日本の酒場をゆく

日本の酒場をゆく

旅酒や 無頼な心の よりどころ

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★さすらう町の酒場の灯り、居酒屋行脚の、珍道中★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

延岡駅前で飲むなら迷わずここへew_icon_a400_20231023091958a8b.gif
五ヶ瀬川を渡った先に一大飲み屋街が広がる延岡だが、駅前にも居酒屋がある。
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約3分、今山大師駅前参道沿いにある老舗居酒屋(とんちゃん)に入った。
創業は昭和29年。
人々がこぞってこの店へ足を運ぶのは、もちろんうまい料理を味わえるからなのだが、実は誰もがまず始めに注文するというメニューがある。
その料理こそ、「延岡にとんちゃんあり」と言わしめる「延岡元祖 ホルモン煮込 とんちゃん」だ。
客のオーダー率はほぼ100パーセント、店の挨拶代わりの一品である。
ホルモン煮込とだけ聞けば、一般的な煮込と思うが、そんな簡単明瞭なものでは人気店の名物が務まるはずもない。
ぷりぷりとした食感のモツがたっぷり。
モツの旨さをしっかりと引き出したコクのあるスープは、たっぷり脂が浮いているのに、口に含むと想像以上にあっさりとした味は、これ以上ない酒の肴だ。
メモ値段表示は外税。
注意ミックス焼とり串焼2本500円
明太子茶づけ580円
トマトスライスサラダ600円
地どりタタキ880円
千徳 金雫「延岡」一合500円
千徳 純米「延岡」一合650円
「営業時間18:00~翌0:00/日休」

 

 

 

 

落ちついた雰囲気の小料理屋ew_icon_a400_20231023082144f7d.gif
JR日豊本線延岡駅から徒歩約17分、本町に小料理屋(浜吉)がある。
とても地味で平凡な店構え。
延岡の飲み屋街もすぎ、このあたりになると、ほとんど人通りもなくなり店も少ない。
玄関を入ると右にカウンター、個室テーブル席もある。
内装はそろそろ古い味がつき【いい意味ですよ】、いたって地味。
質素といって失礼なら、簡素である。
カウンター内の厨房もこれみよがしな設備は何もなく、昨今のピカピカに磨きあげたまぶしいようなハイテク厨房とはえらい違いだ。
しかし本当に腕のある料理人はあまりいろんな機材や道具を使わないことを知っている。
白調理着の主人は、京都の料理屋で修業を重ねただけあり、料理は居酒屋のレベルを超えたものばかりが揃う。
品書にイカ塩辛がある。
酒飲みでイカ塩辛の嫌いな人はいないだろう。
超新鮮なイカを使った自家製塩辛はどっしりしたコクに陶然となる名品だ。
メモ食べ物メニューに値段表示なし。
注意イカ塩辛
くじら刺身
きゅうりもみ
海老とれんこんの揚物
銀嶺立山 純米酒「富山」700円
瓶ビール「アサヒ、キリン一番搾り、エビス」700円
「営業時間17:00~22:00/日休」

 

 

 

 

延岡気鋭の小料理屋ew_icon_a401_20231022110234d93.gif
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約十五分、南町に(綿屋)がある。
カウンターには若い主人と見習いの料理人が白調理着正装で立つ。
主人は前かがみに仕事台に両手を広げて立ち「さあどうぞ」という構えだ。
酒は主人おすすめの宮崎芋焼酎「朗らかに潤す」のお湯割りにした。
自家栽培のシルクスイートの芋焼酎はこまやかで奥行きがあり絹の舌ざわりをもつ。
届いたお通しは三種。
リンゴの甘みを閉じ込めた白和えは酒との相性も良し。
悪酔い防止のためのカンパチ寿司は熟成したカンパチに程よい酢加減の酢飯と一体化して堂々たる存在感だ。
うーん、この味。
カンパチと飯の酢加減、甘味加減、熟成したカンパチにしっかり酢飯が食い込んだ力強い握り加減。
私は鮮度を貴ぶが【ナニいばってんだ】手まり寿司のようなカンパチ寿司には熟成した切身がねっとりと絶妙だ。
鰆青唐辛子醤油は目が覚めるほどおいしく、お通しでもう何もいらないんじゃないだろうか。
メモ食べ物メニューに値段表示なし。
注意鰆と鬼おろし
牛とろろご飯
鯛かま荒焼き
和牛のカツレツ
月の中600円
サントリー角ハイボール600円
「営業時間18:00~翌0:00/日休」

 

 

 

 

