(4月1日に出す予定で用意していましたが、北海道新幹線函館駅乗り入れ関係の記事が這う言ったためリリースが遅くなりました)

 

これは、3月のJRダイヤ改正ひとつでしたが、根室本線富良野・新得間が昨日廃止されました。

学年末に合わせて、3月31日まで廃止直前特別ダイヤで運行はされていましたが、いよいよもって昨日廃止となったわけです。

様々なメディアで書かれてますので多くは述べませんが、1981年の石勝線の開通以降は滝川・富良野間とこの区間は道央と同等を結ぶ幹線から外れローカル路線へと転落してしましましたが、北海道初の特急列車「おおぞら」の走った大幹線でした。

 

私はこの区間は、1974年に小樽発釧路行きの夜行列車(寝台付き、のち「からまつ」と命名される)にの乗ったのが最初です。道東方面には滝川経由釧路行きの気動車急行「狩勝」も使いました。石勝線開通以降も輪行でちょくちょく利用していました。降り立った駅は、布部、山部、金山、東鹿越、落合の5駅(両端駅を除く)です。


 

3月23日(土)に妻とこの区間を乗ってきました。妻は札幌生まれですでに還暦を過ぎていますが、この区間には一度も乗ったことがないのです(本当か?)。道東本面への修学旅行もバスだったとのこと。

 

スケジュールは、以下のとおり

札幌発11:45のおおぞら5号で、新得着13:43

新得発14:12の根室線代行バス9108で、15:19東鹿越着

富良野発16:28の2482Dで、滝川着17:28

滝川発17:33のライラック38号で、札幌着18:25

 

●札幌発11:45のおおぞら5号

 

久々の札幌駅 ホーム立ち食いソバはまだやっていた

この日は絶好の天気でおおぞら5号千歳線の車窓から日高山脈が見えた

新得着13:43

 

●新得発14:12の根室線代行バス9108

東鹿越代行バスを待つ人たち

代行バスは2台の続行運転で、座席には十分の余裕がありました。

新得駅をあとに狩勝越えに挑む

代行バス車内 2台目でゆったり

車窓左手には旧狩勝線が望める

峠を越えると落合駅

ありがとう落合駅とある

 

落合駅ね、かつては峠越えの機関車付け替えの手目の重要な駅で広い構内と多く国鉄職員が住んでいた町。乗客もここで小休止し駅弁も売られていた。駅前には国鉄感謝商店街、駅前旅館などが立ち並んでいたが、駅前旅館か10年ほど前に閉館、商店も確か2年前に閉店。小学校も閉港ともう寂しいばかり。この駅舎もそのうち取り壊されるのだろう。

鉄道の記憶は消えてゆくばかり。

 

鉄道員(ポッポや)のロケで知られた幾寅駅。南富良野町の中心駅

観光地だけに、トイレ停車と称して5分くらい停まってもいいのに、無常に走り去る

幾寅の中心街を抜ける

山の間から十勝岳の噴煙がかすかに望める。

15:19東鹿越着

 

 

●東鹿越発15:43の2480D

東鹿越駅で富良野行き列車を待つ

富良野行き2480Dが入線キハ402両編成だった。ホームで自撮り

これから乗り込む。結構な人数だったが着席できた

富良野着16:22

 

●富良野発16:28の2482D

2480Dが遅れため、発車やや遅れる。こちらもキハ402両編成、うち1両はイベント仕様

(写真なし)

滝川着17:28

 

●滝川発17:33のライラック38号

旧白鳥車両

(写真なし)

●札幌着18:25

パルコ札幌の台湾料理 REAL台北で二人で夕食

 

 

●帰宅 20:30

 

というわけで、記事の内容は代行バス乗車記となってしまいました。列車に比べて代行バスは空いているうえ、座席はゆっとり、窓は広く景色を堪能できました。とりわけ狩勝峠の十勝川の雄大な風景を楽しむことができました。

以下、補足です

 

 

 

 

 

今回廃止となっ各駅については、2022年9月に訪ねていますので、ご参照ください。

 

落合駅(空知郡南富良野町落合)

