ばななぼーと

レンタル&中古VHSとネットラジオを愛するゆとり社会人のブログ

近況。

すっかり更新が止まっていましたが、無事に生きております。

 

昨年、息子が生まれ、その一か月後に京都への転勤が決まり、
福山で暇を持て余していた生活が急転直下で多忙の日々となり、
気が付くと2021年も終わろうとしていてびっくりしています。

 

最近は息子の夜泣きも以前よりは落ち着いて、
睡眠時間が確保できるようになってきました。

 

やはり人間、寝ていないと何もできないということを実感してから
飲酒は眠りが浅くなるのであまり気が進まなくなり、
ノンアルコールビールばかり飲むように。

 

自転車通勤を始めたことも相まって体重がみるみる落ち、
うどんばかり食べて太り始めていた高松時代から12kg痩せ、
体重は60kgとなりました。

 

最近ハマっているものとか、書きたいことはたくさんあるんですが、
気が付くともう年の瀬なので、年間ベストみたいな形で
来月まとめたい気もするので、今日のところは今年聴き始めたラジオについて。

 

◆月曜
・83 Lightning catapult(spotify-podcast
◆火曜
蛙亭のトノサマラジオ(ANN-podcast
・ミルクボーイの火曜日やないかい!(ABC)
◆木曜
・真栄原ミュージック(FM Okinawa)
アンガールズのジャンピン(ANN-podcast
◆金曜
・トムブラウンのニッポン放送圧縮計画(ANN-podcast
・小野坂・秦の8年つづくラジオ(ラジオ関西
◆土曜
・南国の夜(琉球放送
◆日曜
 川島明のねごと(TBS)

 

今年始まったものが大半。
というか、新番組をチェックしているうちに
どんどん増えてしまいました。

 

最近は仕事で外に出る機会も多々あり、
ラジオは移動時間に聴けるので、
多忙な中でも寄りかかれるエンタメとして
最適なのですが、そればっかりになりつつあるので、
最近はもう、寝る数分前は聞くのをやめ、
考え事をしているうちに眠りにつくようにしています。

 

実はこの記事を書いている本日、11/23勤労感謝の日

2年前、文学フリマ東京があった日なので、
久しぶりに少しだけ何かしたい気持ちが湧いてきて、
こうして更新してみた次第です。

 

自分はキーボードじゃなければ
長文が書けない人間なので、
こうしてパソコンを開くことが出来ないと
文章が書けないと思っていましたが、
よく考えるとBluetoothのモバイルキーボードとか
買ったらiphoneにも接続できるわけなので、
今度探してみようかなと思います。

 

以上、とりとめのない近況でした。

下半期への抱負とポータブルラジカセ

今週のお題「2020年上半期」

 

たまには、はてなブログのお題に乗っかって

書いてみようかと思ったのですが、

今週のテーマは「2020年上半期」とのこと。

 

まぁ、言うまでも無く、想像した以上に騒がしい未来が

待ち受けていた上半期だったわけですが、

コロナの影響で元々入っていた遠出の予定や

出張も無くなったことに伴い、

趣味の地方ビデオ屋巡りは全く出来ておりません。

 

それどころか、3月に隣の尾道市に映画を見に行って以来、

福山市から一歩も出ておらず、

自宅から半径3km以内で完結した生活を送っていました。

 

しかし、それでいて退屈していたかというと、

元々何もない田舎で育ったせいか、

家で映画を観たり楽器を弾いてみたり、

たまに川へ出てアプリで調べながら野草を見て見たりと、

それなりに楽しんではいました。

 

ただ、新しい出来事が少ないので、

確実にアウトプットの数は減っています。

 

アウトプットと言っても、

何か「作品を作る」というような

そんなたいそうなことではありません。

普段の生活の何気ないTwitterのつぶやきだったり、

ブログの更新であったり、

用は、誰かに向けて何かを発信するきっかけになるような

新しいことが生活の中から抜け落ちてきている、

そんな気がしたわけです。

 

(まぁ、全くなかったわけではないんですが、

 ネットにかけない仕事のことをはじめ、

 私生活のことだったりしたわけで・・・)

 

あんまり意識したことは無かったんですが、

何かを楽しむことと、

新しい体験をすることは

イコールではないんだなぁと思いました。

 

このコロナ禍はおそらく下半期一杯も続くかと思うので、

次の半年はもう少し未体験のことに挑戦したいと思います。

 

