富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

石岡瑛子Iデザイン@茨城県近代美術館

衆院補選東京15区/ 島根1区/長崎3区いずれも立民勝利 自民は擁立見送りも含め選挙区含め議席失う | NHK

島根ですら自民敗北で長崎も維新候補伸びず、までは想定内だが東京で混戦かと思ひきや5万票近く獲り時点(須藤元気)から5位と伸び悩んだ乙武2万票までをこゝまで引き離すとは。


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それでも民主党はこれで勢力劣勢から反転して……なんては喜べない。

補選3勝の立憲「今回は敵失」 次の衆院選、維新との調整に不安:朝日新聞

いつも良識ある有権者たちは「自民党にはお灸を据ゑてやつた」程度の意識しかない。

辰年三月廿一日。気温摂氏14.9/25.4度。晴。昭和の日。昭和末年に生まれた子が今年満35歳。アタシにとつては昭和に「明治生まれ」と聞くような感じ。


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千波湖まで散歩に。途中、集合住宅の解体現場は日本原研の梅香住宅。水戸市内各地に原研の社宅があつたが今も残つてゐるのは鉄炮町住宅(水戸市五軒町1)だけかしら。原研は東海村日立製作所常磐線でいへば水戸以北の勝田、佐和、大甕、常陸多賀、日立にあつたが水戸でかなり土地を買ひ占め社員に分譲などあり。水戸市街に居住させ子どもに茨大付属小中、公立でも三の丸と五軒の両小学校から水戸二中といふ教育環境の機会提供が必要だつたのださう。原研と動燃はかなり規模縮小され日製も茨城偏重がなくなつた。千波大橋の上から眺めると千波湖に対して湖畔の桜川の水位がかなり上昇。大雨によるものではない。桜川が那珂川に合流する前の水門で水位の調整がされてゐるのだらう。その水門がなぜ設置されてゐるかといふと江戸時代初期に設けられた備前堀水戸市HP)は景観ではあるが灌漑用水路。その備前堀に用水を送るには堀よりも水位の低い桜川の水位調節が必要となる。これについては水戸市長がブログでよく説明されてゐた。

備前掘通年導水及び歴史景観づくり | 高橋やすし「水戸市長の安心水戸ふるさと日記」

この時期なので稲作で田植えもあり梅雨の雨季になるまで導水が必要となることと、この桜川の水位も関係あるのかしら。


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茨城県近代美術館。同美術館で一人のアートディレクターをテーマとした展覧はこれが初めて。石岡瑛子といへばアタシらの世代にとつては資生堂の衝撃的な前田美波里の太陽の下での褐色の肌であり70年代の西武のPARCO、黒澤明の晩年の映画である。だが今回の展覧で石岡瑛子の関与は山本海苔店の海苔缶、AGFのインスタントコーヒー(MAXIM)から角川文庫と『野生時代』それに石岡の晩期にはTOKYUの紙袋までだと知つて驚いた。それにレニ=リーフェンシュタインのアフリカ土人の写真集『NUBA』も日本での仕掛け人は石岡玲子。あの写真集をアタシが見たのは16歳の頃だつたか渋谷パルコにあつた書店(リブロ)にて。衝撃的なアフリカの裸族の芸術的ともいへる画像に頭がくら/\したほど。当時の10代には渋谷パルコ、東急ハンズが楽しくてお昼は壁の穴のパスタか名前失念のカレー屋だつた(百軒店のムルギーに非ず)。

それにしても今回の展示で最も目を奪はれたのは石岡玲子による広告版下へのダメ出しの指示の精緻さ。資生堂のホネケーキ。当時300円。ホネケーキの「ホネ」が奇妙と子どもながらに思つたが実際に母のものだつただらう現品を手にしたら“HONEY CAKE”とあり。ハニーを「ホネ」とした語感にはかなりあばらかべっそん。石鹸でケーキ?も不思議だつたが英語教室の先生にケーキには塊の意味もあるのだと教はつた。
“a small flat object made by pressing together a soft substance”(C.D.)で“a cake of soap
なのでハニーの塊りのやうな石鹸。それにしてもホネケーキはやはり今でも音の違和感が新鮮。閑話休題その出稿広告への石岡玲子のコメントがまことに細かいのだが字も線も美しく思はず時間をかけてきちんと全部読んでしまつた。大型連休に入つてゐるのだが展覧会は閑散としてゐた。

