でか目の失敗をやらかした際に「あの時ああしておけばよかった…」そして「今から戻ってなんとかならんのか…」と、たまにけっこうガチ目に考えたりするのは、小学生の頃に読んでいた『ドラえもん』(藤子・F・不二雄/1969年)と、中学時代に8ビットパソコンで繰り返しプレイした国産アドベンチャーゲームの影響が大きいように思う。
我ながらバカだ。
で、日本では昨今もタイムリープものが切れ目なく生み出されている理由として、『ドラえもん』が果たした役割は小さくはないのではと思うことがある。
中学生になって『時をかける少女』(筒井康隆/1967年)を読んだ時もわりと理解できたのはドラちゃんのおかげ。
中学生になって『時をかける少女』(筒井康隆/1967年)を読んだ時もわりと理解できたのはドラちゃんのおかげ。
映画は朝イチ鑑賞に限る。
お客さん少ないし。
お客さん少ないし。
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私は本は読む方のようだが小説は滅多に読まず、ライトノベルは一冊も読んだことが無い。
ただ、ライトノベル原作のアニメ、特に高校を舞台にしたものはよく観る方だと思う。
ただ、ライトノベル原作のアニメ、特に高校を舞台にしたものはよく観る方だと思う。
なので2018年秋アニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(以下「TV版青ブタ」)も観ていて、その際に思ったのは「淡々と熱い」というのと「系列でいえば『ハルヒ』(谷川流/いとうのいぢ/2003年~)の後続」というもので、アドベンチャーゲームのルート分岐が多用されるってのは、私の琴線に触れるんだなあとあらためて感じた次第。
で、『ハルヒ』では世界になんらかのエラーが起こったらその原因は基本的に涼宮ハルヒひとりで、そこに周囲が巻き込まれていく。
だから映画『涼宮ハルヒの消失』(2010)でエラー原因がハルヒでなかったのは驚きで、そしてダイナミックなルート分岐設定がとても印象深かった。
一方、『青ブタ』の世界もしょっちゅうエラーが起こるけどその原因は各人であり、かつ相互に影響を与えるものとして設定されているので、ルート分岐とタイムリープに関するプロットがより複雑になっている。
『青ブタ』のキャラ設定は主人公の咲太はコミュ障で過去に大きな事件を起こした男子高校生で、その彼女の麻衣さんは一学年上の国民的女優、彼女の妹はアイドルで、咲太の妹は強度のブラコン、2人だけいる友人のひとりはサッカー部のイケメン、もうひとりは巨乳ポニテのメガネリケ女、後輩女子はショートカットの方言女子と、全日のチャンカンさながらの顔ぶれ。
その中でTV版青ブタ全13話を通して、咲太に決定的な影響を与えていることはわかるものの、その具体的な内容と正体が一切わからなかったのが牧之原翔子なのだった。
その牧之原翔子のTV版青ブタでの謎の行動を伏線にして、それを完全回収するのが、映画版青ブタのコンセプトである。
なので、TV版青ブタを観ていることを前提にして作られてるので観てない人はわからんシーンのラッシュにはなっている。
出だしは本作、というよりもこのシリーズ全体における最大のルート分岐シーンからはじまる。
そしてTV版同様に演出は軽く、加えてTV版以上に説明も具体的で最低限にしぼり、物語がとにかくサクサク進んでいく。
中盤以降もルート分岐が重なり、途中に大悲劇があるも「これはバッドエンド・ルートだからその分岐に戻るんだな」とすぐに理解できるようになっていて、とにかく、曖昧な部分や「解釈は鑑賞者におまかせ」みたいな姿勢が無い。
このシリーズには主人公の妹にまつわる哀しいエピソードがある。
あれは「人生はトレードオフ」という自己啓発あるある的なものを描いたものなんだけど、著者はそういうところも切り取るんだと知ったので、今回も観る前は哀しいルート分岐で終わるのかなあなんて思ってたんだけど、結末に至るルート分岐には意表を突かれた。
あれは「人生はトレードオフ」という自己啓発あるある的なものを描いたものなんだけど、著者はそういうところも切り取るんだと知ったので、今回も観る前は哀しいルート分岐で終わるのかなあなんて思ってたんだけど、結末に至るルート分岐には意表を突かれた。
あんなディズニー映画ばりのウルトラハッピーエンドルートに辿り着かせるんだと。
で、この結末の構造は『君の名は』(新海誠/2016年)に近いものがある。
王道といえば王道。
映画版青ブタの原作の初版は同年6月で『君の名は』は8月公開なので、似た時期に重なるもんだ。
まあ、私はTV版も3週くらいしてるから。
鑑賞後にもっとも感じ入ったのは、この複雑なプロットを徹底的にわかりやすくすることに拘ったつくりだったことだ。
そしてTV版の補足という面、そしてあの明解な結末は、観る側にとても誠実であり、そして、とてもファンベースだと感じ入った。
そのために捨てたこともあるだろうが、その捨て方も丁寧だった。
正直なところアマプラあたりになってから観てもいいかと昨日思ったのだけど、帰路を走るクルマを運転しながら、映画館で観て本当に良かったと思った。
映画館で観たからそう思ったという面もあるのだろうけれど。
吉田進み矢@絵本沼。