旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

以前に検証しましたが、折り畳み自転車ブロンプトンと都心や家の近所(東京に比較的近い郊外)を走る路線バスとは、あまり相乗効果が期待できません。

というのも、路線バスは

〇時刻表通りには運行されない場合が多い(始発停留所でもなければ、たいていは遅延する)

〇信号待ちや停留所停車などで表定速度(運転もしくは乗車区間の距離÷移動時間)が遅い

〇時間帯によっては車内が混雑して(大きな荷物を抱えた状況では)乗車できない、しにくい場合がある

〇駅でバス下車場所からホームまで、畳まれた自転車を曳きながら移動する距離が長いところもある

等の理由で、結局バス利用より自転車で走ってしまった方が、展開したり折りたたんだりする時間も含めて早いから、利用せずに済んでしまう場面が増えるのです。

これは普通の軽快車(いわゆるママチャリ)で駅との間を往復する場合にも同じことがいえます。

折り畳み自転車で鉄道利用するという発想があれば、

●駅の近くに定期的に駐輪する場所を確保せずに済む

●改札口の近くまで乗って寄せることができる

●帰りも駐輪場に立ち寄ることなく、改札口近くからそのまま乗り出せる

ということで、とくに駐輪場確保の件は、費用と手間の関係から、新年度や新学期など、供給が需要に追い付かなくなり、駐輪場難民となっているチャリダーをみるほど、かつてたまにしか利用していないのに原付で同じように申し込んでは順番待ちとなっていた自分は、なんと無駄なことをしていたのかと反省しています。

但し、これがあてはまるのは降雨の日を除いてということになります。

これから関東地方は雨の多い季節に入ってくるだけに、気がかりです。

以前に書いたように、ブロンプトンで雨の日に乗って、水分をよくふき取らないままにシートポストの上げ下げをすると、締め付けるスリーブと呼ばれる部品が劣化しやすいため、家を出る前、既に雨音が聴こえているような朝は、自転車で出かけるのは控えます。

雨合羽を着て駅までゆき、乾いた布でシートポストを拭き取ったこともありましたが、結局雨具一式を鞄に入れて電車に乗らねばならない羽目になり、仕事中に乾かして帰宅時に又使うにしても、何度も着脱せねばならず、荷物にもなって大変だということがわかりました。

そこで、雨が降っている時は基本的に自宅から駅まで、駅から目的地までは徒歩にしています。

渋谷まで走る時間帯に家を出ているなら、最寄り駅の始発電車に徒歩でも十分間に合いますから。

私の場合、最寄駅の日吉までは早歩きでも20分ちょっとかかります。

雨の中歩くのは億劫だからとバスに乗ろうと思ったら、朝一番早いバスは6時15分ごろで、駅に着くのは6時半ちょっと前です。

この時間だと、電車は既に混み始めていますし、雨の日などはバスも混雑しますから、帰宅時に雨が上がるという予想であっても、畳んでカバーをかけたブロンプトンを持って行くわけにはゆきません。

それでも、混雑して蒸れた降雨時のバス車内は気持ちの良いものではありません。

それならいっそのこと駅まで歩いてしまえの延長線上で、どうせ駅まで歩くのならいつも乗っている始発電車に乗ろうと、30分かけてお隣の元住吉駅発4時59分の電車に乗るようになりました。

雨の中でも30分歩けば汗が出てきて良い運動になるし、お腹もちょうど良い具合に減ってきます。

そして、普段は自転車で何気なく通り過ぎている元住吉駅までの道すがらも、早朝ながら歩くことでよく観察するようになりました。

ふと途中のバス停の時刻表をみると、こちら側、市境をはさんでお隣の川崎市営バスは5時台から走っています。

ということは…これはお隣の駅まで歩くときも利用できるのではないでしょうか。

ブロンプトンでの帰り道、家から徒歩15分ほどの場所にある市バス営業所に行って時刻表を確認すると、5時23分発の川崎駅行きがありました。

このバスは元住吉駅付近を通ります。

川崎市営バスが家の近所の東急バスより1時間近くも早い時間に始動するなんて、近所なのに全然知りませんでした。

これに乗れば、始発電車には乗れないけれど、5時半くらいには元住吉駅に着けます。

4時半に家を出て30分歩いて始発電車に乗るか、5時過ぎに家を出て、市バス営業所迄15分歩いて、始発電車に遅れること30分の電車に乗るか、かかる時間は大差ありませんが、雨の中歩くのは半分で済むし、殆どの路線バスがまだ動いていないこの時間帯なら、電車もすいています。

小雨なら、自転車で6~7分程度なので、大して濡れずに駅まで行けるかもしれません。

それなら、午後から晴れるような予報の日にも、このバス便は利用価値があります。

ブロンプトンに乗るようになって、隣の駅まで早朝の雨の中を30分も歩くようになった自分も不思議ですが、これまで考えつきもしなかった駅までのアプローチを考えているのにも驚きです。

これは、旅先でブロンプトンに乗る時に、そこに住んでいる人の気持ちになってポタリングをしているから、それを身近な移動手段にフィードバックできるのだと思います。

そして、自転車だけでなく、徒歩でも30分くらいなら雨の中楽しく歩ける自分に気が付いて、以前よりも歩くことが苦にならなくなっているように感じます。

私は、脚が弱くなっている高齢者を見るにつけ、その前、つまり自分のような世代の年頃に、どれだけ足を使っていたかがモノを言うのではないかと考えるようになりました。

人間、使わない身体は、筋肉だろうと脳のニューロンだろうと退化するといいますから。

だから、意識的にスポーツを楽しむだけでなく、日々の生活に足を使った運動を取り入れることが大事なのだと思います。

色々見聞を広めつつ、アイデアを考えながら歩くことは、身体にも脳にも良いと思います。

歩く苦しみから解放されたくて折り畳み自転車に乗るようになったのに、その自転車から徒歩でゆく楽しみを教えられるなんて、なんだか不思議な気持ちです。

やはり、有酸素運動をすると頭が冴えるというのは本当なのかもしれません。