地元客で賑わう延岡の居酒屋ew_icon_a400_20231022100428e20.gif
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約15分、船倉町の中央通りへ続く通り沿いの飲食ビル1階に居酒屋(網基)がある。
目立たない飲食ビル内にありながら、個人経営によるアットホームな雰囲気と手際よいサービスに誰もが心地よく酔える居酒屋だ。
生ビールもいいが、ここでは常連のほとんどが「焼酎」からスタートする。
名物は1合300円の芋焼酎「霧島20度」と「黒霧島25度」だ。
その名物がまた手強い。
黒霧島のオンザロックを注文すると焼酎の入った徳利とグラスに氷が別に差し出される。
宮崎の焼酎オンザロックは必ずこれだ。
徳利の25度の焼酎を調子に乗ってグビグビやれば、300円でしっかりと出来上がってしまうほど量がある。
店のおばさんに「なかなか減らない」というと「ウチの名物なんです」と屈託のない笑顔で話す。
一方で、料理は「アスパラベーコン」「チキン南蛮」「コーンバター」など、居酒屋の模範となるようなものばかりが揃う。
注意トマトとチーズのサラダ600円
ホタテバター700円
目光塩焼き「三尾」900円
造り盛合わせ「1人前」1500円
黒霧島 1合300円
木挽ブルー 1合300円
「営業時間17:00~23:00/日休」

 

 

 

 

延岡の割烹居酒屋でしっぽりとひとり酒ew_icon_a400_20231022084222a8c.gif
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約9分、五ヶ瀬橋のたもとにある割烹居酒屋(いち花)に入った。
上品な数寄屋風を想像していたが、居酒屋のような造りで居酒屋党をリラックスさせる。
まずは日替わりで9~10品が揃う刺身をチェック。
定番もあれば、旬の魚も登場する。
丁寧に産地まで記した刺身から割烹の造りに欠かせない【欠かしたくない】マダイだ。
マダイは魚の王様。
その王様の中の王様が、鹿児島・阿久根で獲れるマダイ。
身のしまり具合は最高。
鳴門海峡、豊後水道のマダイもいい。
流れの速いところで獲れるマダイはおしなべて身がしまっている。
産地まではこだわれないなら、せめて天然か養殖か外国物かは見極めてほしい。
天然は、身に甘みがある。
届いたマダイの刺身は北海道産。
絞めて数時間の魚だけが持つ尊い弾力は消えてしまっているが、これはこれでなかなか良い。
〆は揚げたての天丼で仕上げた。
注意セロリ漬け500円
北浦産 キハダマグロ900円
北海道産 キンキ 塩焼1400円
熊本直送 特上馬刺2600円
天孫降臨450円
越乃景虎 特別純米「新潟」800円
「営業時間18:00~22:30/日・祝休」

 

 

 

 

 

 

 

貝の刺身で幸せを噛みしめるew_icon_a401_20240323143732d40.gif
JR中央線八王子駅から歩くこと約四分、みさき仲通り沿いに貝料理の居酒屋(八王子 貝介)がある。
調理場を囲むカウンターとテーブル席のケレン味のないモダンな居酒屋で、若い料理人が三人でやっているようだ。
カウンターに本日の品書きが置かれている。
赤貝、みる貝、つぶ貝、白バイ貝、青柳、さざえ、平貝、水だこ……等々。
これは良さそうな店だ。
お通しの平貝の炙りは、直径六センチもある立派なもので、しかもかなり厚切りだ。
さっくりと歯応えに海苔の香りが立ち上がる。
平貝独特の軽いエグ味は、老獪な旨さと言おうか。
この日の「貝介刺身盛合せ」には、赤貝、みる貝【水管と炙り】、つぶ貝、とり貝、ほたて昆布〆、水だこ、墨烏賊が登場した。
新鮮な貝にツーンと切れる本山葵と煎り酒が抜群の相性だ。

品書きに「焼きそら豆」がある。
焼きそら豆の薄皮を剥いて口にした大粒から、若々しい緑が香ってきた。
メモ値段表示は外税。
注意ゲソ焼き650円
はまぐり酒蒸し 4個1000円
さざえつぼ焼1200円
貝介刺身盛合せ 1人前1980円
サッポロ黒ラベル「小瓶」450円
角ハイボール500円
「営業時間16:00~23:00/無休」

 

 

 

 

華やいだ雰囲気のオーセンティック・バーew_icon_a52_2023102207462257f.gif
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約15分、五ヶ瀬川に架かる板田橋を渡ると中央通り1丁目バス停の近くの雑居ビル2階にオーセンティック・バー(Bar 神戸)がある。
ドアを空けると照明の中に長いカウンターが浮かびバーテンダーが1人立っている。
中年の女性バーテンダーだ。
ふうむ。
カウンター真ん中に席をとり腰をおろした。
白シャツに黒のジャケット。
男性と同じバーテンダーの正装だ。
自然なミディアムヘアで過度な女性らしさをおさえている。
落ちついた声で「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれた。
手を前に合わせじっとこちらの注文を待っている。
女性を売り物にしたのではない本格バーであるのがこれでわかった。
「ブラッディマリーをください」
「かしこまりました」
タンブラーに氷を入れ、ウォッカ、トマトジュース、調味料を入れバースプーンでビルドした。
シェイクしない一般的なブラッディマリーだ。
「お待たせしました」
クイー……。
ブラッディマリーはオーソドックスな気負いのない手慣れたプロの味だ。
メモメニューはない。
チャージあり。
「営業時間19:00~翌1:00/日・月休」