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羽仁進監督の映画『Mio(妖精の詩)』(1971)のアートワークも石岡瑛子。畏友と呼んで良いかしら羽仁未央のあどけない表情を見た瞬間、涙が出た。

Mio (Mio Hani) 1/8 [ITA] - YouTube


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美術館で視覚と能が刺激されたからかしら美術館の前庭の桜の木も「捩れ」が表現作品化してゐた。

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県立美術館から市役所近くのカレーの「カルマ」へ。大型連休中の月曜お昼で開いてゐるかしら?が開いてゐた。ここ3回くらゐ閉まつてゐたものだから。

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食べログのカレーの100名店(東日本)だつたとは。見た目地味だけどきちんと美味しい。キーマカレーは中辛とあるが本当にきちんと辛い。香辛料に風味といふものがあつてカレー毎にみごとに味つけとなつてゐる。県近代美で石岡玲子のあとカルマのカレーはかなりお勧め。脳がかなりよくイカレる。

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水戸駅ビル(OPA)。OPA!は開高健とは何も関係ない。家人がDAISOで買ひ物する間、階下のガチャ/\の森で時間潰し。100円ショップは150円ショップにはならないがしつかりと中身の減量で100円維持がされてゐた。


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明日が「燃えないゴミ」の日でゴミを整理してゐたらウヰスキー(ブラックニッカ)のキャップが5つもあつた。1週間から10日に1本は飲んでゐるのか。開高健ほどは酒を愉しんではゐない、はず。

吉行淳之介&開高建[対談]美酒について〜人はなぜ酒を語るか(新潮文庫)

榴槤でグラスをきれいにしてゐてシェリーグラスもだつたがカクテルグラスもずいぶんと出番がないまゝだつた。なのでドライマティーニを自分へのご褒美にお出しする。

皇位継承に「危機感」72% 女性天皇容認は90%:東京新聞

わが国には一木一草に宿るほどまで「天皇制」しかない。小林よしのりではないが愛子さまにわが国の未来を託すしか選択肢はないだらう。弟宮家への皇位継承は何うやらあまり望まれてはゐない。

春の天皇賞、菱田騎手おめでとう

辰年三月廿日。気温摂氏14.4/25.3度。晴。春の叙勲。紫綬褒章に歌舞伎竹本の葵太夫文楽から千歳大夫が受勲。元プロレスラーのタイガー=ジェット=シンさん(80)が旭日双光章。現在はカナダで慈善団体運営の由。

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春の天皇賞牝馬71年ぶりの優勝とサリエラ(武豊)に期待高まる。ドゥレッツァは昨秋の菊花賞馬でタスティエーラはその菊花賞2着で昨年のダービー馬。前者は鞍上にルメールだつたがドバイでの負傷でまだ復帰せず後者は有馬記念大阪杯で振るはず。阪神大賞典(3000m)で五馬身差圧勝のテーオーロイヤル(菱田)が直近上がり3ハロン最速時計の末脚を見せておりテーオーで単勝1点買ひ(1番人気)。サリエラのマイクドラーマありやなしやと気を揉んだが12着と良いところ見せられずテーオーが見事な位置取りから4角でスイッチ入り2馬身差で優勝。菱田騎手、岡田調教師も初G1制覇。アタシもこの春のG1でやつと勝てて回収率90%に戻す。ドゥレッツァ(戸崎)15着でタスティエーラ(モレイラ)も7着に埋没。2着は阪神大賞典に次いでブローザホープ(菅原明)が入る。

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Baccaratのずつと使つてゐないロックグラスをクリスタルのグラスに興味あるT君に譲る。グラス棚を整理してゐたらシェリーグラスもうっすらとホコリをかぶつてゐたので久々にシェリーを飲む。黄昏どきにハイボールを飲み過ぎで多少反省なのである(全然反省になつてゐないか)。

