次なる経済成長のドライバーとして期待されるAI(人工知能)。米中を筆頭に各国が研究にしのぎを削る。日本の産業界でも導入に向けた取り組みが進んでいる。

 その競争力を左右する優秀な頭脳を求めて、世界規模で人材の育成・囲い込みが展開されている。そんな中、教師を置かず、生徒同士の教え合いで人材を育てる教育機関を生み出すなど、特徴ある動きを見せているのがフランスだ。

 本コラムでは、フランスで学位を取得してデータサイエンティストに転身し、現在はAIベンチャーで働く元日本経済新聞の記者が、欧州のAI人材のリアルな姿をレポートする。現地で受けたAI教育、関連業界への就職事情、日本との違い……、かつて日本の金融や地方財政、震災復興をテーマに取材・執筆をしてきた元新聞記者が実体験をベースに語り尽くす。