東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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4/26付けレス

 本日は『ブンブンジャー』感想を書きました。

立ち上がれアマゾン

◆ヘイスタックさん
 >東映版『スパイダーマン』は「『ジャッカー電撃隊』と《レスキューポリス》シリーズの中間」とでも言うべき独特過ぎる作風
そ、それは気になる作風ですね……。機会があったら見てみたい一作です。
 >新堀さんによると常に中腰姿勢でいるのはキツい上に野獣アクションはやり辛く
やはりあの姿勢は辛かったのですね……敢えて綺麗に立たせない事そのものは特徴として非常に面白かったと思うのですが、噛みつきとかはどうにも画が面白くなりませんでしたものね……。
 >結局アクションの方向性も中の人も従来通りに戻す事になってしまい、新機軸を開拓する事の難しさを感じさせられます。
『アマゾン』、非常に意欲作だとは思うのですが、看板から期待される爽快感や面白さも欲しくなるところはどうしてもあり、いつの時代も、この両立は難しい課題ですね……。
 >本作の企画は初期案では、流浪の拳法家が主役の『ドラゴンライダー
おお、それはまた直球な…………あれ? アマゾンのモチーフがトカゲなのってもしかして、「ドラゴン」→「コモドドラゴン(オオトカゲ)」みたいな名残だったのでしょうか(笑)
 >2話連続でほぼ延々戦ってるだけの話が続き、年末進行故の省エネ制作だったんですかね。
だいぶ露骨な作りでしたが、タイミングを考えると、そういう可能性はありそうですね。
 >モグラのゲスかったり小物臭かったりする一面が描かれてキャラが掘り下げられるのは伊上脚本回
伊上さんは本筋の活劇に手札が多い分、枝葉としての要素に目が届く余裕がある、みたいなところもあるんですかねー。それをコンパクトに叩き込む手法も含めて。

◆chi-chanさん
 >本作のこれまでを見ると逆になぜ爆発とも(笑、前回と次回が首落としだったので)。
爆発するならするで(予算的な事情かもですが)、別に水中に投げ込まなくても……感もあって、出血表現をどうするかとか、転換期で迷いがあった時期なのかもですね。
 >実は彼の生まれた場所自体は日本なのを多分本人含めて誰も知らないという…(藤兵衛ならあるいは少しくらいは?)。
コウサカから、“いずれ日本に来る男”の存在は効いていた筈ですが、素性に心当たりが無いところを見るに、=山本教授の忘れ形見という情報はコウサカのところで止まってしまったぽいですね……。
 >忘れてましたけど、モグラは本質的にはまだ野生の獣だと言う事か…(従者が元人間かは不明ですが)。
モグラこいつ普段何を食べて生きているのだろう、という疑念が急浮上を(笑)
 >従者が獣人より上というヒエラルキーが判明しましたが、これ獣人は平社員または兵器で、従者は秘書扱いという事ですかね。
私これまでずっと、「獣人の従者」だと思っていたのですが、どうやら「十面鬼の従者」みたいですね。役職はともかく、社長に直接パイプがある立場みたいな。
 >いくら相手が怪物とはいえそんな悪知恵は思いつかなくてもいいような
作戦を立てる事を覚えたというより、なんだか急に、悪知恵がついた感は出ましたよね(笑) 恐らく藤兵衛が、先輩たちの武勇伝を適度に誇張しつつ聞かせたのでしょうか……。
 >なので元人間のトゲアリ獣人はもっと知力があがると(笑)。
あー! 動物ベースではなく、人間ベースに、〔知力向上〕効果が乗った結果、と(笑)

◆いといさん
 >新堀氏は後に「中腰スタイルは姿勢がきつくて出来るアクションに限りがあり、
 >背を伸ばしてカッコいい戦闘をする両者がうらやましかった」と語っていたそうです。
特徴はこれ以上なく出ましたが、やはりあの姿勢はきつかったのですね……あの立ちポーズと、映えるアクションを上手く組み合わせる道があればな……と外野の無い物ねだりとしては思ってしまうところです。