かつては狩勝越えのSL補機でにぎわった大きな駅だった。

 

 

 

幾寅駅いくとらえき、空知郡南富良野町幾寅)

南富良野町の中心市街地にある代表駅

浅田次郎原作映画「鉄道員(ポッポや)」のロケに使われ、そのセットがそのまま残っている。

駅舎内には高倉健、志村けん、広末涼子、大竹しのぶなど出演者のサイン色紙や記念ブルが置いてある。

 

 

 

東鹿越駅(ひがししかごええき、空知郡南富良野町東鹿越)

10年位前まで駅南にある石灰鉱山からの石灰をこの駅から釧網本線中斜里駅まで製糖工場に送るホクレンの専用貨物列車が発着していたので構内はたいへん広い。

現在は実質的鉄路終点で、ここで代替バスに乗り換え

 

 

 

金山駅(かなやまえき、空知郡南富良野町字金山)

 

 

 

下金山駅(しもかなやまえき、空知郡南富良野町字下金山)

 

 

山部駅やまべえき、富良野市山部市街地)

芦別岳登山口にあたる駅で、山小屋風の作り

 

 

 

布部駅(ぬのべえき、富良野市布部市街地)

緑色の屋根が特徴。「北の国から」に登場する駅。

 

五郎一家がこの駅降り立つ。

北海道新幹線函館駅乗り入れに関する調査業務調査報告書【概要版】につきましては、函館市のホームページからアクセスできます。

 

直接ジャンプするには以下をクリックしてください

https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014031800377/file_contents/gaiyou.pdf

 

以下、その報告書の一部を抜粋

 

新函館北斗駅構内配線

(新函館北斗駅構内に新在渡り線と交流25㎸/20㎸交流デッドセクションを設ける)

 

 

 

 

報告書を読んでの感想としては、

1.そもそも、この整備は第3種営業の3セク設立によるものを前提としているため車両についてあまり考慮されていない。

 

2.しかし、新函館北斗駅構内に交交デッドセクションを設けるようなので、新函館北斗・函館駅間の乗り入れ車両は2電圧対応車となることがわかる。となるとフル規格乗り入れ車両も複電圧対応もでなければならない(過去にそのような車両は存在しない二で新たに開発が必要)。

 

3.函館駅乗り入れ車両を最大10両としているが3両(東京直通)7両(札幌直通)で十分だろう。

 

4.ケース2の場合札幌行きを5本減らして函館行きとするのは疑問(やはり札幌がメインとなるべき、しかも乗り入れ10両はいらない)。

 

5.というわけでケース3が現実的だろう。

 

6.函館駅乗り入れ新幹線列車、在来線列車、貨物列車(半数)が運行される新函館北斗・七飯間は複線化(上り線3線化または標準軌敷設で別線;単線併設)すべきだろう。

 

7.ケース3であれば、函館・五稜郭駅のホームは最大7両用とすればよいので、10両よりは建設費が圧縮できる。

●3月30日の大泉潤函館市長の発表について

北陸新幹線金沢敦賀間開業に比べて、全国区的にはどのような扱いをされたのかわかりませんが、函館市の大泉潤市長は3月29日、かねてから公約中だった北海道新幹線の函館駅乗り入れに関する整備報告書を公表しました。

日本経済新聞2024年3月30日北海道経済欄より

 

それによりますと(上記事参照)、新函館北斗・函館間の上り線を3線軌条化して、停車駅は五稜郭と函館、さまざまな付帯工事を行うとしています。方法としてはミニ新幹線方式

 

この区間はJR北海道から分離して3セク会社を設立して第3種鉄道事業会社として線路を保有、列車の運行はJR北海道など別会社が行うとしています。

 

実際の列車運転計画ですが、以下の表のような案を考えているようです。

 

上記事の表を拡大

 

ケース①は、札幌・函館間の道内都市間輸送のみの運行

つまりは現行の「北斗」の置き換えです。これだけでも乗り換えのわずらわしさから解放されるのは大きなメリットであり、また苫小牧・室蘭方面から函館に向かう際に2度の乗り換えの手間が長万部での一回だけとなるメリットもあると思います。現行11往復のところ8往復は少ない気もしますが、東京/札幌行き列車の新函館北斗駅のりかえのケースも考えれば利便性は損なわれないのではないでしょうか?