そんなわけで、なにか新しいことをやりたい。

そんな気持ちだけが先走って、

今朝、思い付きでポータブルラジカセを購入しました。

 

 

これがまた本当に思い付きで、

今のところ何に使うか全く考えておりません。

 

なんなら、注文しただけでまだ届いてもいません。

 

ただ、今、カセットテープが

再び注目を集めているらしいという話を

ここ数年何度も聴いていたので気になっていました。

(ここ数日の話だと、

 あんまりよく知らないんですが

 ヨルシカという人たちの新作が

 カセットで話題らしいですね。)

 

素直にカセットの音源を

いろいろ楽しみたいという気持ちもあるので、

まぁ、その辺もぼちぼちと

探してみたいと思います。

 

あと、あえて「プレーヤー」ではなく、

「ラジカセ」にしたので、

録音機能を活かして何かやりたいなぁと。

 

本当に見切り発車なので、

なにかいいアイデアがあったら

Twitterやブクマでコメントください。

 

 

ちなみに僕が人生で

一番最初に手に入れた再生機器は

カセットウォークマンでした。

 

たしか小学校4年生くらいのことで、

兄がCDウォークマン

買ってもらったのを見て駄々をこね、

何故か自分はCDではなく

カセットのウォークマン

買ってもらったと記憶しています。

(たぶん、単純に安かったからとか

 だったと思いますが・・・)

 

プレーヤーを手に入れたものの、

肝心のカセットが無く、

とりあえず、近所のスーパーに併設された

レコード屋で当時最新作だった

氷川きよしの「大井追っかけ音次郎」の

カセットテープを買いました。

大井追っかけ音次郎

大井追っかけ音次郎

  • アーティスト:氷川きよし
  • 発売日: 2001/02/21
  • メディア: カセット
 

 

「なんでもいいから最新のカセット」を、

と、思ったんだと思いますが、

今思うと氷川きよしのカセットを買う

小学生男子というのは

珍しかったのではないかと思います。

 

というか、そもそも

「最新のカセット」という概念が

2001年当時でもかなりどうかしていたと思います。

 

そんなわけで、しばらくは

氷川きよしを聴いていたのですが、

徐々に文化放送ニッポン放送

ラジオを録音して聴くという遊びを覚え、

どんどん内省的な少年に

なっていったように思います。

 

カセットは「一番最初の自分の部屋」

のようなものだったので、

何か、おもしろいことができるんじゃないか、

そんな期待を抱いて、

とりあえず届くのを待ちたいと思います。

マラソンビギナーが「丸亀ハーフ」に挑んだ話

今ほどコロナウイルスの危機感が薄かったひと月前、

2月2日(日)に「第74回香川丸亀国際ハーフマラソン」の

一般Cの部に参加してきました。

 

www.km-half.com

 

香川県丸亀市といえば丸亀城や骨付鶏で知られる街です。

去年まで僕は高松に住んでいたので、

何度か丸亀も訪れたことはあったのですが、

まさかマラソンで走ることになるとは思っていませんでした。

 

なんでまた走ろうと思ったのかというと、

 

久しぶりに香川に行きたい気持ちがあったのと、

今年、30歳を迎えるにあたり、

今までやってこなかったことを

やってみようという思いが沸き上がり、

思い付きでエントリーしてみました。

 

 

 

スタート地点は香川が誇るサッカーチーム

カマタマーレ讃岐」のホームことPikaraスタジアム。

丸亀市から宇多津市を抜けて、

坂出市で折り返してくる21kmコースです。

 

 

とはいえ、そもそも運動が得意かどうかというと

運動部は中学まで、それも弱小卓球部という経歴が表すように、

今までの人生を振り返るとスポーツに明るい方ではありませんでした。

しかし、20歳を過ぎたころから、巧拙にこだわらず運動を楽しめるようになり、

たまにジムやプールに行ってみたりはしていました。

 

「そもそも21km走れるのか?」

というところからのスタートでしたが、

結局、当日までぼちぼち練習はするものの、

予行練習として21km走ることはしませんでした。

 

というか、事前に走れてしまったら

それはそれで当日のモチベーションが

下がってしまいそうな気がしましたし、

走る前に足も痛めてしまうのも嫌だったので、

練習でも10kmまででやめておきました。

 

そんなわけで、ぶっつけ本番の当日でしたが、

まさかの、思いもよらないトラブルが起こりました。

 

福山駅から岡山駅までやってきて、

いざ丸亀!と、特急「しおかぜ」に乗り込んだのも束の間・・・

 

 

なんと、定刻になっても発車しない!?

