P98年オフ
5月半ば、ビリー・キングがエグゼクティブに就任。
ラリー・ブラウンはHCに専念するかたちとなります。
【ドラフト】
①1巡目第8位でラリー・ヒューズ、2巡目第37位でケイシー・ショウを指名。
②99年のドラフト1巡目指名権をジャズにあげて、1巡目第29位指名のナジー・モハメドを獲得。
ヒューズはセントルイス大出身のスウィングマン。
6フィート5インチ・184ポンドとやや小柄で細身ですが、身体能力が高いです。
得点力もありますが、FTを含め距離のあるシュートは不安定で、TOが多いのも難点。
カレッジでは1年しかプレイしておらず、もう1年待てばもっと高順位で指名されたかも、経験を積めばPGもこなせるようになるかも、という見方も。
モハメドはケンタッキー大出身のC(6フィート10インチ)。
高校卒業時にはかなり太っており(一説によると350ポンド)、同大での1年次は戦力になりませんでしたが、そこから減量に取り組み、成長。
3年次にはNCAA優勝に貢献しました(1年次もチームは優勝しています)。
荒削りさはありますが、オフェンスではソフトタッチのフックシュートの他、ジャンプシュートもまずまず。
手足が長く、リバウンドやブロックも◎です。
ショウはトレド大出身の白人C(6フィート11インチ)。
ゴール下で得点を重ね、リバウンドにも強いです。
学業成績も良く、4年次にはアカデミック・オール・アメリカンにも選ばれています。
【ロックアウト前(98年7月)】
デリック・コールマンがバイアウトで放出となりました。
ブラウンはコールマンのことを買っていましたが、パット・クローチは逆。
その態度の悪さがアレン・アイバーソンに悪影響を与えるんじゃないかとか、心配していたみたいなんですね。
チームで地元の子供たちの病院を訪問するというイベントがあった際、コールマンだけ”病院には行きたくない”として参加を拒否したなんてこともあったそう。
バイアウトされたため、コールマンはロックアウト期間中もお金をもらうことが出来ます。
【ロックアウト明け(99年1月)】
①シオ・ラトリフ、ベノイト・ベンジャミンと再契約。
②マット・ガイガー、ジョージ・リンチ、ハーベイ・グラント、ダーリン・ハンコックと契約。
③03年のドラフト1巡目指名権をロケッツにあげて、ミルサド・ターキャンを獲得。
昨シーズンで契約が切れた選手は8人もいましたが、引き留めたのは①の2人だけ。
ジョー・スミスもチームを去りました。
ガイガーはキャリア6年の7フッター。
ミドルレンジのジャンパーが上手く、キャッチ&シュートが武器です。
機動力もありますが、ポストプレイやリバウンドに強いわけではありません。
今回は6年間5400万ドルほどと見られ、これは新労使協定の中で(ガイガーが)結べる最大の契約でした。
ラトリフの契約は7年間5700万ドルで、インサイドにかなりの投資をしたことになります。
元々フロントは、レイカーズのエルデン・キャンベルの獲得を狙っていたんですが、ラトリフとの再契約を確実にするため(マジックやセルティックスなどが狙っていたそう)、早く動ける方を選んだようです。
リンチはキャリア5年のSF(6フィート8インチ・218ポンド)。
SFとしてはスピードがなく、PFは体格的に厳しいですが、アンセルフィッシュさ/堅実さ/賢さでそれらを補う感じですかね。
ここ2シーズンはグリズリーズにおり、昨シーズンは全82試合に出場しています。
グラントはキャリア10年のF(6フィート8インチ)。
かつてはブレッツの得点源でしたが、ブレイザーズを経て96年にブレッツに戻ってからはスタッツが大幅ダウン。
昨シーズンは65試合で平均2.6点と自己ワーストの出来でした。
ハンコックは27歳のスウィングマン。
ここまで、NBAでは96~97シーズンに3チームを渡り歩いたのが最後で、その後はCBAなどでプレイしていました。
身体能力の高い選手です。
ターキャンはセルビア生まれのトルコ人プレイヤー(国籍は二重国籍)。
6フィート9インチのFで、SFのスキルがあるPFといった感じでしょうか。
中でも外でもプレイでき、ハンドリングもいいですが、身体能力には欠けます。
先のドラフト1巡目でロケッツに指名され、NBA初のトルコ人プレイヤーになると意気込んでいましたが、ロックアウトのため、母国のクラブチームでプレイを続けていました。
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因みに、このオフはアイバーソンとも契約延長。
6年間7100万ドルというものでした。
アイバーソンは残留を決めた大きな要因として、クローチの存在をあげています。