スポーツボウリング 村松 弘

昭和43年開業と同時に始めたスポーツボウリング、ボウリング衰退期
にも中断することなく、28年も続けています。ボウリングは夏でも冬でも、
雨でも晴れでも、昼でも夜でも、老若男女誰でもマイペースで手軽に
できる屋内スポーツです。

ジャストポケットのストライクを出した時の快音はなんともいえない爽快な
気分で、スポーツしながらストレスの解消になります。ボウリング場は
年中無休で、夜12時までの営業が普通です。

現在3ヶ所のボウリング場の会員になり、週4回のリーグに参加。NBF
(日本ボーラーズ連盟)に所属して、月に1〜2回、県内外あるいは全国
大会に遠征します。

こんなにまで夢中、熱中させてしまうボウリングの魅力とはいったいなん
なのか。たかが球転がしと言わないで下さい。長いキャリアをしても、
まだすべてを極めていないのですから。

スポーツボウリング、その奥の深さをゴルフと比較しながらお話しします。

オフィシャルハンディキャップ

ゴルフ場のメンバーとなり、スコアーカードを何枚か提出すれば、そこの
クラブのオフィシャルハンディキャップが貰え、クラス別の月例会や理事
長杯に参加でき、またプライベートコンペでも、そのハンディキヤップを
使って競技します。

ボウリングでも、ボウリング場の会員になれば、そこの公認のリーグや
トーナメントの成績からアベレージ管理をしてもらえ、ハンディキャップを
貫える。ホームセンターを指定すれば、そのセンターの成績が静岡県
ボウリング場協会に登録され、場協会公認のオフィシャルハンディ
キャップも取れる。

センターのリーグ戦やトーナメントはほとんどハンディキャップ制の試合で、
ハンディキャップは毎月更新されるし、その人のその時の実力相当の
ハンディキャップなので、誰でも楽しくスポーツボウリングできます。

ゴルフのクラブ選手権がオールスクラッチであるように、ボウリングでも
選手権大会となると、すべてスクラッチゲームです。選手権でも、中には
50歳を境にして、一般とシニアに分け、男女の4部門のこともあります。

ホールインワンとパーフェクト300点

ゴルファーなら誰でも一度はやってみたいのが夢のホールインワンなら、
ボウラーが誰でも一度はやってみたいのが、夢のパーフェクトゲーム
300点。

ホールインワン、プロやシングルの人のほうが出す確率は高いが、ビギ
ナーやアベレージゴルファーでもかなり出している。以前私は、同じ組の
ひ弱い女性が、160ヤードショートホールでドライバーを使い、花道から
転がって行きカップインしたのを見ています。

それにひきかえ、ボウリングの300点はそうはいかない。ハウスボール
のビギナーは無論のことマイボールの中堅ボウラーでもなかなか出る
ものではない。やはり、プロやトップアマボウラーでないと不可能です。
12回連続でストライクを出さねばならないので、真中やブルックリンの
ラッキーストライクはあっても、2〜3回までです。ほとんどすベてをジャ
ストポケットヒットしなければ達成できません。いつでも300点を夢みて、
スポーツボウリングしています。

グリーンとレーン

パットイズマネーと言われるようにゴルフのスコアーメイクはパットの善し
悪しが勝敗を分けることになります。

バーデイを取れるかパーに終わるかは、ワンパットで入るか入らないか
で決まる。高麗グリーンとベントグリーンの差はもちろんのこと順目、
逆目の芝の目、上り、下りや傾斜の程度によるボールの走り具合と
フック、スライスの度合いなどグリーンの状況を正確に読取ることが
極めて大切な要素であることはご存じの通りです。

ボウリングでも、その日の、その時の、今投げているレーンの状況を
読むことが、一投一投を正確にポケットヒットしてストライクにすること
ができるかを決めることになる。