 

 

華やいだ八王子魅惑のラウンジew_icon_a401_202403230945402a4.gif
JR八王子駅北口から歩くこと約八分、八王子165号線沿いにスナック(Bar Lounge Emina)「バー ラウンジ エミナ」がある。
以前紹介した二階の居酒屋(酔彩)の支店だ。
オーナーのママは、八王子の水商売でこの人を知らぬ者はないと言われ、仕事熱心で数店舗経営。
ママは客への気配り、記憶力、どんな話題にもついていける教養。
よく勉強している。
努力の人だ。
カウンターには四人のホステスが立つ。
まずはハイボールを注文。
軽やかに気泡を立ちのぼらせるハイボールは硬派なタッチが炭酸で爽やかだ。
目の前に立つホステスは二階の(酔彩)に居たピンクの花柄着物の国生さゆり型美人。
その隣のホステスも当然ながら美人でゴージャスなセクシーさは網タイツが似合いそう【とは口に出せなかったですが】。
同行者がホステスと親しげだ。
「今日は赤羽で昼から飲んで、上野、立石、三鷹、西国分寺、立川と、ここが今日十軒目なんですよ」
「そうですかァ」
今夜はいい夜だなー。
メモメニューはない。

チャージあり。
食べログ掲載なし。
東京都八王子市南町1-4 永井ビル1F
電話042-649-7386
「営業時間20:00~23:00/日休」

 

 

 

 

 

5席の店に夜ごと常連が集うew_icon_a401_202402030848290d2.gif
JR中央線八王子駅北口から徒歩約8分、八王子165号線沿いに小さな酒場がズラリと入る飲食街がある。
そんなディープな建物の2階にあるおでん酒場(酔彩)に入った。
カウンター5席の小さな店に夜ごと常連が集い、肩を寄せ合うようにして飲む。
大ママはラフな洋服姿、小ママはピンクの花柄着物にまとめた黒髪の襟足がきれいな丸顔に笑顔がチャーミングな国生さゆり型美人。
おいらはこの花柄着物というのが大好きだ【ヘンタイ!】。
濡れた大きな黒い瞳、セクシーな口元、首筋はほっそり小顔美人に「来てヨカッタ」の勝利感が【お通しがなかなか出ないからこんなこと考えてたんですよ、言い訳ですよ】。
おでん鍋からうまそうに湯気が上がっている。
早速、たまご、白たき、牡蠣、そして焼酎のオンザロックを注文した。
素晴しくうまいおでんだ。
おでんは関西風。
透き通った汁はまろやかな味わいに仕立てられている。
ここはオヤジ殺しの店だ。
注意チョリソー500円
チーズフライ500円
やきそば700円
おまかせおでん「六種」1200円
ウーロンハイ600円
生ビール キリン一番搾り700円
「営業時間18:30~23:00/日・月・火休」

 

 

 

 

 

 

大正5年創業の老舗で元祖メヒカリ料理を味わうew_icon_a401_20231021220532cba.gif
JR日豊本線延岡駅から歩くこと約16分、北町の飲み屋街の外れにメヒカリ料理を振る舞う(日本料理 高浜)がある。
日向灘に生息しているメヒカリ【アオエメソ】は、宮崎県北の特産品。
メヒカリは深海魚で水深200~300メートルに棲む12センチほどの小魚だ。
宮崎県北ではメヒカリの唐揚げ、天ぷら、南蛮漬けなどを食べさせる飲食店が多い。
そんなメヒカリ料理を語るうえで欠かせない店が、大正5年創業の(日本料理 高浜)。
ここはメヒカリ料理を食べさせるようになった元祖と言われる店だ。
この店に初めて訪れたなら、まずは「めひかり唐揚」からだろう。
メヒカリはウロコを包丁でこそぎ取り、頭、エラ、胸ビレを切り落とし、内臓を取ってきれいに洗い、塩とコショウをふって片栗粉をまぶし、急速冷凍するそうだ。
凍ったまま油で揚げたメヒカリはサックリと揚がり油くさくなくいくつでも食べられる。
濃厚なカンパチもまたよかった。
注意野菜サラダ550円
めひかり南蛮600円
めひかり唐揚700円
かんぱち900円
ブラックニッカハイボール550円
ビール 大瓶850円
「営業時間11:00~14:00・17:00~21:00/日休」