切り込み屋は滾らせたい

『爆上戦隊ブンブンジャー』感想・第8話

◆バクアゲ8「暴走と分裂」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:冨岡淳広
 アバンタイトルからハイウェイ空間で始まり、各マシンの走行テストと共に、分身やブーストの新機能を実地で試す、ブンブンマシン猛レース。
 赤マシンのブースト機能がまだまだ調整が必要な事が示された後、5人バージョンのOPとなり(玄蕃のブンブン免許は完全に別カットが入るだけであまり面白くならず)……今回予告映像でマッドレックス様がもう巨大化してるーーー?!
 「ボスに顔向けが出来ねェ! 我らが、ボス……ワルイド・スピンガー様ァァ!!」
 公式からアクセル全開で敗北フラグを立てられてしまったマッドレックスは、地球縄張り計画にブレーキがかかりっぱなしな事に荒れるとハシリヤン総長の名前を口にし……これは映画『ワイルド・スピード』からでしょうか(笑)
 主要メンバーを始め、今作のこの、モチーフを強引にでも名前に組み込んでくる姿勢は割と好き。横文字はなんとでもなるので、ハシリヤン側は楽ですが……やはりこの路線だと、ブンブンは元宇宙のトラック野郎なのでは。
 「必ず! 必ず地球を献上してみせますゥー!」
 「パラリラパラリラ~」
 「熱いぜ……このエンジンがオーバーヒートする感覚ぅ!」
 気合いを入れ直したマッドレックスは、地球で出会った好敵手への興奮から全身を赤熱させ、周囲に炎を撒き散らすと、ブンレッドを連れてくるよう三下トリオに指示。
 その頃、総司令への手土産を後ろ手にブンブン基地を訪れた細武調は、玄蕃の存在をチクリ。
 「調達屋・振騎玄蕃、ブンブンジャーの一員になったそうですね。なぜ今更?」
 「心境の変化がありましてね」
 前回に関してちょっぴりフォローを加えつつ、細武が持ってきたのが、べろーらーグッズ(……キャラソンCD?)な事で、テーゼや要素をちょっとずつ繋げていくのは、今作らしい構成。
 ブンブン総司令は過酷なテスト走行で腰を痛めた大也の手当て中で、エンカウントとプレゼント攻勢による古式ゆかしい好感度上昇作戦が空振りに終わった細武が、対ハシリヤンの打ち合わせに来たと場を取り繕うと、何それ聞いてない、と首をひねったのは新加入の玄蕃。
 「ん? ……そもそもブンブンジャーはBBGのためでは?」
 「……B?」「B?」「G?」
 「BBG……ビッグバングランプリ。全宇宙で開かれている、車のレースだ」
 首をひねる未来・阿久瀬・細武に向けてさらりと言ってのけ、少なくとも地球人一般の持ち合わせない宇宙知識を持っている事の判明した玄蕃、《調達》スキルはフィクションの嘘で押し通すのかと思っていたのですが、スペース四次元ポケットを所有している可能性が本格的に出て参りました(笑)
 「ちょっと待って下さい。ブンブンジャーは、地球を狙う悪と戦うヒーローなんですよね。ブンブンカーは、悪を討つ正義のメカでしょ?」
 「……ブンブンカーはビッグバングランプリに出場する為に作られた。今は対ハシリヤンに転用しているだけだ」
 「武器ではないという事ですか」
 武器ではないが武器に転用できる車の走るBBG……不穏な気配しかしませんが、ブンブンレーシングカーはこの後、フロントからドリルが飛び出したり、ホイールからノコギリが出てきたり、後方に巻き菱を放ったりするようになるのでしょうか。
 それはともかく、対ハシリヤンのチームである事は第2話時点で大也の口から否定されており、阿久瀬と細武に対しては、「聞かれてないから答えていない」とか「相手の美しい誤解をそのままにしていた」状況だったわけですが……命の危険もあるチーム活動において、不誠実といえば不誠実のそしりを受けても仕方のないところではあり。
 「……つまり、ブンブンジャーは範道大也の道楽」