 

まさかの事故による遅延。

想定外の出来事に軽くパニックになり、

「え?どうする??バスとかあるのか???」と

とりあえず発車しない電車の中でスマホを取り出し、

あれこれ考えてみるも、下手に動いてもしょうがないと思い、

とりあえず待機。

 

もともと余裕を持って行くつもりで特急を選んだので、

少しぐらいの遅延なら大丈夫だろうと思っていると、

次々にランナーらしき人々が乗ってきました。

どうやら鈍行で行こうとしていた人々のようで、

「これだけのランナーが遅れるなら、

仮に遅れても何かしら特別措置があるのでは?」と思い、

座って待ち続けること30分。

 ようやく発車してなんとかギリギリ間に合いました。

 

 

そんなわけで丸亀駅からシャトルバスに乗り、

Pikaraスタジアムへ。

遅れてついたことで早く準備しなければと

少し焦るものの、なにぶん初めてなもので、

からしていいのかわからなくなり、あたふたしながら

着替えるためのブースを探して着替え、

荷物を預け、トイレに行き、とあれこれやっていると

瞬く間にスタート集合時間になり、スタジアム内へ。

 

 

なんとか一息ついて、スタートを待っていると、

先にプロのアスリートたちがスタート。

スポーツに詳しくない僕でも知っているレベルの選手が

めちゃくちゃ参加しており、

「あ、こんなすごい大会だったのか~」と今更ながら実感。

 

ちなみに、エントリー時に自分のタイムを申請し、

スタートのグループが決まるのですが、

そもそも21km走ったことが無いので、

とりあえず時間制限ぎりぎりで見積もって提出したので、

最後列のグループからのスタートでした。

 

そんなわけでなんとなくグループ番号が

呼ばれるがままに周りについていくと 

 気づいたらスタートしていました。

 

沿道には多くの応援の人々!

かつて自分の人生でこれほどの人々に応援されて

運動したことがあったろうかと不思議な体験を噛みしめました。

 

大勢で走っているため、揺れるバイパスの高架。

ヤマダ電機スポーツデポなどの郊外型の大型店舗を横目に、

とりあえずは周りのペースを参考に走りました。

 

 

 

3kmほど走ると、丸亀城が見える通りへ出ました。

 

終盤きつくなると聞いていたので、

ここまではわりとゆっくりのペースでこなしてきましたが、

走っていて街のシンボルがあれこれ見える楽しみもあり、

「あ、これが土器川ってやつかぁ~」など、

いろいろ考えながら走っていると、

気がつくと宇多津市に入っていました。

 

市が変わると「結構走ったんじゃないか?」という

実感が感じられてよかったです。

名店と名高いけれども行ったことが無かった

うどん屋「おか泉」を横目に走り去っていくと、

よく電車の車窓から眺めていた

「オッペンカルチャークラブ」の前も通りました。

 

 

そんなわけで宇多津を堪能していると、

今度はいよいよ坂出市に入りました。

 

坂出から地味に坂が多くなり、キツかったです。

給水所では迷わず給水し、

飲んだ分がすぐにエネルギーになっている感じがありました。

 

 

 

そんなわけでなんとか折り返し地点に着き、

ようやく復路なんですが

もう、そのへんからは必死でした。

往路ほどの余裕は無くなり、

片耳だけブルートゥースのイヤホンを付け、

音楽を聴きながら無心で走りました。

 

田尾坂公園近辺の緩やかに続く

久米通賢街道の坂のあたりが一番しんどかったです。

 

 

 

途中、沿道の方からいただいた飴に助けられました。

糖分の大切さを噛みしめながら来た道を戻り続け、

ようやく出発地点だったPikaraスタジアムへ。

 

なんとか歩かずに最後まで走ることが出来ました。 

 

 

 

 

 

スタートラインからゴールまでのタイムは2時間9分でした。

初参加としてはまぁ、こんなものではないでしょうか。

なによりも、完走できたことが嬉しかったです。

 

 

そんなわけで、いざ走ってみたら結構楽しかったので、

出れるものなら来年も出たいなぁと思いました。

 

うどんも美味しかったです。

 

今回の反省点としては・・・

 

・飴は2、3個持っていた方がいい。

・何kmを何分で走っているかを自分で把握すべき。

・天気が良かったのでウインドブレーカーじゃなく、

 長袖シャツとかでも良かったかもしれない。

 

そんなところでしょうか。

 

なんか妙に長い記事になりましたが、

今日はこんなところでおひらきに。

 

いよいよこのブログも何ブログか

わからなくなってきましたね。

はじめてのトークイベント「横川夜話」を終えて

さる2/22(土)に広島市横川にあるイベントスペース「十八番箱」で

トークイベントのゲストに呼んでいただきました!

