さて広宣流布の決戦場たる二〇年代に突入して、世界の情勢は急テンポに変わりつつありますね。

わずか0・0001ミリの新型コロナウィルスが、あっというまに全世界に感染拡大し、9月19日現在、世界全体の感染者はなんと3000万人を大きく超え、死者も95万人に達した。

さらに欧州では、いま第2波の感染爆発が始まり、英国では、「もしこのまま推移すれば10月半ばには1日あたり新規感染者は5万人になる」と発表しております。

この大疫病は世界各国の経済を直撃し、日本も米国もEUも、20年度4月~6月期の国内総生産(GDP)は戦後最悪の下落になってしまった。いよいよ世界大恐慌が始まって来たのです。

このような事態になること、本年の初頭に誰人が予想し得たか。

ひとたび諸天が動けば、このように凡夫の思慮を絶することが起きてくるのであります。


地球規模の異常気象

そして今もう一つ顕著なことは、異常気象が地球規模になって来たことです。



中国でも大雨により、長江の中流にある世界最大級の三峡ダムが決壊寸前の状態になっている。習近平国家主席も8月下旬、豪雨被害の地域を視察して対策強化を指示しているが、三峡ダムが未曽有の大災害を回避できるかどうか。いま世界中が見守っている。

日本は異常気象と巨大地震が迫る

日本でも、「数十年に一度」といわれるような異常気象が、このところ毎月のように発生していますね。

日本はこの天変に加えて、もう一つ心配なことがある。

それは首都圏直下と南海トラフの巨大地震です。これが発生したら、日本経済は止どめを刺される。そして亡国が一気に加速するのであります。

では、これらの天変地夭はなぜ起こるのか――。

仏法の上からこれを見れば、諸天の中では地球にもっとも強い影響力を持つ「大日天子」「大月天子」すなわち太陽と月の力用によるのです。

これら諸天は、御本仏日蓮大聖人の御意のままに、天変地夭を以て、日本および一閻浮提すなわち世界の人々を誡めているのです。

したがって、いま発生しているこれらの天変地夭こそ、日本および一閻浮提の広宣流布が、いよいよ近いことの前相・予兆であると、私は確信しております。

日本の変化も急テンポ

私は常に仏法の上から、広宣流布の上から、日本の状況を見つめておりますが、いよいよ二〇年代に突入して、その変化は急テンポであります。







御本仏を無視して天照太神を本とする

いいですか。

この日本には、末法下種の御本仏・大慈大悲の日蓮大聖人がましますのです。

しかるに、この大事な御本仏を無視して、御本仏の所従であり守護の善神である天照太神を「日本国の本」とするところに主客転倒の謗法がある。神と仏を取り違えれば日本が亡ぶのです。

ゆえに私は平成29年から30年にかけて、8回にわたって総幹部会でこれを叫び、諫暁した。そして本年に突入して、ついに安倍政権は瓦解したのであります。

亡国の政権・菅内閣

だが、後継の菅内閣は「安倍政治」をそのまま継承するとしている。

当然でしょうね。「モリ・カケ・桜・河井」などの犯罪において、菅は一緒にやって来た仲間、いや実行犯とも言える立場だったのです。


だからもろもろの悪事について「一切、再調査はしない」としている。

ゆえに今度の菅内閣を見れば、閣僚20人中18人が「日本会議国会議員懇談会」あるいは「神道政治連盟国会議員懇談会」に加盟しているし、菅首相自ら「日本会議国会議員懇談会」の副会長を務め「神道政治連盟国会議員懇談会」にも加わっている。

またこの菅政権には、「本門戒壇の大御本尊」を捨て奉った創価学会・公明党も、与党として加わっている。

諸天いかで、怒りをなさぬ道理があろうか。

ゆえにいよいよ亡国を招く内閣になること、必定であります。

このような政権が、広布の決戦場の二〇年代に符節を合わせて出てきたのも、時の不祥であると私は思っております。

日本の前途に三つの国難

いま日本の前途には三つの国難が待ち構えている。

それは、一には国家財政の破綻、二には巨大地震の発生、三には最も重大な他国侵逼であります。


巨大地震については、平成23年3月11日、観測史上最大といわれる「マグニチュード9・0」の東日本超巨大地震が発生した。この地震により、それまで長期にわたって静穏だった日本列島が、いよいよ本格的な地震活動期に入った。この超巨大地震こそ、日本が亡国に向かう号鐘であったのです。

そしてこれよりいよいよ巨大地震の連発が始まるのであります。


私は仏法の上から、まもなく発生するこの二つの超巨大地震こそ「他国侵逼」の前相・予兆であると、確信しております。

米・中の深刻な対立始まる

折しも、米国と中国の深刻な対立が始まってきましたね。

アメリカは第二次世界大戦以後の覇権国です。経済力も軍事力も世界最強、世界を仕切って来た。ところが近年、その力に衰退が見えて来た。

一方、中国の軍事的台頭はめざましい。ここにアメリカは大いに危機感をいま懐き始めて来たのです。

米国防総省の報告

9月1日、アメリカ国防総省は中国の軍事動向を分析した議会向けの報告書を公表した。それによれば

「中国は現在200数十発の核弾頭を保有しているが、今後10年間で保有数を倍増させる」

「また中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、5年後には約200基まで増強され、米本土を直接脅かす恐れがある」