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本当に短い春が過ぎいつの間にやらもう初夏のやう。家人が料理も暑さ対策の献立でビールを美味しく飲む。


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最近ガチャ玉にハマつてしまひ昨日、上野駅構内で見つけた「楽屋弁当」シリーズで(誰がこんなものを考へるのか)精巧な「まい泉」のカツサンドの弁当を当てる。カツサンドも一切れずつで透明のラップに包み紙箱に入れるところから手作業を楽しむ。

▼田中泰「銀座と音楽のマリアージュ」(『銀座百点』に連載中)が面白い。五月号でストラヴィンスキーの〈春の祭典〉について。ディアギレフの芭蕾舞リュスによる初演(1913年)は「クラシック史上最大のスキャンダル」。この音楽とニジンスキーの演出に客席も賛美と非難で大混乱、サンサーンスは冒頭のファゴットを聴いただけで「なってない」と席を立ちドビッシーはこれからストラヴィンスキー非難をするやうになりラヴェルは「みんなもっと静かに聞けないかなぁ」とぼやきプーランクはこの曲を気に入る。その大混乱の〈春〉も今では名曲である。ストラヴィンスキーはこの曲の改訂を繰り返したが、それについてバーンスタインは「著作権の保護期間延長を図る行為でしかない」と切り捨てたさう。

香川靖嗣の會〈高砂〉

辰年三月十九日。気温摂氏16.8/23.0度。曇。あまり何も考へず今日これ、『デ=キリコ展』東京都美術館に行かうか、と思つて午前10時の予約を済ませてゐた。今朝の新聞(朝日)を見たら本日が開幕なのださう。

大型連休初日。とんでもない人出か、と思つたが事前予約がかなり定着してゐて会場内はかなり余裕あり。デ=キリコの「形而上絵画」は何となくわかつたつもりでゐたが本日の展覧ではそれよりもむしろ「形而上会絵画以前」が面白かつた。展覧の順でいへば「山上への行列」(1910)から一連の「イタリア廣場」のうち「沈黙の像」や「大きな塔」など。デ=キリコが印象派やアルケオロジー的な古典への回帰など、時系列を超越して往来するのが何とも面白い。そして20世紀初頭のパリでの芭蕾舞リュスなど圧巻の舞台芸術

かなり久々に不忍池辺りで弁天さまをお参り。昭和以降初めてかしら。湖畔でカンボジア正月の催事。お坊さんのテントがあつて寄進募つてゐたので募金したらお坊さん三人が念仏を唱へてくれ頭を下げると灌頂を施された。仲通りで早めのお昼。中学生のときに馬生師匠と相席して以来の蕎麦屋は老舗。先代の親方と女将さんが出来た蕎麦を運び会計まで忙しい。客も高齢の夫婦が注文を二度してしまつたりで何だか見てゐておちつかない。ついほんの昔ならご亭主が倅に家督を譲れば隠居で女将さんとたまの芝居見物を楽しみにしたりとのんびり暮らしてゐたもの。せい/\ご亭主が帳場で来店の客に「いらっしゃいまし」でお会計で「まいどありぃ」と店内を見渡しながらの采配。帳場から亭主が見てゐれば店に牛久からお運びに入つた娘が少しずつ店に慣れると機転もきくし客あしらひも上手くなり亭主はその娘を「倅の嫁に」と思つてゐたが、そんな親の気づかひも何とやら倅はその娘を湯島の天神様の縁日に誘ひ倅と娘は互に惚れたと気づいたときには、もう祝言をいつにするかの段取りとなり(志ん朝師匠の語りが聞こえてきそう)……そんなものだつたが。同じ仲通りの有職組紐道明に寄り家人にと誂へた組紐のピアスを受け取り。一寸時間があつたので銀座へ。まるでポテトを洗ふかのやうな外国人観光客。あちこちで店舗に入るにも行列あり。

やたら広東語もうるさいところだがイースター、そしてもうすぐのメーデーの連休でも香港から100万人単位の市民が出境するさうで、その6割くらゐは日本に来るのではないかしら。銀座に寄つたのは箸の夏野が一番確実なのだけど『銀座百点』5月号入手のため。それを済ませて何気に菊水煙草店に寄つたら菊水のトートバッグが店頭にディスプレイされてゐて隣のユニクロ銀座店で販売中なのださう。大混雑の店舗を11階の UT Store に上がれば銀座に老舗、人気店のTシャツやトートバッグなど並び思はず列買ひしたいほど。