 そこへ細武さんの厭味を含んだ表現が物凄くクリティカルを叩き出してしまい、広がる波紋。
 「……そしてここに居る全員、その道楽に振り回されているだけという事になりますね」
 とはいえ、「道楽で人を救っていけない」法は無いわけですが、この辺り基本的に細武さんは、“公権力の正義と、それに基づく力の管理”こそ善と信じている人であり、個人が持つには大きすぎる力としても本来は私有財産であるものに対して、強制的にコントロールしようとしたり、道楽だと批判してみせるわけなのですが、早い内からブンブン総司令絡みで派手に崩してきたのは、印象の悪い発言をズバズバさせる為かと納得(憎まれ役のキャラが後半で、実は……となるのではなく、良くも悪くも最初から受け手にストレスをかけない劇作といいましょうか)。
 「……ま、そういう見方も出来るな」
 「…………なんで言ってくれなかったの?」
 治療を終えた大也が戻ってくると、阿久瀬はともかく、最初に聞いている筈の未来まで不満顔ですが、こちらは、「夢」に関して言葉を濁し、しっかりと説明してくれなかった事に怒っているといった感じでありましょうか。
 「ブンブンジャーって、大也さんにとってなんなんですか」
 痛めた腰を押さえつつ、未来と阿久瀬に向き合おうとする大也だが、タイミング悪く、街にハシリヤン構成員が出現。
 チームに不穏な亀裂が生じたままブンブンジャーは出動する事となり、この時、「話は後だ」と動き出す大也、すぐにその後を追う射士郎と玄蕃、少ししてから動き出す未来、更に遅れて阿久瀬、彼等の背をじっと見送る細武、と動き出しのタイミングによって、大也と他メンバーの現在の心理的距離感を示しているのが、中澤監督らしい鮮やかな演出。
 市民を小突いたり投げ飛ばしたりしてギャーソリンを集めていたハシリヤンは、5人が姿を見せると即座に撤収し、後を追った面々は倉庫の中で倒れている制服姿の男女を発見。
 未来と阿久瀬がそれぞれ駆け寄ると、罠だと気付いて止めようとした射士郎と玄蕃ともども、つい最近、昭和ライダーで見たような気がするいきなり落ちてきた檻の中に捕まってしまう4人…………そう、学生コスプレで囮を演じた、イターシャとデコトラごと(笑)
 「ぴんぽーん。罠でーす」
 「よっしゃー! 作戦成功、大成功だぜぇ、へっへー」
 「……そういうおまえ達は、どうやって出るつもりなんだ?」
 ヒーローを自分たちごと檻の中に閉じ込めて大喜びする下級幹部、ブンブンサイドの揉め事を一撃で吹き飛ばす、あまりにも衝撃の展開でしたが……あ、ツッコまれた。
 「いィ?」「え?」
 ブンブンジャーを分断する事しか考えていなかったデコトラとイターシャは激しく狼狽し、これまで一応、顔を合わせる機会はあってもこれといったやり取りは無かったブンブンジャーとサンシーター、ヒーローと敵レギュラーの最初の濃い目の絡みが、これでいいのか(笑)
 今回、ぽろっと隠し事をこぼす玄蕃・自分に都合のいい思い込みの激しすぎる阿久瀬・大也への態度が一変する未来、といった前半の組み立てにはややノれずにいたのですが、この場面のインパクトと満足度が非常に高く、怒濤の一騎打ちに突入を前にギアがカチッと切り替わった感も含めて、大変お気に入りとなりました(笑)
 いやだってさすがに、一緒に檻の中に居てあんなに自慢げに振る舞うとは思いませんでしたよ!!
 既にすっかり殺しにくくなっている三下トリオですが、末は焼き肉屋に就職なのかガード下でおでん屋台を開くのか……まあ一念発起して宇宙の邪悪なエネルギーを浴び、オレスゴク・デコデコトラーデ@二冠王になる可能性もゼロではありませんが。
 檻の中でデコトラに泣きつかれた玄蕃が意外なほど乱暴に(単純にこれまでの絡みの薄さから芝居に困ったのかもですが、もしかするとこちらが素か?)振り払ったりする中、内部から暴力で檻を破壊しようとブンブンチェンジを行う阿久瀬と未来だが、チェンジに反応したトラップが発動して電流が走って失敗し、巻き込まれたデコトラとイターシャ……初めてのダメージでは(笑)