 

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イベント名は「横川夜話」。

その初回ゲストスピーカーとして

「あなたの知らない中古VHSの世界」というテーマをいただき、

あれこれと思うままに話してきました。

 

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とはいえ、中古VHSに限った話ではなく、

普段ZINEに書いてるようなビデオ屋めぐり旅の話であったり、

もう無くなってしまったビデオ屋の思い出や、

自分が持ってる珍品ビデオの紹介など、

思いつくがままにビデオの話をする90分でした。

 

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けっこう見切り発車な部分が多かったのですが、

来ていただいた方々に

あたたかく迎えていただいたおかげで

とても良い会となりました。

本当にありがとうございました。

 

人前で話すのは好きなので、

昔から何かやりたい気持ちはあったのですが、

聞いてくれる人がいるから

できることなのだな~ということはつくづく感じました。

 

あと、皆さんのVHSの思い出も聞いていて楽しかったです。

もっと皆で語り合う会も今後、

何かしらの形でできたらいいなと思いました。

 

そして、今回はブッキングして下さった

企画ユニット「意味深」の

マサキマサユキさんの助けがとても大きかったです。

 

 

imishins.wixsite.com

 

マサキさんは意味深以外にも『ナンセンスダンス』という

ナンセンスなおもしろさを追求した記事を集めた

webサイトにも関わっており、要チェックです。

 

nonsensedances.com

 

年始にあれこれイベントごとを詰め込み、

ようやく一息ついた感じなので、

さて、これからどうしようかなぁ~と

考え始めようとしていたところだったのですが、

気が付くとコロナウイルスの問題がドンドン拡大し、

今はそれどころじゃない感じになってしまいました。

しばらくは家で読書に精を出したいと思います。

 

オススメの本やネットコンテンツがあれば

どんどん吸収していきたいと思いますので、

みなさんのおすすめお待ちしておりますので、

是非ともTwitterでリプライ下さい。

【イベント告知】 2/22(土)「横川夜話vol.1 ~あなたの知らない中古VHSの話~」

昨年の広島文フリで知り合ったマサキマサユキさんが

主催するユニット「意味深」が企画するイベント

「横川夜話」の第1回のゲストに呼んでいただけることになりました。

 

日時は「2」がたくさんつく日、

2020年2月22日(土)の17:00~19:00 (open16:30)です。

会場は広島市の横川駅の近く、十八番箱というイベントスペースです。

 

 

 

【会場:十八番箱】

 

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2020/2/20(土)「横川夜話vol.1」


 

ご丁寧にフライヤーまで作成して頂きました。

ありがたいことに、広島市内の各所にマサキさんが貼ってくださっているそうです。

 

僕自身は引っ越したばかりで福山近辺で

チラシを置かせてもらえるようなツテもありませんが、

置かせてもらえるようにこれからちょっとずつ周っていきたいと思います。

 

さて、そもそも何をするイベントなのかといいますと、

VHSのある風景を追いかけるZINE『ばななぼーと』に関連して、

ZINEに載りきらなかったVHS旅の記録をトークで再現してみたいと考えています。

 

当日のトーク内容については既にある程度考えていますが、

来ていただいた方に少しでも楽しんでいただけるように、

いろいろと話の素材は持っていき、

皆さんの関心に合わせて話してみたいと思います。

 

当日でもたぶん余裕で入れるかと思いますが、

人数の目安がわかってると心づもりしやすいので、

TwitterのDMかYazibeeee@ジーメールまでご連絡いただけると助かります。

 

皆々様、何卒よろしくお願いします。

 

 **************************

以下に文学フリマ広島の告知をしておりますが、

出展見送りとなりました。

何卒ご承知おき下さい。

2020年2月21日 20:30 更新

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あと、翌23日(日)は第2回文学フリマ広島にも出ます!

bunfree.net

 

広島2DAYS、何卒よろしくお願いします!