【大人のユニクロ】銀座の老舗10屋号、全部分かる?「銀座店のご近所さんTシャツ」20柄全部見せ! | UOMO


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菊水と鳩居堂のトートバッグを購入。家人に銀座ライオンのTシャツ。英国人のT君に観世能楽堂トートバッグも購入。ユニクロに『銀座百点』が並んでゐるのも何だか不思議な感じ。

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神楽坂矢来町。矢来町といへば新潮社。その新潮社の横を曲がれば矢来町の能楽堂。入り口を入ると能楽堂の傍に観世喜之の表札の掛かつたお家あり(矢来観世家 )。戦争で焼失のあと昭和27年に再建した能楽堂。昼間で自然光も入り何だかとても良い空間。本日はあ列4番といふ絶好のお席が充てがはれた。

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本日は喜多流で香川靖嗣師の會。能楽師 香川靖嗣公式HP

狂言山本東次郎師の〈磁石〉。東次郎師は昭和12年生まれ。声も姿勢も動きもまだ/\衰へを知らず。万作先生、東次郎先生らの晩年の舞台に自分が間に合つたことに本当にありがたいと思はされる。この能舞台だと最前列は本当に1.5mほどのところが舞台の前端で、そこに能狂言師が立つと恐れ入るばかり。靖嗣師は〈高砂〉。今年正月に大阪(大槻能楽堂)で観世御宗家の高砂を拝見。その際に大鼓が亀井広忠さんで笛(杉信太朗)と併せ随分と賑やかだつた印象が残るところ本日も小屋としては音響の随分と柔らかい能楽堂にあつても広忠さんの大鼓の鋭角的な音がアタシには酷しい。本日の〈高砂〉の「神舞」も同様にかなりビートの走るパンクのやうであつた。その大鼓について大槻文蔵裕一の会(二月、観世能楽堂)で裕一〈融〉につき『能楽タイムズ』四月号にかういふ評あり。

問題だつたのは[早舞]の後半。大鼓(亀井広忠)が、もの凄い速さで[急ノ舞]に突入する。他の囃子方はどうにか間を外さず奏し、シテも舞台を足早に廻るなど精一杯対応するが、公家らしい雅さはカケラもなかった。悠然と昔を思い返し、興に乗って舞返す趣向であるのに舞台がまるで運動場になったかのような情緒のなさ。そこまで速いテンポで囃す必要があったのだろうか。曲趣を考えてのスピードとは到底思えず、どれだけ速く演奏できるか、ひたすら競うような姿勢が感じられたのが残念だった。(高桑いづみ

かなり辛辣ではあるが、かう書かれて同感とすら思へたものだつた。それにしても御年傘寿の靖嗣師の動きの安定、手足の先での緊張、声の張りのまことに安定。敬服。後半はまるで住吉大神が目の前の至近距離に座すやう。ワキは常三師。目の前で美声に酔ひたかつたが本日は喉の調子芳しからず舞台で咳き込むほど。例の「高砂や」の謳ひでも声が出ず。そこを見事に補つたのがワキツレ(館田善博)で常三師の声の出ぬところを見事に紡ぎつながれた。謡ひの地頭は友枝昭世師。そのリードがとてもクリアに聞こえてくる。つい/\観世流で御宗家や大槻文蔵師がシテの能を見る機会が多いが畏友(湛君)にいはせれば「カラヤンの伯林ばかり聴いて」は勉強にならない。本日はカラヤンの伯林に対してオケでいへば市俄古交響楽団バレンボイムムーティの指揮といつたところかしら。期待以上に満足のお能の会となつた。

神楽坂は午後早くから開いてゐるバーが少なからず。歯車が筆頭にあるが矢来能楽堂からすぐのところにあるバーがサンルーカルバー(14時開店)。ドライマティーニ一盞。一見の客なのに、さらっと親しくしていたゞきありがたい。次の機会にまた。神楽坂に来たのだから上野の道明の神楽坂の出店“The Shop of DOMYO”に立ち寄る。