 「さすが、ハシリヤン通販特別仕様、だぜ」
 ……玄蕃も、捨てアカウントで利用していそう。
 〔倒れた偽被害者が2人 → 未来と阿久瀬がそれぞれ駆け寄る → 射士郎と玄蕃もそれぞれ止めようとする → 青桃と橙黒に牢が分かれる事で、映像面で心理的なバランスが取れると共に双方にスムーズにダメージが入る〕
 のが鮮やかだっただけに、最も肝心の大也が一足遅れでやってきた部分にこれといって理由付けされなかったのが残念でしたが(構成員に1人だけしつこい足止めを受けるなどが流れ的にカットされた可能性が高そうですが)、近づくマッドレックスの気配に、大也は牢屋の横を素通り。
 「――騒音はお手のもの。暴走は俺のもの。ハシリヤン切り込み隊長、マッドレックス参上」
 「おまえの狙いは俺か……いいだろう」
 マッドレックスの誘いに敢えて乗る形で、大也は独り、ブンブンチェンジ。
 「……ブーーン・レッド」
 「そう来なくっちゃなぁ。“スピードの向こう側”まで、ノーブレイクで突っ込んでいこうじゃねぇかッ」
 赤の静かな名乗りから、タイヤが唸り、エンジンが火を噴き、両者互角の激しい一騎打ちがスタート。
 「たまんねぇぜェ、この手応え。ブーンレッド……オレと組まねぇか?」
 「「はぁ?」」
 「俺にはわかる! おまえも、自分をたぎらせる相手を探してるんだよな? 見ろよ? 檻ん中の間抜けづら! あんな奴らとつるんでるより! 俺と宇宙を走り回る方が楽しいぜェ」
 ブンレッドと仲間たちを、心理と物理の両面で分断したところから、マッドレックスがスカウトをかけてくるのは、面白い展開。また、要所要所で、マッドレックスを隻眼のように見せる演出が格好いい。
 「……褒め言葉と受け取っておこうか」
 「悪いようにはしねぇ。きっとボスも、おまえの事を気に入ってくださる」
 「そのボスっていうのは、おまえより強いのか?」
 「ああ。宇宙より遙かにデカい器のお方だ!」
 「……ふっ、そいつは爆上げだな」
 荒くれ者のマッドレックスが絶対の敬意を払っている姿でボスの格を上げて期待感を高めると、ブンレッドの返事はレックスの足下への射撃。
 「俺に勝ったら俺のハンドル、握らせてやる」
 訳:てめぇの下につくかどうかはタイマンで決めるぜゴラァッ!
 「ほぅ……面白ぇ!」
 最初に絡んだ敵幹部が完全に暴走族だった為もありますが、段々、大也の「爆上げ」は、キザを装ったヤンキー魂なのでは……? みたいな気がして参りました爆上げよろしくぅ!
 「何ゆってんですか大也さん……大也さん!」
 「どうやら俺の夢は……こいつを倒した先にあるらしい!」
 「は?! 夢?!」
 「落ち着け。今はあいつを信じろ」
 「信じらんないよ!」
 そんなヤンキー魂に不審を覚えた阿久瀬と未来の反応がネガティブに傾き、見守る仲間たちの心がバラバラの中で死闘は続き、怒りのデスドリルの一撃を宙に舞ってかわしたレッドは、空中で両サイドに配置したオーラタイヤの回転力で自らを打ち出す秘剣ブンブン大砲によるカウンターを炸裂させ、爆上げフィニッシュ。
 「……勝負、あったな」
 「ふっざけるなぁ。仲間にならないならっ、廃車にしてやる!」
 マッドレックスは呼びつけたヤルカーから強引にギャーソリンを絞り出すと、ギャーソリン満タンで巨大化し、第二レースの開始を宣言。
 巨大化の衝撃により通販で買った牢屋が吹き飛ぶと、デコトラとイターシャはヤルカーを拾ってそそくさと姿を消し、ヤルちゃんに対する無法な扱いに悲鳴を上げる事で、マッドレックスとの間に生じる違いを描いておくのが、上手い。
 とにかく今はやるしかない、と一同変身してBロボポリスが出撃し、今度は、赤・青橙・桃黒、に分かれるのが、これまでの2人乗り演出も活かして上手い作劇に。
