ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場

すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~ すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。

イラスト図解 寿司ネタ1年生 イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。

更新情報など

最新コラムより

コラム 

シログチの時季到来!

連休明けの市場は不安定極まりない。止め(数日前に到着したもの)や微妙な荷(発泡の箱に入った魚介類などのこと)が多い。そんな不安定な市場で鮮度抜群、見事な高知県産シログチ(体長30.5cm・538g)を大発見した。
まさに奇跡である。
八王子綜合卸売センター、福泉のあんちゃんに聞くと入合(いくつかの魚を混ぜて1箱にしたもの)で来たらしい。
しかも、5月の大振りのシログチの素晴らしさを知っている人は少ない、ので安い。
この時季、上物のシマアジと並んでいたらボクは迷わずシログチに手を出す。味で勝負してシマアジを木っ端みじんに負かす、それほどおいしいからだ。
関東ではイシモチと呼び、不安定ながら長年標準和名であった。これをときに併記されていたシログチに、標準和名を固定したことはとてもいい判断である。イシモチでは系統的に意味を持たない。
コラムの続きを読む 
コラム 

4月25日はヒラスズキの兜焼きが主菜

日々、少ないときでも、3、多いときには10の魚料理を作っているので、食事も大方水産生物のものとなる。
それにしてもヒラスズキの旬はわかりにくい。
白ご飯は福井県の「いちほまれ」
高知県産ヒラスズキ兜焼き。なんど作っても骨まで愛せると思う。
おおばらごま油炒め(ハリギリの芽をゆでて、水にはなち、ごま油と醤油で炒め黒ごまを大量投入)。
塩若布(ワカメ。茅場町木村海草店で頂いた試供品。水で洗っただけ)。
間引き蕪の漬け物。本物の小蕪だと思って買ったらF!の間引きだった。本物の小蕪が食べたい。
糸こん炒め煮(糸こんと子持ちヤリイカ真子とゲソ・ぎょうじゃにんにくを炒め煮にしたもので味つけは少量の酒と醤油)。
間引き蕪と油揚げのみそ汁(福島県南会津町梁取みそ)。
コラムの続きを読む 
コラム 

東京都、東久留米卸売市場

前にも述べたことだが、四国の人間にとってもっとも浮かんで来ない東京の地名が、小平市、西東京市、東久留米市、東村山市、武蔵村山市、東大和市だ。
小平市には同じクラスの友人がいたので、行ったことがあるが、それっきりこの中央線以北、西武沿線には縁がない。
東久留米市はそんな東京都民にすら影の薄い市のひとつである。
ただし、それでも東久留米市の人口は11万人以上もいるので、周りの無名の市と合わせると商圏としては大きい。
つい先日の別の分野の勉強会で言われたことだけど、四国の人口は全部合わせても400万弱、徳島県など70万人ほどしかいない。この5市で徳島県全域と同等の商圏ということになる。
ここにこれほど新しくて、魅力的な市場があることを知らなかったことは不覚である。建物が新しいだけではない。市場フラットであり、歩きやすいのも魅力的だろう。
コラムの続きを読む 
コラム 

福島県相馬市で買ったカツオの腹身で一夜干し

福島県は国内随一のカツオ県である。宮城県が近いのもあるし、産地でもある。郡山市郡山魚市場にはカツオ競りなるカツオだけの競りがあるくらいだ。
県内どこのスーパーに行ってもカツオの量が多い。カツオコーナーを設けているところもある。カツオも都内のスーパーと比べて格段にいい。
福島に来たらカツオを買う、という考えは実に正しいのである。
さて、相馬市内のスーパーで腹も(砂ずりとも言う可能性がある)ばっかり入ったパックがあった。
これがスーパーに並ぶのもカツオ県だからだ。
とりあえず1パック買ったものの、もう1パック探しても見つからない。たぶん並んでいた大方が売れてしまった後だろう。
コラムの続きを読む 
コラム 

福島県相馬市『川合屋セトモノ店』でいろいろ

食器に限りなく惹かれるのは、ボクが「からっちゃ(唐津屋)」に生まれたからだ。
食器店のことを東日本で瀬戸物屋、西日本で唐津屋と呼んだ言語の地方性が失われて久しいのは残念でならない。
相馬市内を歩いていて、「相馬焼」の文字に惹かれて食器店に吸い込まれた。
コラムの続きを読む 
加工品 

しらすの北限は福島相馬だと思っていた

福島県相馬市で水産物を探していて、忘れていたことを思い出す。しらす漁の北限である。
「そうだ。相馬はしらす漁の(太平洋側の)北限だった」
と思って調べたら、いつのまにか宮城県仙南の閖上、亘理が北限に変わっていた。
とすると日本海側は、と調べたら富山県氷見だ。
カタクチイワシの産卵場が北上しているのだ。
これなど明らかに温暖化が原因である。
相馬市で「しらす干し」を買うと言うことは、こんなきっかけをくれるということでもある。
だから水産生物の加工品を買うということにも重要な意味がある。
ちなみに相馬市では「ちりめん」も作っているようだ。
これはまったく知らなかった。
コラムの続きを読む 
コラム 

福島相馬の「かすべ」はツマリカスベでいいのだ

【まずいきなり話の寄り道】
最近の風潮、「見た目で食べる」の愚かしさである。牛肉・豚肉など丸のままの見た目で食べたらとても食えたものではない。ただ、この場合の見た目は肉になった状態のことなのだ。
見た目を気にする人は、魚はまず丸のままで見ることになるが、魚も平等に肉になった状態で評価すべきだ。水産生物を丸のままの美醜で判断するから、エイやサメなどおいしいのに消費が減少する。
基本肉の状態で売られるマグロやサーモン、アカムツ・キンメダイ・「きんき(キチジ)」など赤い魚ばかりが売れる。でも、でも見た目の悪い魚も味では決して負けてない!
コラムの続きを読む 
歴史 