と報告している。

このようにアメリカは、中国の異常な軍事増強に強い危機感を懐いている。この危機感が、今の抜き差しならぬ米中の対決を生み出しているのであります。

「前代未聞の大闘諍」

この対決は、世界の覇権を賭した戦いであるから、やがて全世界を巻き込む。そして最終的には核兵器をも使用する大闘諍になるに違いない。

この大闘諍こそ、まさしく大聖人様が広宣流布の前夜に必ず起こると御予言された「前代未聞の大闘諍」(撰時抄)であり、「一閻浮提の中の大合戦」(四十九院申状)であります。

米・中対決の狭間で日本は存立できるか

そしてこの大闘諍には、日本の存立がかかっている。だから重大なのです。

米・中対決の狭間で、日本は果して存立し得るのか。「米国に付くのか」「中国に付くのか」このことが必ず双方から厳しく求められる。

日本の立場からすれば、米国に付くのは当然です。しかし米国は日本を守ってくれるのではない。自衛隊を尖兵として戦わせるのです。そうなれば中国は日本を核攻撃して潰滅させる。

またもし中国側に付けば――このことは考えにくいが、今度の菅政権を誕生させた自民党の実力者は二階俊博幹事長ですよ。彼は親中派・媚中派などと言われているが、そのような生易しいものではない。もっと深く深く習近平の中国に関係している。そのような怪物が菅政権に圧力をかければ、政権も無下にはできない。必ず影響を受ける。


そのとき日本は割れる。中国に付くか、アメリカに付くかで争いが始まる。これが御書に仰せの「同士討ち」です。財界の中でも、貿易上の利点から親中派・媚中派は相当にいる。そこで国論は二分して、「どしうち」ののち、いよいよ他国侵逼が起こるのであります。

まさしく日本は寿量品の「自惟孤露・無復恃怙」になってしまうのです。

すべては「仏法より事おこる」

なぜこのような惨めな姿になるのか――。

それは、この国に大恩徳の日蓮大聖人ましますにもかかわらず、一国は未だ信ぜず背き続けている。

さらにそれより重大な失は、仏法を以て国を救うべき正系門家が、あろうことか国立戒壇建立の御遺命に背き、そのうえ学会は戒壇の大御本尊をも捨て奉り、宗門は反学会闘争のため、戒壇の大御本尊を敵視する身延派とも手を組んだ。

このような日本が、米・中対決の狭間で存立することは不可能になる。

諸天の守護なければいかなる軍備も虚し

たとえ中立的立場を取って自衛力を増強するとも、所詮、諸天の守護がなければ、まして諸天の責めであるならば、いかなる国防のための軍備も虚しくなる。

「夫れ運きはまりぬれば兵法もいらず」(四条抄)とはこのことです。

また撰時抄には

「設い五天のつわものをあつめて、鉄囲山を城とせりともかなふべからず。必ず日本国の一切衆生兵難に値うべし」と。

さらに下山抄には

「真の天の責めにてだにもあるならば、たとひ鉄囲山を日本国に引き回らし、須弥山を蓋いとして、十方世界の四天王を集めて波際に立ち並べて防がするとも

法華経の敵となり、教主釈尊より大事なる行者を、法華経の第五の巻を以て日蓮が頭を打ち、十巻共に引き散らして散々に踏みたりし大禍は、現当二世にのがれがたくこそ候わんずらめ」

と仰せ給うておられる。

―まことの諸天の責めであるならば、たとえ鉄囲山を以て日本国を囲むようなさまざまな防衛努力をしたとしても、亡国を免れることはできない――と。

御文中の「教主釈尊より大事なる行者」との仰せは、釈迦仏よりも勝れたる久遠元初の自受用身、末法下種の本仏たる日蓮大聖人、との御意であります。

この大事の御本仏を、平左衛門は兵士たちに狼藉せしめた。平左衛門の一の朗從・少輔房は、大聖人が懐中しておられた法華経第五の巻を以て、恐れ多くも大聖人様の面を打ち奉った。それを見て、多くの兵士どもも法華経の十巻すべてを引き散らして踏みつけた。そのうえで平左衛門は竜の口において、御頸を刎ね奉らんとしたのです。

「現当二世にのがれ難し」

この大禍は「現当二世にのがれ難し」と。御本仏の御頸を刎ね奉るという罪は、大罪の中の大罪、これより大きな罪はない。よって「現当二世にのがれがたし」と仰せあそばす。

「現当二世」とは、今生と後生の意と共に、ここでは、御在世と未来日本国にわたるとの御意であります。

すなわち、御頸刎ね奉るの大罪により、御在世には大蒙古の責めの大罰を受け、未来には「前代未聞の大闘諍」に巻き込まれて国が亡ぶということです。

だが、大聖人様の大慈大悲たるや、御在世には、大蒙古の責めを以て日本国の一切衆生に改悔の心を生ぜしめ未来に仏に成る種を下し給うた。これが御在世における逆縁の広宣流布です。

そして未来には、「前代未聞の大闘諍」起こるとき、いよいよ順縁広布をあそばす。すなわち「前代未聞の大闘諍」の恐ろしさから、いよいよ日本一同が、大聖人様の大慈大悲・大恩徳にめざめるのです。これが順縁広布であります。

ゆえに撰時抄には

「前代未聞の大闘諍 一閻浮提に起こるべし。其の時、日月所照の四天下の一切衆生、或いは国を惜しみ、或いは身を惜しむゆえに、一切の仏・菩薩に祈りを懸くともしるしなくば、彼のにくみつる一の小僧を信じて、乃至、皆頭を地につけ掌を合せて一同に南無妙法蓮華経ととなうべし」と。

また上野殿御返事には

「ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」

と御断言下されている。

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