 ハシリヤンはデリートだ! と二丁拳銃を構えるBロボポリスだが、デスロッドにまたがったマッドレックスの高速起動を前に手も足も出ず、装甲重視のビルダーを発動。
 だがレックスは即座にロッドを下りると、ビルダーに近接の連続攻撃を浴びせて主導権を握る対応力の高さを見せ、一方的に攻撃を受けるBロボはドライバーセットを召喚するが、コンパチ中の攻撃により外部に投げ出された桃黒は変身解除で戦線離脱。
 ならばとクラシックを召喚しての二刀流で挑むが、怒りのデスロッドにパワー負けを喫し、ここまで7話分のBロボ武装バリエーションを一気に完封負けさせる、怒りのデスバーゲン。
 「どうだブーンレッドぉ! これがハシリヤン切り込み隊長の本気だぁ!」
 一か八か、オフロードゴーストをぶっつけ本番で使用すると、調整中の不具合により青と橙を外に弾き出しながらも両手に車ナックルを取り付けたBロボパンチャーが誕生し、またも“独りの戦い”を余儀なくされるレッドだが、カウンターの左アッパーが炸裂。
 単車の後はド突き合いこそが王道! は流れとして大変納得がいき、都合9台を詰め込んだ大盤振る舞いの激闘の末、最後はステゴロでお互いのクロスカウンターが顔面に入って、大爆発。
 「ブーンレッド! 勝負は預けた!」
 ダメージを負いながら元の大きさに戻ったマッドレックスは煙幕退場し、傷だらけの大也は、ブンブンに肩を借りながら4人の前に姿を見せる。射士郎と玄蕃がすぐに駆け寄って肩を貸す一方、未来と阿久瀬は路上に立ち尽くし……
 「なんで? ……なんであんな無茶すんの? なんで簡単に命かけられんの?! なんであたし達を――」
 自らの足で立って、未来の問いに答えようとする大也だが、そのまま倒れて、つづく。
 大也の夢とは何か? 何故その為に命を懸ける事を恐れないのか? そして、ブンブンジャーがチームである事の意味は――。
 サブタイトルから前後編かとばかり思ったら、OP映像時点でマッドレックスが巨大化していて動揺したのですが、〔前編でバラバラのまま敗北 → 後編でチーム一丸となって逆転勝利〕ではなく、〔前編で一応の勝利を収めるが、チーム内のしこりを残したまま後編につづく〕という、ちょっと珍しいパターンに。
 珍しいといえば、人間大の一騎打ちで敗北した幹部キャラが巨大戦で猛威を振るい、実質引き分けに近いところまで戦況を押し戻すのは相当に珍しい印象で、“最初の強敵”の存在感を打ち出しつつ、「消化試合にしない巨大戦」の見せ方としても、面白くなりました。
 キャストの芸達者ぶりも含め、見せ方の格好良さと台詞回しの面白さが光り、この短期間でマッドレックスが非常に魅力的な障害になったのは、立ち上がりの大きな加点に。
 三下トリオもどういうわけか、“マッドレックスとの対比”で、躍動感が増してきましたし(笑)
 玄蕃異星人説は、《調達》スキルを始め、実は宇宙人でした……を理由にするのはあまり面白く転がりそうにないかなと思っていたのですが、大也の目標とするものが一気に宇宙では常識の範囲になった事から、大也も実は異星人だったりして、この地球には地球人が気付かないだけで、地球人そっくりの(或いは擬態した)異星人が多数暮らしているのだ……まで行くと面白いかもとは思ってみたり(笑)
 そこから説明するのが面倒くさかった……のだとしたら、大也が詳しく語らなかった事についても個人的にはちょっと納得がいきますし(その場合も、射士郎は、地球人の方がいい)。
 訳知り組と新参組の間で、ブンブンジャーとは何か、についての溝が生じ、大也の説明不足では確かにあるが、一方で未来と阿久瀬が“勝手に期待して勝手に押しかけてきた”面はあり、蛇行からスピンし始めたブンブンジャーは、果たして再びアクセルを踏み込めるのか……次回――サブタイトルが物凄く良いので、今度こそサブタイトル倒れにならないでほしいです(笑)
 ここは立ち上がりの一山&チームアップ回として、きっちり跳ねてほしい!