レーンの材質には、木材と合成樹脂とがあり、それぞれ特有の癖が
あり、時間とともに変化していくレーンの状態がぜんぜん違います。
またレーン上に塗られているオイルの量が多いか少ないか、オイル
ゾーンが長いか短いか、板目により濃い薄いがあるか等々を知らず
してストライクを出すことは不可能です。
また多くの人が同じレーンをあちこちから投球するため、レーンの状態
は刻々と変化して行くので、いつまでも同し所から投げていれば良い
わけではありません。

ボールがオイルを吸収してオイルが少なくなったり、ボールに付いた
オイルをピンの方へ運び込んで、オイルゾーンが伸びたりします。

右投げのボウラーが多いので、レーンの右半分の投球回数が多くなり、
その分よけいレーンの変化がひどく、荒れてきます。そのため右より
はるかに少ないサウスポーの方がレーンの変化が少なく大変有利な
ことがままあり、優勝者を含め上位入賞者がすべてサウスポーだった
りします。

18ホールとレーン移動

ゴルフでは18ホール、全く状況の違うグリーンでなおかつあちこち異
なる箇所に切られたカップを攻めて勝負します。

ボウリングの公式戦では、競技の公平を期するため、必ず隣あった
2レーンを1フレームごと交互に投球します。このアメリカン方式が大変
クセモノで、左右のレーンのコンディションの差が多かれ少なかれ必ず
あり、左右差がひどいレーンに当たると悲劇で、勝負を諦めなければ
ならないことにもなります。 また一日9〜15ゲームの大きい大会では、
普通3ゲームごとにレーン移動して、数多いレーンをまんべんなく使用
して勝負します。

さらに大きいプロとのオープントーナメントではlゲームごとにレーン移動
する場合もあります。この間、練習投球はないのですから、試合投球
しながら、レーンを読まなければなりません。

ホール攻略とレーン攻略

18すべて違った状況の各ホールを攻める時、パーあるいはバーデイを
とるために、そのホールに最もあった方法を考えます。バンカーやラフに
人れないようにスプーンやアイアンを選択したり、池に入れないように
刻んだり、グーンの傾斜がきついので、手前からショート目に攻めたり
といろいろ考えてプレイします。

ボウリングレーンの幅は約1メートルと少しありますから、かなり色々の
方向とラインを使ってポケットを攻めることができます。オーソドックスなの
は板10枚目の2番スパットを通すラインですが、その日のレーン状態
により、これが最適とは限りません。
時にはもっと外からl番スパットとか、あるいは逆に内側の3番とか真中
のスパットのラインのほうがよりボールをコントロールしやすく、かつスト
ライクを出しやすいことがあります。

ゴルフクラブとボウリングボール

もっと遠くへ飛ばしたい、もっとまっすぐに曲がらないボールを打ちたい。
そんなゴルファーの夢をかなえるよう、クラブの開発は最近とくにめざま
しいものです。
ヘッドーつとっても、パーシモン、メタル、カーボン、ステンレス、チタン、
アルミ。その他型や大きさ、シャフトの種類やその長短、きりがありま
せん。

ボウリングボールの開発もここ数年特に目覚ましく、つぎつぎとニュー
ボールがでてきます。ボールの表面素材は、その昔ラバーボールに
はじまり、ポリエステルそしてウレタン。最近はリアクティブウレタンが
主流です。

これは投げられたボールのエネレギーをいかに保存しておいて、ビン
に当たる時、一気に爆発させて、ピンを弾き飛ばしてストライクにする
かです。
また中の構造形状も多種多様で、その数40個。どのボールが自分に
合うかその選択に苦労し、迷うところです。

昔はボールの高重心、低重心を考えていましたが、今では物理学的
に高慣性、低慣性を問題にしています。

パターとドリル(指穴あけ)

ゴルフパターの種類の多いのには、おどろきます。パッティングはフィ
ーリングがいかに大切かを物語っているようです。自分に合ったフィー
リングのパターを見つけるために、次々と新しいパターを買い求める
ようです。