車両は6両編成程度の専用車両が良いかと思います。この列車の場合には新函館北斗駅でのスイッチバックはありません。

つまり(下り列車として、以下同様)

①函館発札幌行ほくと8本

 

しかし、東京からの乗り入れがないのは寂しい気がします。インパクトに欠けます。たった8往復のための投資の効果はあるのか疑問に感じます?


ケース②の場合、札幌・函館間についてはケース①と同様。東京・函館間直通5往復というのが具体的にどういう意味かはっきりしませんが 、盛岡または新青森行き列車の付属編成は新函館北斗駅でスイッチバックさせ函館駅に乗り入れ終着駅とすることだと思います。

よって

①函館発札幌行ほくと8本

②東京発盛岡行やまびこ併結函館行かいきょう仮称5本

 

ケース③札幌・函館間についてはケース①と同様。東京・函館間に関しては札幌行き列車の付属編成を新函館北斗駅で切り離し、函館行きとするものを想定していると思います。この列車の場合にも新函館北斗駅でスイッチバックとなります。

つまり

①函館発札幌行ほくと8本

②東京発札幌行はやぶさ併結函館行かいきょう仮称5本

 

この中ではケース③が最も現実的ではないでしょうか?ただし東京・札幌間の速達性にこだわるならケース②がよいでしょう。

 

新函館北斗でのスイッチバックが気になるようなら木古内側から函館方面に短絡線を設けて新函館北斗をショートカットし(停車しない)てそれを回避するのも一案かと思いますが・・・・・・。

 

●上表におけるフル規格とは?

試算ではミニ新幹線フル規格とでにおけるは予算に大差はありませんが、ここでのフル規格とは新幹線規格専用軌道を建設してフル規格車両を時速260km/hで列車を走らせることではありません。単に車両の幅のことです。

これまでのミニ新幹線車両というのは簡単にいうと車輪幅だけ標準軌(1435㎜)となっている在来専規格の幅の狭い車両のことです。ここでのフル規格とは、フル規格新幹線車両と同じ車両幅の車両のことで、新函館北斗・函館間はせいぜい最高速度120km/h程度でミニ新幹線車両と何ら変わりません。専門的に言うと「車両限界」違いだけです。路線の車両限界を広くするには、ホームや踏切の改良、架線ポールの移設などがの経費が余分に必要となりますが、根本的な差ではありません。

 

●電化方式と車両について

今回は車両については触れられていませんが、具体化すれば車両についても検討しなければならない問題点が多々考えられます。

現行では新函館北斗・函館間の電化方式が交流50㎐20万㎸であるのに対して、北海道新幹線は交流50㎐25万㎸であるため、直通するには、現状では複電圧対応車両が必要となります。山形・秋田新幹線はそのような車両を使っています。しかし、そのようそな車両は製造コストがかさみます。一方、この区間新幹線と同じ交流50㎐25万㎸に変換すると、函館ライナーに使用している現有電車が通れなくなるため在来線に電車を走らせるためには交流50㎐25万㎸対応車を新製しなければならなくなります。

試案としては、

電化方式は交流50㎐25万㎸に昇圧し、在来線列車は気動車する。

電化方式はそのまま(交流50㎐20万㎸)として、JR東日本の秋田/山形新幹線車両をそのまま導入し、在来線は現有車両(含む電車)を使用する。

といずれかがよいのではないでしょうか?

 

また、先のフル規格(標準軌用)車両を走らせるとなれば、新幹線車両をそのまま持ってくるわけにはいかず信号その他も在来線にも適合させなければならず、過去に事例もないため新製しなければなりません。

 

これについても、試算してみる必要があると思います。

 

●その他

まだ、これで決まったわけではないわけではもちろんありません。JRおよび旧函館市執行部は消極的、すでに決まったこととしてあまり乗り気ではないのが気がかりです。

北海道新聞(3月30日)