 

ちなみに二日とも米津玄師ライブ広島講演と同じ日らしいです。

裏番組が強すぎる!!!!

アラサーゆとり男性『男はつらいよ』の新作を見る。

 『男はつらいよ』の最新作が今日、ようやく公開されたのですが、実は試写会があたっていたので、一足先に見に行くことが出来ました。

 

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 1990年生まれの僕にとって『男はつらいよ』というと、リアルタイムで劇場では見ていないのですが、渥美清の訃報を幼心に憶えていて、その時にやっていた再放送を見ていたと記憶しています。

 

 そんなわけで、俄かファンではあるものの、おそらく同世代の人よりは見ているという微妙なスタンスですが、せっかく当たったのだから見に行こうと思い、福山の複合娯楽施設「コロナワールド」へ向かいました。

 

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 入場すると、すでに多くのお客さんが待機していましたが、座席を見渡すと圧倒的な数の高齢者率!?60代どころか、70~80代と思われる老人で劇場は埋め尽くされており、29歳の僕は最年少なんじゃないかという感じでした。

 

 しかも飲酒率が高い!完全に持ち込みと思われる缶ビール&チューハイを片手にしており、もう完全にデキ上がっているジジババたちで盛り上がっていました。『男はつらいよ』を劇場で観るというのはこういうことなのか…と洗礼を受けながら、さっそく映画が始まりました。

 

 とりあえずどんな映画なのかについては公式HPのあらすじをご参照ください。

 

www.cinemaclassics.jp

 

 寅さんの甥の満男が今作の主人公で、端的に言うならば『満男はつらいよ』といった感じで、基本的な物語の構造を引き継ぎながらちょいちょい回想シーンを挟み、寅さんの生きざまを思い出すという感じの映画です。

 

 回想シーンはけっこうな頻度であるのですが、最初の回想の時点で僕の前に座っていた老人が既にかなりデキ上がっており、スクリーンに向かって泣きながら熱く語りだしました。まぁ、思い入れの強い作品なのでそういうこともあるだろうと思っていたのですが、それにしてもそのサイクルがすごい。

 

 回想の度にジイさんの中のスイッチがオン、しかもそれがドンドン強くなり、「あぁあぁぁぁああああああリリーさん!!」と絶叫&号泣していました。しかも、それでいて飲酒しているのでトイレの頻度が近く、絶叫!号泣!放尿!を繰り返しながら、しまいには潰れて寝ていました。なんというフリーダム。

 

 しかし、そこでいちいち注意する人もいなかったのは、寅さんの人柄をスクリーンで観ていることと、今回の映画のテーマが「老人」であったり、「迷惑」であったり、「赦し」であったからだと思います。

 

 劇場でしか味わうことが出来ない4DXさながらの謎の熱狂を体感出来て、色んな意味で貴重な体験でした。今、この時代に『男はつらいよ』の新作を見るのであれば、皆さんもぜひ、劇場で観てください。それも、できるだけ混んでそうな回で!

 

 なんか微妙な書き方になりましたが、良くも悪くも語りがいのある映画なので間違いなく見て損はしないはずです!

ドン底大学院生時代と尾道

 2013年、学科の教授陣のお情けで母校の大学院に入れて貰った僕は、案の定ついていけず、完全にメンタルをぶっ壊していました。

 

 そもそも、文系の大学院というのはメンタルをぶっ壊してる人だらけです。文献を前にして、ああでもないこうでもないと日がな一日やってるだけに、その成果を見てもらう指導教授とうまく関係を築けないと、自分が今何をしているか見失いがちになります。

 

 僕は大学四年生の頃に就職活動をしたり、教育実習へ行ったりするうちに、自分がこのまま社会に出ることに悔いがある気がして、大学院に進学しました。しかし、前述のとおり、たいした実力も、研究に人生を捧げる熱意もないまま、お情けで入れてもらったようなものなので挫けるのは当然のことでしたが、それ以上に多忙な指導教授とうまく関係を築けなかったことが一番の行き詰まりの原因でした。

 

 そんなわけで、M1の終わりの頃になっても修士論文の骨子はグラグラでした。これはもう中退した方がよっぽどマシだなと思い、そのために再び就職活動をしてみたりもしてみましたが、それすらもうまくいかず、宙ぶらりんで親に迷惑だけをかける存在として社会にいることがとても苦しかったです。