ボールのコアの形状が多種多様であることから、ボールに指穴をあけ
るドリルの方法、仕方は基本方針はあるものの、表面素材との組合
わせを考えると無限です。

ドリルの仕方により、ボールを大きく曲げたり、逆に曲がらないように
したり、また強く急激にフックさせたり、小さく緩やかにフックさせたり
します。

大きく強くフックするボールはピンを飛ばす力は大きく、ストライクに
なりやすい反面コントロールしがたい。その逆のボールは、コントロ
ールしやすいが、破壊力が弱くなります。

パターと同じように、いかに自分の投球のフィーリングに合ったボール
を作るかが大切です。

ゴルフボールとボウリングボール

ゴルフクラブと同様にボールの研究開発もすごい。一昔前までは、
糸巻ボールだけだったところに、ツーピースボールができ、その後さら
に改良され、硬軟はもちろん高中低の弾道まで選べる時代です。
また、メタル配合とか、筋肉分子構造とかいわれます。

ボウリングも最近は技術より、ボールの時代です。こちらも一昔前まで
は、一個のボールで、自分の全てのテクニックを駆使して、いかに強い
ボールを投げるかにあった。それが今や、いかにその時のレーンコン
ディションにマッチしたボールを選択できるかが勝敗を決めるといっても
過言でありません。

表面素材の改良と共にコアーの形状の力学的研究により、個性豊かな
ボールが次々と発売されます。その種類は極めて豊富です。こんな時代
ですから、プロボウラーともなれぱ、誰もがトーナメントに参加する時、
10数個のボールを持込むのが普通です。
アマチュアでも、大きい大会ともなれば同じように沢山のボールを用意し
ます。
週一のアベレージボウラーでも、速いレーン用と遅いレーン用の、最低
2個はもっています。

個性の強いボールが多いため、5〜6人で2〜3ゲーム同じレーンで投
げていると、レーンの状態が変化し、そのレーンにマッチしなくなり、別
のボールを使わざるを得なくなり、沢山のボールを用意しておく必要が
あるわけです。

パープレイとアベレージ200以

さて、ゴルフとボウリングのスコアーを比較することは、大変難しいこと
ですが、あえて挑戦してみます。

ゴルフは18ホールパー72ですが、ボウリングは1ゲーム200以上を
出すにはストライクを必ず2個以上〈ダブル、ターキー)続けなければ
なりません。ノーミスゲームでも、最高200までです。

ゴルフでボギーやダブルボギーを出しても、バーデイを1、2個でパー
プレイです。
ボウリングで1ミスをカバーするには、ストライクが連続3個、ターキー
が必要です。

そんなわけで、一日9〜15ゲーム、プロともなれば、一日30ゲーム
の大きな大会でアベレージ200以上はかなりの好成績と言えますの
で、パープレイとアベ200が同程度と判定しておきます。

ちなみに、プロテスト合格は一次テストー日15ゲーム、4日間4ヶ所
のボウリング場で合計60ゲーム、アベレージ195以上。
翌月二次テスト、同じく60ゲームアベレージ195以上です。

ゴルフとボウリング

この両者は両立しないとよく言われますが、私は両方やってます。
ゴルフのキャリアも長く20年ぐらいで、一時はゴルフにもかなり熱中
しましたが、最近10年は7対3でもっぱらボウリングです。
日曜日にゴルフとボウリングが重なると、どうしてもボウリングの方に
行ってしまい、県大会や全国大会で好成績を出すのが楽しみです。

思いつくままに書いてきましたが、ボウリングの神髄をご理解できた
でしょうか。
パーフェクトゲーム300点と全国制覇を目標に毎日スポーツボウリング
に励んでいます。

ボウリングは健康に大変良いスポーツです。特にシニアのスポーツと
して最適です。今からでも遅くありません、スポーツボウリングを始め
ましょう。

(平成9年4月13日)