ネクタイだとかピアスだとか組紐の派生の商品はこちらによるもの。道明が青山に出店してそこでネクタイ購入したことがあるとお店の方に話したらもう十数年前の由。今晩は水府に戻り家人と夕食の予定で頃合ひも良く神楽坂から地下鉄(東西線)に潜るとJR中央線の東小金井で人身事故あり中央線快速が不通、東西線も遅れといふ。4分遅れで大手町から東京駅に歩く時間見積もつても大丈夫……のはずが次の飯田橋駅地震のため運転見合はせだといふ。スマホで見たら鳥島!で震度2である。なんて慎重すぎるのかしら。唖然。4分ほどして地下鉄は動き出したが、その結果、座席指定してゐた常磐線の特急(ひたち)に乗れずスマホえきねっと)で次の特急(ときわ)に乗変。東京駅で少し時間ありはせがわ酒店で日本酒(茨城の来福)一盞。特急の車中で大丸地下で買ひ求めた弁末のお弁当(蛸めし🐙)をいたゞく。


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水戸の駅まで自動車で迎へに来てくれた家人への献上品がこちら。我ながら、この紅色を選んだのはなか/\の思ひつきだつたと思ふ。


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円安加速で一時156円台に(34年ぶりの安値)

辰年三月十八日。気温摂氏11.7/24.6度。快晴。円安加速で一時156円台に。34年ぶりの安値の由。つまり30年以上前の90年代初頭と同水準。さう聞くと「その水準に戻つただけぢゃないか」と思ふが当時は多少の円安でも日本の物価は高く海外の物価水準が低かつた。それが海外諸国の経済成長と物価高なのだから。ちなみに30数年前の香港で天星小輪スターフェリーは一等席でHKD1.2だつたのが今では平日HKD5、休日ならHKD6.5でほゞ5倍。タクシーも初乗り(香港島/九龍)はHKD8が今ではHKD27なのだ。ほゞ日本の公共交通料金と同値。それでは同じ通貨レートでも、これでは今のインパクトが大きすぎる。

日銀「金融政策を維持」朝日新聞

今ごろになつて「日銀総裁は黒田の方がマシだつた」と思ふことは悲しすぎる。

14歳の夏、北海道の中山峠ユースホステルに泊まつたとき風呂に笠谷選手が、すでにコーチだつたが、若い強化選手と一緒に風呂に入つてきたんだつた。スキージャンプの中山峠シャンツェがあつて全日本男子スキージャンプの夏季合宿。選手たちよか一回り以上も大きな筋肉質の、これが金メダルの身体なのかと驚いたものだつた。この北海道旅行ではニッカの余市工場ではモルトウイスキーも試飲させてもらつてサッポロビール園のジンギスカンでは隣のテーブルに居合はせた親戚グループのオジサンが中学生ならもうビールくらい飲めるだろう!とビールをご馳走してくれた。まことに大らかな昭和であつた。

初夏

辰年三月十七日。気温摂氏14.7/23.6度。昨日からの雨(15mm)が上がり五月晴れのやう。初夏である。

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千波湖からの眺めも桜から新緑に。この季節は柳。千波湖も北岸(画像左奥)は杭州西湖に見立て「柳堤」と呼ばれ文字通り柳が美しく、かつては柳も遠くから眺められたものだつたが今では全面的な公園緑化で柳もそれに紛れてしまつた。

WBrC世界ランキング2位‼ 飯髙バリスタのコーヒーが飲める(SAZA COFFEE)

本日この飯高亘さんの煎れたコーヒーを賞味する機会にありついた。珈琲豆はパナマゲイシャでSAZA COFFEEがかなり力を入れてゐる。

ゲイシャ|サザコーヒー オンラインショップ

ゲイシャは元々はエチオピアの集落の名前なのださうだがパナマゲイシャと聞くと何だか新橋芸者とか柳橋芸者を想像してしまつて、かつてパナマ日本人町で評判の……なんて想像をしてしまふ。そのゲイシャコーヒーはけしてアタシの好きなタイプではなく、とても上品でさっぱり。飯高バリスタの珈琲の煎れ方はそれは/\洗練されたものだつた。