谷崎潤一郎の馬鹿貝の附け焼

谷崎潤一郎(1886-1965)の短編、「東京をおもう」(1934)に、
「(東京から)遠く離れているときには、馬鹿貝の附け焼が恋しくなったり柱の山葵醤油が無上にたべてみたくなっったりする」
というのが出てくる。
蛎殻町(現人形町)に生まれ、明治時代に幼少時代を送る。父親は生粋のとまではいかないが江戸っ子で、江戸前の魚を食卓に上げていたようだ。
当然、「馬鹿貝の附け焼」も柱(バカガイの貝柱)も、江戸時代からの家庭の味である。
東京の下町で食べられていたという「馬鹿貝の附け焼」とはいかなるものだろう? 作ってみれば谷崎潤一郎の、東京の味への思いがわかるかも知れない。
【話の寄り道。東京でバカガイのことを「青柳(あおやぎ)」と呼ぶようになったのは、そんなに古い話ではないのかも知れないと考えている。もしくは呼び名として主流ではなかった。築地場内(現豊洲)においても貝屋では「バカゲェ」という言葉が生きていて、青柳は小物屋が使う言葉であった可能性がある】
作り方といっても複雑なものではない。
たて(剥き身)を買って来る。もちろん活け(殻付き)があればいいに越したことはない。
薄い塩水のなかで砂などをていねいに落とす。
水分をよく切っておく。
これを強火で焼き、酒・醤油のたれを塗りながら仕上げる。
コラムの続きを読む 
歴史 

クロダイの真子食べる? 食べない?

昔、千葉県勝浦市へスルメイカ乗り合いに乗ったとき、荒天でなんと客はボク一人だった。
今ではケータイがあるからドタキャンできるけど、海が荒れていると宿泊して翌日に出るということがあった。
泊まっていろんな魚話を聞いたとき、ボクがクロダイ釣りで勝浦に通っていることを聞いて、「漁師はクロダイは食べない」と言われたことがある。
千葉県保田で「ちんちん(クロダイの当歳魚)」を釣っていた人も「親は食べない」と話していたはず。
当然、千葉県の広い地域で真子(卵巣)・白子(精巣)も食べないのではないかと考えている。
コラムの続きを読む 
コラム 

ディディモゾーン寄生虫

人体に影響はない。
扁形動物門吸虫綱二生亜綱斜睾吸虫目ディディモゾーン(ディディモゾイド)科(Didymozoidae Monticelli, 1888)ゴナポダスミウス属の種。ゴナポダスミウスなど多種類が存在する。扁形動物はまだ未開発な分野ではないか、と思うぐらい種の情報がない。
マダイ、コショウダイ、マグロ類、ブリ、マサバ、トビウオなど多種類の魚類に寄生している。
筋肉、鰓、内臓などにみられる。黄色みがかった袋状に見え、包丁などが当たると黄色い汁が出る。また黄褐色の染みのように見えることもある。
非常に細長い体を折り曲げてこの袋状の中に入っている。雌は非常に長く6m前後になり、雄は小さく長さ10cm前後にしかならない。
参考文献/『魚介類に寄生する生物』(長澤和也 成山堂書店) ■情報が集まり次第改訂していきます
コラムの続きを読む 
コラム 

まだ間に合うぞ、クロダイちゃん

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で愛知県一色産のクロダイを買った。1.3kgはサイズ的にも申し分がない。
当然、時季的にお腹はでっぷりとして出産間近だということがわかる。
普段なら買わないのだが、連休の狭間で他にめぼしい魚がない。
しかもクロダイは年間を通して買っているが、5月始めのクロダイはたまたまではあるが買っていない。
一色産のクロダイは明らかに活け締めである。昔ながらの粗野な締め方だけど死後硬直以前だ。うまく締めてある。
さて、帰宅して真っ先に下ろすと卵巣が膨らみに膨らんでいる。やがてこの卵巣がほぐれ始めて産卵開始となる。
三枚に下ろすと身に張りがあり、触った限りでも脂がのっているのがわかる。値段からすると大当たりだ。
コラムの続きを読む 
コラム 

硬骨魚類のアニサキス

アニサキスはときとして人体に害を及ぼし、アレルギーを引きおこし重症となる。
一般にアニサキスと呼ばれているが、アニサキスとは、アニサキス科の何種類かの回虫である。正確には線形動物門双腺綱回虫目回虫上科アニサキス亜科アニサキス属(Anisakis )とシュードテラノーバ属(Pseudoterranova)の回虫をさす。
最終宿主は鯨類(イルカなど)で、この体内で成虫になり、産卵する。
海獣類、鯨類の排泄物と一緒に卵が体外に出て、孵化して孵化仔虫になる。それをオキアミなど動物プランクトンが摂取、動物プランクトンを魚類が食べることで今度は魚の内臓内に寄生する。その魚を鯨類が食べると、体内で成虫となり成熟、産卵する。
この寄生された魚を生でヒトが食べることでアニサキス症になる。ただしヒトは最終宿主(成虫になって産卵できる環境を持つ生物)ではないので、取り込んでもアニサキスは長く生きていけない。
コラムの続きを読む 
コラム 

カツオ・マグロのテンタクラリア

カツオを下ろしていると、ときどき筋肉内(腹部)に白いものが散らばっていることがある。これが条虫(扁形動物門条虫綱)のテンタクラリアである。
マグロ類にも寄生していることがある。
今のところ内臓の中では見ていない。
魚の腹部で見つかるものは幼虫で、最終宿主であるヨシキリザメなどの体内に入ると、成虫となる。
コラムの続きを読む 

サイト内検索