シアトルエリアで潮干狩りをしよう
はじめに
去年の夏に一度潮干狩りに誘ってもらって以来、行ける時には潮干狩りに行くことが多い。 シアトルエリアのスーパー(特にアジア系の食料品店)では貝は割と手に入るもののそこまで安くはないし、休日に遊ぶついでに食べられる物が手に入るのは楽しい。
そこまで技術や経験がなくても十分採れるので、興味がある人が1回目に行くときのガイドになれば良いなぁと思って書く。
何が取れるか
取れる貝の種類は にリストがある。日本で呼ばれている名前(もしくは近いもの)だと
- Manila Littleneck Clam / Native Littleneck Clam -> アサリみたい。酒蒸し、炊き込みご飯にしたり、佃煮っぽくしたり。
- Butter Clam -> ハマグリみたい。焼いてもいいし、揚げてもおいしいらしい。
- Cockle Clam -> トリ貝の近縁種らしい。さっと湯通しして刺身に。
- Horse Clam -> 本ミル貝。水管をさっと湯通しして刺身に。身の方も焼いても良いしチャウダーにしても良い。
- Geoduck -> 白ミル貝。すごく深い所にいるので採るのが大変らしく、狙ったことはない。Horse clamと同じように水管を食べる。
- Razor Clam -> マテ貝みたいな見た目だけど違うらしい。食べたことがない。
Varnish Clamは食べられるらしいけどあまりおいしくないというのも聞くし、毒素の排出が遅いとのことなので食べたことはない。Macoma Clamは食べようとしたけど砂が抜けなくて食べられなかった。
いつ行けるか、どこに行けばよいか
貝の種類によって禁漁期間が異なる。大きく分けて
- Razor Clam
- Oyster
- それ以外の貝
に分けられる。
Razor Clamは一番期間が短くて場所も限られている。シアトルからだと車で3時間ぐらいかかるようで、自分は行ったことがないが 期間と場所は に記載されるらしい。
それ以外の貝については主に3つの条件
- 干潮であること
- 該当のビーチが開いている期間であること
- 該当のビーチの水質が良いこと
が必要。まず潮の満ち引きに関してはアプリでもなんでも調べられるが、WDFWが毎年PDFを出してくれるのでこれが見やすい。 目当ての貝にもよるものの、マイナスになっていれば行けると思っておいてよい。(ホースクラムやグイダックを狙うならもっと潮位が低い方が良い) 日中に干潮になるのは3月~9月ぐらいなので、自然とこの期間がシーズンになる。
次に、各ビーチにそれぞれ貝を取ってよい期間が設定されている。こちらも主要なビーチについてはPDFが公開されているのでここを見ればよい。 一部のビーチではOysterは通年で取って良いが他の貝はこの期間だけ、というケースもあるので要確認。
最後に水質について、これはその場所のbiotoxinの量によって一時的にclammingが禁止されているケースがあるので行く前に確認した方がよい。
Washington Shellfish Safety Map ではすべてのビーチのopen/closeの情報が見られるので便利。緑はオープン、黄色はオープンだけど注意あり(海水浴場やボートの発着場の近くは禁止等)、赤はクローズ。
必要なもの
必ず必要なもの
1.ライセンス
貝を取るにはワシントン州のライセンスを購入する必要がある。スーパーマーケットやスポーツショップ等でも買えるが、私はオンラインで購入している。 購入してすぐにテンポラリライセンスが発行されて(念のため印刷して持っておく)、しばらくすると正式なライセンスが郵送されてくる(ただの紙っぺらだけど…)。
ライセンスは購入した次の3/31まで有効で、https://fishhunt.dfw.wa.gov/loginから購入できる。貝だけ(Annual Shellfish/Seaweed License
)なら大人は$15.40/年。14歳以下は無料(貝だけでなく、釣りのライセンスも含む)。14歳以下のライセンス購入には子供用のアカウントを別に作る必要がある。子供も採ってよい個数のリミットは大人と同じなので、子供を連れて行くならとりあえず取っておいて損はないと思う。
2. Discover pass
これは厳密には必須ではないのだが、多くのビーチはState parkの一部になっていて、State parkの駐車場に停めるにはこのパスが必要。 https://www.discoverpass.wa.gov/で購入できる。$35/年 or $11.50/日、1つで車2台まで使いまわせるが、2台同時に停めたい場合はそれぞれにパスが必要。
3. 長靴
そこまで丈が長い必要はない。 こういうので大丈夫。
4. クーラーボックスと保冷剤
言わずもがな、取れた貝を入れたり飲み物を入れておいたりするもの。人数、量に応じて適宜。 自分は と、もう一回り小さいものを2つ持っていっている。