4/24付けレス

 本日は『アマゾン』感想を書きました。

ビルの谷間にサタンエゴス

◆電子レンジマンさん
 >前年のスパイダーマンのキャストがゲスト
やたら高身長といい、なんとなく目元に覚えがあるような……と思っていたのですが、藤堂新二さんでしたか! この頃は、芸名が違っていたのですね。
 >途中露骨にオマージュっぽい壁登り
モチーフとの関連がいまいち見えないアクションだな、と思っていたのですが、深く納得しました。
 >最終的にはいつものノリでサクッと怪人とロボットを処理して終わってしまったのが惜しいところでした。
テーマ的には、悪魔となった男、の方で終わっていたのかもですが、折角なのでもうちょっと、それに対するリアクションの掘り下げは見たかったですよね。
 >マリアに作戦を任せるとだいたいやらかして大変なことになっている気がします。
この辺り当時的に、男連中よりはマリアの方がストレートに苦戦させやすい、みたいなのはあったのかもですね……伝や曙のように肉体的に酷い目には遭わせづらそうでもありますし……そう見ると、京介は割と災難から逃れてますね(笑)
 >折り鶴をあおいで飛ばすくだりに無理がありすぎてそこに全部持っていかれた感じがあります。
怪人は結構面白かった筈なのに、インパクトとしては、あのシーンが悪い意味で強烈すぎました(笑)
 >そもそもべつに少年は天才ではないという捻りが入ってきたのは良かったです。
マリアへの助け船にも納得がいきましたし、天才ゆえの~……ではない方向に行ったのは面白かったですね。

◆chi-chanさん
 >イターシャ(プロ歌手)・ブンブン(『龍騎』主題歌担当)・細武(元ガールズグループ所属。
そういえば、細部さんもそういう前歴の方でしたね……各メンバーのコネクションも考えると、これはもはや、アイドル回よりも対バン回……?!
 >「死者蘇生・死者のバックアップ生成」くらいにぶっ飛んでないと放送コードや自主規制に引っ掛かるのですかね…。
一番シンプルには、毎度毎度「怪人になる側にもやむを得ない事情があった」とすると物語が鬱々とするからだとは思いますが(意図してそれをテーマにする作品もありますが)、合わせて“肉体が限界を迎えたので新しい肉体に乗り換える”のは、広義のサイボーグテーマとしては最も典型的な動機付けゆえかな、と。
 >病院での部下引き連れ描写は、明らかにこの前年から初頭にドラマ版が放送された 『白い巨塔』オマージュかなと。
今見ると定番演出のイメージでしたが、丁度『白い巨塔』のドラマの頃だったのですね。
 >偶然ですが「人間の姿」と「変身後の声」のキャスト二人が、後の『メタルダー』ゴッドネロスと一緒という
そう考えてみると、ハイド怪紳士への変身は完全に、「私を夜の闇に包め」ですね(笑)
 >東映スパイダーマン
東映youtubeで配信されたら盛り上がりそうですが、惜しいですね……。
 >関根の怪人化が看護婦さんにも明かされたのは
教授の死後、避けるようにしていたので、恐らく看護婦だけは、怪紳士=関根とうっすら気付いていたゆえ、といったニュアンスに捉えましたが、本来なら、墓標に石を投げても許されそうな立場だけに、いい人でありましたね……。
 >ちょっとした事でじゃれてるような喧嘩になる京介と四郎が面白かったです
この二人は途中から、すっかりコンビ扱いになっていますね(笑)
 >勉強を分かりやすく促進可能な優秀な先生やためになる文献ならまだしも、なぜ学友…(それも小学生限定)。
学友、話の都合はさておき普通に優秀な学者とかで良いのでは、は私も思いましたが、精神的に生まれたてというニュアンスだったんですかね……そういう点では、身勝手な動機ながら、同じ視点に立てる仲間が欲しかった、といった感じなのでしょうが。
 >フィーバーのような「誰かが不治の病のせいで完全に魂を売る」展開はあっちであり得たのかどうかも。
『エグゼイド』の場合、肉体を失ってもデジタルの世界で(結果的に)不死性を得る、という要素が物語の中に組み込まれていると見て良いのかなとは思います(ポピ子さんとか)。