立ての目的はBrianに対する全ての権利のコントロールというよりは、今後も在宅ケア中心にBrianが自宅で快適に暮らしていけるための大きな配慮が感じられる。

同資料から

「Wilson氏は、自身の身体的健康、食事、衣服、または住居のための適切な世話を提供することができないため、妻であるWilson夫人が日常生活の世話をしていました。ウィルソン氏は、健康管理のために妻を代理人として指名する事前ケア指示書を持っています。しかし、ウィルソン氏の事前ケア指示書には後継代理人が指名されていませんでした。そのため、Wilson夫人の死去と事前ケア指示書に後継代理人が指名されていないことから、Wilson氏のために保護者が任命される必要があります。」



 とある、事前ケア指示書は自身が意思無能力状態や話すことができなくなった場合にのみ使用するもので、本人が希望する医療における選択肢を周りの人に知らせるための文書である。そして代理人は、本人が意思表示できない場合に、医療に関する代理決定を行うことができる。第二、第三のEugene Landyの跳梁跋扈を許さないための抑止力としては後見申立ては適切な措置と考える。Melinda死後の適切な代理人選定までの後見行為ということを信じてBrianを見守っていこう。


閑話休題と、いうか前置きが長くなってしまったが

 2024年4月刊行された本書は前年に500部限定でメンバーのサイン入りで販売されている。
普及版としての出来はというと、こちらも公式バイオ本だけあって装丁や品質のクリティも非常に高い。サイズ自体30cmx25cmx4cmで4キロ弱もありパラパラ軽く紐解くには程遠い重厚感がある。そもそも発行元のGenesis publication社はミュージシャン/バンド系の豪華本を得意としてきたので、さもありなんといった風情である。

CDと比べても圧倒的な大きさ

 本書の監修はIconic Brothers IP LLCとBrother Record両名で行われている。
 Iconicは音楽マネジメント界の大立者Irving Azoffの傘下にあるIconic Artist Groupと繋がりがある。同社はミュージシャン/バンド系の知的財産及びブランディング管理に特化した企業だ。同社は近年活発にミュージシャン/バンド系の知的財産の購入を行い、Bryan Ferry,Rod Stewart,Graham Nash,Cher,Joe Cocker,David Crosbyなど多くの顧客を持ち、同社へ知的財産や原盤権など様々な権利・ブランドの売買が行われている。我らがThe Beach Boysも顧客の1人だ、同社は2021年にBrother Recordの過半数議決権相当の株式を購入しており資本を通じてAzoffの影響下にある。Azoffは多くのレーベルの運営も行っておりその中のGiantからはBrianのソロ作「Imagination」がリリースされている。Giantには当時、今回Brianに関する後見申立を行った人物のうちの一人であるJean Sieversがおり、以降のBrianのソロ作でも積極的にサポートしていくことになる
 本書の構成は編年体で出生から時系列に時代ごとの出来事が編纂されているが編集方針としてオリジナルメンバー存命期にフォーカスしたため1980年までの事績を対象としている。


序文はBrianだ、「共同創業者」の顔を立てて
Mikeの御真影も掲載


こういったレア写真が大判で
これでもかと出てくるのが本書のいいところ


Surfer Girlの手書き歌詞は珍しい


これでもかと出てくるのは素敵じゃないか?


Brian邸のステンドグラスはもちろんあのジャケットの.....


 大半の事績や画像は既出の物で数ページおきに初出の事実などが現れ、飽きさせない内容となっている。しかし編者Howie Edelsonによる文章はビジネスライクというよりThe Beach Boysに寄り添う内容となっている。Howieは過去「Sail On Sailor」「Feel Flows」のライナーを担当しているから信頼性の点では折り紙付きだ。参考にしたテキスト群については各書のつぎはぎではなく、Alan Boysがかつて「Endless Harmony」作成時に行ったインタビュー等を基盤としている。ただし、決定的な研究書を求める御仁には期待外れかもしれない。むしろ「終活本」としての側面が強いので愛蔵版としてはふさわしい内容だ。

2024年4月29日月曜日

鈴木博文 古希記念 ライブ 「Wan-Gan King 70th Anniversary」


 今年5/19に70歳の誕生日を迎える鈴木博文(ムーンライダーズ)の古希を祝う、鈴木博文 古希記念 ライブ「Wan-Gan King 70th Anniversary」が6月1日 (土)に開催される。
 
 この記念すべきライブでは、博文氏の14thアルバム『どう?』(METROTRON NOTERON-1009/2017年)のプロデュースを手掛けた、シンガーソングライターの猪爪東風(ayU tokiO)がバンマスを務め、現ムーンライダーズのドラマーで、セッション・ドラマーや音楽プロデューサー、エンジニアとしても活躍している夏秋文尚をはじめ、カーネーションのベーシストの大田譲、同バンドの元ギタリストの鳥羽修、そしてayU tokiOのサポート・キーボーディストでシンガーソングライターのやなぎさわまちこがバンドメンバーとして参加している。
 またゲスト陣に、青山陽一、あがた森魚、emma、加藤千晶、直枝政広(カーネーション)(50音順)を迎え、彼のキャリアを総括する新旧の縁あるミュージシャンが一堂に会することでも注目されている。
 なお掲載日の時点でチケット予約は予定枚数を終了しているので、当日券について会場に事前チェックして欲しい。


鈴木博文 古希記念 ライブ 
「Wan-Gan King 70th Anniversary」
 2024年6月1日 (土) 
open 17 : 00 / start 18 : 00
新代田 FEVER

■出 演
鈴木博文
バンドメンバー : 
gt/etc 猪爪東風
ba 大田譲
gt 鳥羽修
dr 夏秋文尚
key やなぎさわまちこ
ゲスト: 青山陽一, あがた森魚, emma, 加藤千晶, 直枝政広

■チケット 前売り ¥7000 / 当日 ¥7500 +1d ¥600 (お土産付き)
■チケット取り扱い(4/6 AM10時より発売開始)

 ■問い合わせ
新代田 FEVER
03-6304-7899 


 昨年12月に紹介した、なんちゃらアイドルのカバー・アルバム『Sentimental Jukebox』のレビューでも少し触れたが、80年代にライダーズを愛聴していた筆者は、作詞面で鈴木慶一、博文兄弟が描いた唯一無二な詩世界に夢中になった。それは音楽批評文にまでおよび、10代の頃ミュージック・マガジン誌で博文氏が高評価した洋楽アルバムをレコードショップやレンタル・レコード店でチェックするのがルーティンになっていたので、筆者にとっては影響力が大きい。
 折角の機会なので、ここではそんな鈴木博文氏がソングライティングしたベストソングのプレイリストをサブスク化したので紹介する。

鈴木博文ベストソング★WebVANDA管理人選

(テキスト:ウチタカヒデ