 

 更に、そこまで見てもらっていた教授が研究休暇に入るため、他の教授に指導を引き継いでもらわなければならないという問題も抱えていました。M2が始まる2014年、どうしようも無くなっていた僕は、研究休暇に入る教授と入れ替わりで戻ってきた教授に全てをさらけ出し、「正直、もう、何をしたらいいかわからなくなってます。」と泣きつきました。

 

 我ながらどうしようもない学生だったなと思いますが、しかし、その先生は僕のことを見捨てず、真摯に向き合ってくださりました。研究の方法と計画を見直し、これから読むべき文献、それに対するアプローチと整理の方法、そして何より、文献だけでは見えてこない部分を補うフィールドワークを提案してくれました。

 

 それからというもの、相変わらず綱渡りではあるものの、前には進んでるのが実感できるようになり、少しずつ修士論文が形になりそうな未来が見えてきました。奇跡的に修了後に研究とは直接の関係は無いものの、それなりに自分の関心に近い仕事につけることも決まり、研究に打ち込めるようなったので、その仕上げとして夏休みに前述したフィールドワークに出かけました。

 

 行き先は関西・中国地方で3泊4日の行程。夜行バスに揺られ、青春18切符を駆使し、一泊2000円代のゲストハウスに泊まる貧乏旅行でしたが、思っていた以上に成果があり、これが決め手となって修了の目処が立ちました。

 

 京都に泊まった時の宿は「古民家」を自称するほぼ廃屋でしたが、その日泊まるのはイギリス人カップル2組と中国人女性、僕、そして会社員の男性でした。日本人の方が圧倒的に少なかったので、なんとなく、その会社員に話しかけてみると、なんと日本を代表する大企業の研究者で、京大で行われる原発に関する会議に出席するために来て、なんとなくおもしろそうだったからゲストハウスに泊まってみたとのことでした。外国語もペラペラで、その会社員を通じて前述したイギリス人カップルや中国人女性と談笑したりして楽しかったです。

 

 関西で2泊し、その翌日に青春18切符で向かった先は、まさかの今住んでいる広島県福山市でした。とはいっても、福山駅ではなくさらにその北部の駅で降りての調査でした。一仕事終え、その日は福山の隣の尾道に泊まりました。最終日は予備日にしていたのですが、滞りなく進んだので、少しは気晴らしで観光して帰ろうと思っての尾道でした。

 

 尾道駅を降りたその瞬間、僕はその景色に心を奪われました。東北の山育ちということもあり、港町というものが新鮮だったこともありますが、迷子になるのが楽しくなるような不思議な小道があったり、船が島々を行き交う光景が素敵でした。

 

 宿は相変わらず2000円代の激安宿でした。しかも、個人経営のようでたまたま訪ねた時間に不在にしていたので、大したものも入ってないので、スーツケースだけでもと思い、書きおきと共に預けて外に出ました。駅前でレンタサイクルを借り、炎天下の中、特に行先も決めずあちこちを巡りました。

 

 観光ガイドも一切読んでいなかったので、港をぼんやり眺めたり、坂道を登ったりしていましたが、それはそれで楽しかったです。

 

 印象的だったのは、それまでの人生で見たことがない虫が飛んでいたことでした。今となっては姿形は思い出せないのですが、その虫を眺めながらふと、「あぁ、いろいろしんどかったけど、なんとか立ち直れたかもしれないな」と思ったことは今でも憶えています。

 

 その後、修士論文は無事に提出することができ、仕事も始めて今日に至るわけですが、あの時に不思議な縁があった京都と福山にまさかその後の人生で住むことになるとは思いませんでした。

 

 尾道は自分にとって特別な場所だったのですが、今年は福山に引っ越したこともあり、気がつくと7回も行っていました。あの夏とは違い、心に余裕があるだけに見え方も変わりましたが、相変わらず素敵な場所です。

 

 ふと、あの頃の夢を見て早起きしたので書いてみましたがなんだかえらい長文になりました。

 

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【おまけ】

僕が昔から好きな堀江由衣さんの今年出たアルバム『文学少女の歌集』も夏の尾道をモチーフにしていてとても良かったです。各種サブスクで聴けるので是非おすすめです。

2019年マイベスト。

https://youtu.be/K1Ty9O2Cdsw

 

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