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「値上げしろ、人を囲い込め、投資しろ(前半)」三橋貴明 AJER2024.4.2

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

三橋貴明VS財務省〜財務省による嘘だらけの統計トリック [三橋TV第853回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/RGZ7OipKJIY

 物流関連法が国会を通りました。施行は一年以内。荷主の皆様、ご留意を。

物流関連法が成立 24年問題、荷待ち削減
 トラック運転手の不足で物流の停滞が懸念される「2024年問題」の対策を盛り込んだ物流関連法が26日の参院本会議で可決、成立した。大手の荷主企業や物流事業者に、荷待ち時間の削減など運転手の負担軽減に向けた中長期計画の作成を義務付けるのが柱。一部を除き、公布から1年以内に施行する。
 4月から始まった運転手の時間外労働への規制強化を踏まえ、物流の効率化を図る。民間の試算では、対策を講じなければ、30年度の輸送能力が19年度比で34.1%不足する。』

 物流24年問題のポイントは、働き方改革で輸送能力が三割強、不足するという点です。つまりは、三割強の生産性向上があれば、解決に向かう。


 今回の物流関連法(流通業務総合効率化法と貨物自動車運送事業法)の改正ポイントは、以下の通り。


1.実際に運送を担う事業者名を記載した実運送体制管理簿の作成を元請けに義務付け(誰が運ぶのか、を透明化
2.提供されるの内容だけでなく、対価(附帯業務料、燃料サーチャージ等を含む)について記載した書面の交付を義務付け(契約内容を透明化おカネを払わないで、長時間の待機や積み下ろしを強要するのは「アウト」になります(元々アウトだったが、曖昧だった。そこを透明化)
3.一定規模以上の事業者(特定事業者)、つまり荷主は、物流の中長期計画の作成に加え、荷主の事業を所管する省庁への定期的な報告が義務化される
4.特定事業者は、物流統括管理者の選任を義務化


 特に、荷主にとって重要なのは、3です。3の「計画」の目的は、運転手の負担軽減に向けた荷主による具体的な計画の立案なのです。これは、相当に厳しい業務になると思われます。


 例えば、「多品種少量運送の削減」や「パレットの使用」といった「具体的」な計画を、物流統括管理者(CLO)が策定し、所管省庁に報告しなければならないわけです。


 正直、交通インフラの整備を放置し、民間に物流の生産性向上の責任を押し付ける政府はどうかと思いますが、長引くデフレ期に「荷主のパワー」が極端に肥大化してしまっている以上、仕方がありません。同時に、交通インフラの整備による生産性向上にも動いて欲しいと思います。
 

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皇統論第六十三回「日本一の大天狗」、歴史時事第六十三回「ワーテルローの戦い」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 わたくしは経済成長の基本である「生産性向上」について説明する際に、必ず物流サービスを使います。


A:東京から大阪まで、舗装されていない道を大八車で運ぶ
 のと、
B:東京から大阪まで、高速道路を大型トラックで運ぶ
 のでは、生産性が「数百倍」違う。ということは、Bの運び手はAの数百倍の所得を稼ぐことが(論理的には)可能なのです。
 

 今回の物流問題は、日本国民が「生産性向上の投資」という経済の基本を思い出す、いい切っ掛けになるのではないかと思っているのです。


 例えば、現在の円安(と実質賃金低下)を受け、日本の製造業が国内に回帰するかも知れない。もちろん、人手不足ですが、だから何?


 人手がないならば、機械化、自動化で対応すればいい。というか、そもそも、それが経済成長の基本でしょ。資本主義とは、生産性向上の投資により、単位労働コストを引き下げることで成長するモデルなんですよ。人手を確保して、生産量を増やすモデルではないよ。

 

 労働集約型から資本集約型への転換。それこそが、資本主義の基本です。


 なぜ、「人手不足」が経済のボトルネック(制約条件)になる? そんなこと言ったら、イギリスで産業革命は起きなかった。キャラコ(綿製品)は永遠に、インドでのみ生産され続けたことでしょう。


 未だに、「人手不足」が悪いことのように主張する人がいるので、呆れてしまう。産業革命や「資本」主義を全否定するな。


 供給能力不足は、投資と生産性向上による「ぼろ儲け」のチャンスなのですよ。日本がサプライロス型インフレに陥った今こそ、我々経営者は、
「将来は不確実で、リスクは常にある。それでも、投資による生産性向上で儲ける」
 という、アニマル・スピリッツを取り戻さなければならないのです。
 

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