「今から忙しくなるから、 あまり連絡できないと思うけど・・・」 不安になって、寂しさに負けたのは私です。 寂しかったから、わがままを言った。 そのわがままで、あなたを試そうとした。 「私から離れていくはずが無い・・・」 離れていくあなたを つなぎとめるものは、何も無かった。 今でもはっきりと思い出せる。 駅の改札口で、恥ずかしそうに笑っているあなた。 「家出少女かと思った」 「少女」と呼ばれるトシじゃないのに あなたは私のことをそう言った。 この季節になると つらい思い出がよみがえる。 「一番好きな人とは 一緒になれないんだよ。 だから・・・・・」 あなたにとって、私は一番好きな人? ウソ泣きなんて簡単。 あの日のことを思い出すだけで 涙なんて簡単に出てくるもの。 ◆ その1 |