あると良いもの
1. バケツ(いつでもあると良い)
Home DepotとかLowe'sの5 gal バケツ。1つか2つあれば十分だと思う。
2. 折りたたみできるタンク
これに水道水を入れておくとちょっと手や道具を洗ったりするのに便利。使い終わったら畳めば邪魔にならない。 うちでは淡水用と塩水用で2つ使い分けている。塩水はオイスターの剥き身を洗うのに使うけどなくても良い。
3. 熊手(マニラクラム用)
マニラクラム(アサリみたいな貝)を採るにはこれで十分。
4. 浅く掘るやつ(カックル用)
Cockleは比較的浅い所にいるので みたいなもので探して、ゴリっという何かに当たった手ごたえがあったらそこをもうちょっと掘れば採れる。 幅が狭い方が深く探すのは楽だけど探索速度は遅い。歯がしっかりしているものなら幅の広い物でも狭い物でも良い。
5. シャベル(オイスター以外の貝、ホースクラム、グイダック用)
掘れればなんでもよい。ホースクラム/グイダックを狙うなら こういう形のもの(スペード)だと深く掘りやすい。Spear Headのものを使っている人も見かける。
6. 洗濯ネット(オイスター以外の貝用)
採った貝はリミットに応じて1人ずつ分けておく必要があるので、中程度の大きさの洗濯ネットを人数分持っていくと分けるのにも、貝を洗うのにも便利。
7. オイスターナイフ & ペンチ (オイスター用)
オイスターナイフは がおすすめ。刃が薄くて入りやすいし丈夫。 どうしても隙間が見つからない場合は端をペンチで潰して隙間を作るのでそれ用のペンチがあると良い。どうせ錆びるのでなんでもOK。
8. 防刃グローブ(オイスター用)
オイスターの殻は手を切りやすく、また剥く際に怪我もしやすいのでオイスターを狙うならグローブは必須。
9. ジップロック(オイスター用)
オイスターは剥いた殻はその場に置いていかないといけないので、身を入れておくジップロックが必要。これも人数分あると良い。
10. 折りたたみ椅子(オイスター用)
牡蠣を剥くときにあると良い。これに座って黙々と殻を剥いていくことになる。
11. 子供用の砂場遊び道具
小さい子がいる場合は遊ぶ用のスコップやバケツを持っていくと、砂遊びもできるし小さいカニや魚が出てきたときに入れておいて遊べる。
12. 荷物運搬用のカート
場所によっては駐車場からビーチまで距離があることもあるので、荷物の運搬にカートがあると便利。石が多いビーチだとあまり役に立たない。 子供の休憩用ベンチにもなる。
13. ウェイダー(ホースクラム、グイダック用)
グイダックは狙ったことがないが、ホースクラムを狙う際も30-40cmは掘ることが多く、膝をついて腕を砂浜に突っ込んだりするので服が汚れるのが嫌ならあるとよいかもしれない
14. クラムガン(Razor Clam用)
砂地に差し込んで引き抜くと円柱形に掘れる。Razor Clamを取るのに主に使われるみたいだけどホースクラムを狙っている人が使っているのを見かけることもある。自分は持っていない。
15. 帽子、タオル
この辺りは海水浴と同じだと思うが、当然ビーチには日陰などないので晴れなら帽子はあった方がよい。タオルも汗を拭くもの、休憩したりするときに使うものぐらいはあると良い。
リミットについて
1人が1日に取れる貝の数には制限がある。詳しくは https://www.eregulations.com/washington/fishing/shellfish-seaweed-species-rules に書いてあるが、大体
- オイスター: 2.5in以上のもの、18個まで。その場で剥いて(shuck)、殻はその場に捨てないといけない。
- ホースクラム: サイズ制限なし、7個まで。割れているものもカウントする。
- グイダック: サイズ制限なし、3個まで。割れているものもカウントする。
- Razor Clam : サイズ制限なし、15個まで。割れているものもカウントする。
- それ以外の貝いろいろ: 合わせて40個もしくは10lbの少ない方。種類によって1.5in以上のものでないといけない
例えば4人家族で行くとマニラクラムが40*4=160個まで採れる。場所によっては160個は苦もなく1時間もかからず集まる。スーパーで買うと$9/lbぐらいするので、数十ドル分ぐらいは取れる計算になるはず。
おわりに
個人的には貝は釣りよりも運に左右されづらく、歩留まりが良いので楽しい。また、子供が小さい場合は待つ時間がない(砂遊びやカニ探しで遊べる)のも大きい。 必要な道具は一見多そうにも見えるが、最小構成だと
- ライセンス
- Discover pass
- クーラーボックス&保冷剤
- 熊手 and/or シャベル
- 小分けの袋
- 適当な服装
で採れた貝はクーラーボックスに直接入れてしまって後で洗う、でも構わないのでとりあえず一度やってみて楽しかったら少しずつ揃える、で良いのではないかと思う。