『大人の休日倶楽部』2024年5月号が郵送で届いてゐた。

僕、台本を読まないんです。昔は熱心に読み込んだのですが、それをやめました。もちろん自分の台詞は覚えますが、それ以外は読みません。その方が撮影現場で集中でできるんです。お芝居する相手が何を言うのか、知らずにいた方がリアルに反応できるし、物語がどう動くのかを知らずに、ドキドキしながらその場にいることで、緊張感が増す。台本を読まないことが僕の役づくりなんて、カッコつけすぎるかな(笑)。でも、本当なんです。

と巻頭インタビューで草彅剛。なるほど、と思はされるコメントなのだが台本で自分の台詞だけ読みすゝめば当然、相手が何かしら言つてのコメントなわけだから相手の台詞も理解できようもの。相手が何を言ふのか真っ新と知らぬまゝ自分の台詞だけ見ておく、なんて出来るのなのかしら。

水戸市名誉市民

辰年三月十五日。気温摂氏13.7/20.5度。曇。春の朧月も十三夜に少し眺めただけ。

今月17日深夜(日付は18日)のNHKラヂオ深夜便(深夜便アーカイブス)で昨年12月末放送の俳優・三上博史の回再放送のところ当日は豊後水道での地震あり。緊急放送で、この放送予定が飛んで三上博史芸談を聞く機会逸したが同番組がYouTubeにあつた。

三上博史「寺山修司さんからの贈りもの」NHKラジオ深夜便 - YouTube

「写真は無垢に見えるが自分からみると当時がいちばんズル賢かつた」と三上博史。高校1年(神奈川県立多摩高校)のとき寺山修司の誘ひで映画(草迷宮)に出演するが本人には「エリートとしての将来」を確信してゐて遊びのつもりで映画に一度出て済ますつもりだつたさう。自分はエリートといふ自覚があり学業に戻つてみると寺山の映画の世界に改めて惹かれて……といふ話から始まる。寺山、大島渚に可愛がられるとは。三上博史は今年1月の自主ステージ(紀伊國屋ホール)あり、この昨年末のラジオ出演のタイミングも舞台の宣伝であつたか。

三上博史 歌劇〉寺山修司没後40年記念公演

紀伊国屋ホールは開場60周年の由。昭和40年あたりの新宿に戻れるのなら戻つて清く、美しく日々を過ごせたら。

JAFの機関誌(JAF Mate)はいつからだつたか季刊になつたが松任谷正隆さんの随筆(車のある風景)はあのテイストで快調にずっと続いてゐる。そのエッセイ(2024年春号)で松任谷さんが自動車免許の高齢者講習を受けたことを書いてゐた。昭和26年生まれと思へば、もうさういふ年齢なのは驚くことではないのだけれど。

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名誉市民にずらりと並ぶ元市長 水戸市7人中6人「市の発展尽力」:朝日新聞

市長以外で唯一、水戸市名誉市民に選ばれたのは水戸芸術館初代館長の吉田秀和お一人。吉田先生を胸像にしたらさぞやご立派なはずだが吉田先生(鎌倉市民)の胸像はなく名誉市民認定のレリーフのみ展示あり(吉田先生を水戸に招いた佐川一信元市長の向かつて右隣り)

8人目の名誉市民も市長が選ばれ胸像として飾られるのだろうか。現職の高橋靖市長は市長経験者が引退後に名誉市民に選ばれてきたのは「不文律の慣例」と認めたうえで「(私は)名誉市民になるつもりはない。次の市長にはこの慣例をやめるよう引き継ぎ私が選ばれてもお断りします」と話した。

歴代の市長=名誉市民で直近の存命の二人は現職のこの「自らは名誉市民にならぬ」コメントは聞いて不愉快なことだらう。現職が市長になつてから二人が名誉市民に選ばれたのだから。先々代は市長退任後に参院議員になつたため後任(先代)が先に名誉市民となり、先々代は前回の参院選を機に引退で晴れて?名誉市民に(その参院選での自民党議席の後任が先代市長の倅である)。