2024年4月16日火曜日

東大寺境内*花便り⑤「奈良八重桜」開花

毎年お伝えしていることですが、「奈良八重桜」と書いて「ナラノヤエザクラ」と読みます。奈良に咲いている八重桜ではなく「ナラノヤエザクラ」という品種名です。

前置きが長くなりましたが、桜の花の中でも一番遅く咲く、その「ナラノヤエザクラ」が開花始めました!

◆まず「おかっぱ桜」の北側に一本あります。
数年前までは3本あったのですが・・・





◆戒壇院と大仏殿の間には10数本の「ナラノヤエザクラ」。
早く開花している木もあればまだ蕾の木もありでした。






◆指図堂の前に一本の「ナラノヤエザクラ」があります。



◆大仏池の南の畔にも一本。
ここも数年前まで5本の「ナラノヤエザクラ」があったのですが。
かなりの老木なので、来年も会えるかどうか・・・と毎年思っています。今年も会えてよかったです。

◆鼓阪小学校前には2~3本、かつては本数の多いエリアでしたが。


こちら↓は幼稚園の横のスペースに植えられた「ナラノヤエザクラ」

◆正倉院西側エリアにもたくさんの「ナラノヤエザクラ」
咲いている花の数や木の数が一番少なくてゆっくりめでした。




その他、東塔跡の「ナラノヤエザクラ」は蕾固し。

「ナラノヤエザクラ」以外の八重桜は
◆勧進所のところは、おそらく「普賢象桜」でしょうか?


◆奈良公園室の庭には「楊貴妃桜」

◆大仏池周辺の新緑は、眩しいくらいでした。

「ナラノヤエザクラ」は今週末から見頃になりそうです。
ソメイヨシノが終わって、藤の花が咲き始めて、桜どころではないムードかもしれませんが、とても可憐で可愛いくて清楚な「ナラノヤエザクラ」の桜巡りもどうぞ楽しんでくださいませ。

2024年4月15日月曜日

「空海KŪKAIー密教のルーツとマンダラ世界」

奈良国立博物館で開催中の、生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界」を観に行ってきました。


「かつてない空海展」と言われる展覧会は、まず全出陳品の4分の3が国宝と重文(国宝28件・重文59件)という超豪華な内容で
そして、第一展示室がすべてが立体曼荼羅の世界に構成されていて、入った途端におおお!とびっくりします。

広い展示室の中央に、京都・安祥寺の五智如来坐像が立体的に配置され(いわゆる壁に一列に並べるのでなく)、奥の壁面いっぱいに両界曼荼羅(血曼荼羅)とその前に密教法具が並ぶ大壇具が置かれ、両脇の壁面には十二天像や五大尊像のいずれも国宝の仏画が並ぶ展示室。
※この曼荼羅世界を立体的に再現した第一展示室の様子は、美術展ナビのこちらに写真がたくさん掲載されています。

第二展示室では、インドネシアのジャワ島で出土した彫像群が金剛界の立体曼荼羅として展示構成されていて、海路でインドから中国に密教の教えが伝わったことも驚きでした。
(この彫像群は、輸送に耐えられるよう、今回の特別展のために修復作業がなされたそうで、その様子が映像で流れていました)

そして、第三室で「空海入唐」
空海の唐での留学年数が2年程という短さに、その仕事の密度濃度と比較して超人的すぎるし有り得ないのでは?と不思議に思ってましたが、今回の展覧会で、師・恵果との運命的な出会いから、すぐに胎蔵・金剛界の両方をわずか3ヶ月で伝授されたことを知り、恵果が亡くなった日の夜に空海の夢に師が現れて、師弟の関係は一度だけでなく生まれ変わって共に密教を広めたいこと、次は自分が日本に生まれ空海の弟子になることを告げたということが書かれている「恵果和上之碑文」の解説を読んで、師弟が出会って別れるまでの7か月は、厳しい修行の日々の中にもどれほど幸せな時間だったのだろうと想像してしまいました。

また最後の展示室で、空海が書いた詩文や上表文を集めた「性霊集」の中に収録されている、弟子・智泉の死を悼む文章の中の一節・・・・『哀れなるかな、哀れなるかな、哀れの中の哀れなり。悲しきかな、悲しきかな、悲の中の非なり。』に、若い弟子を失って深い悲しみに沈む姿に、超人のように語られる空海の別の一面を見てとても愛情深い方だと知ることができ、印象に残りました。

「文殊菩薩坐像」は唯一撮影OKだったのでパチリ。

その他に印象に残ったのは(写真は図録から)
空海が自らプロデュースした現存最古の両界曼荼羅である国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」が修理後、初めて一般公開されています。(前期胎蔵界、後期金剛界)
紫色の綾地に金泥と銀泥で描かれていますが、会場では色もくすんでわかりづらかったのです。それが図録には、各部分を拡大して掲載されていて、また配置図↓も詳しく載っているのが有難かったこと。



個人的なことですが、展覧会場では自分が欲しいなぁという視点で出陳品を見て心の中で楽しむことがあります。
今回は、高野山の3大秘宝のうちの国宝「諸尊仏龕」↑と
東寺の国宝「不動明王」↓が欲しいと思いながら鑑賞。

とにかく観て楽しい展覧会でした。是非ご覧ください。

特別展「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」
会場:奈良国立博物館 東・西新館 
会期:2024年4/13(土)~6/9(日) 
   前期4/13~5/12 後期5/14~6/9
開館時間:9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで) 
休館日:月曜日、5/7(火)
※但し4/29(月・祝)、5/6(月・休)は開館

2024年4月14日日曜日

業務連絡*

本日4/14開催の、奈良倶楽部のイベント
「修二会に奉納の灯芯についてのお話と灯芯引き体験」にご参加の皆様へ。開場時間は 13:15からで、スタートは13:30になります。

灯芯保存会さん、小綱の堀池さんとも打合せが済んで、私達が普段目にすることのないめずらしいものもお持ちいただけるようで、主催者も楽しみにしているところです。

奈良倶楽部の駐車場は関係者で満車になっていますので、近隣のCPをご利用いただきますよう、どうぞよろしくお願いします。

2024年4月13日土曜日

4/20「奈良のトビラ」平城宮跡に常設店OPEN

大阪あべのand、東京渋谷ヒカリエで大人気を博した「奈良のトビラ」
4月20日から 地元奈良に常設店がOPENします!!
場所は平城宮跡いざない館!


常設店開店に伴い、これから月いちのマンスリーイベントが開催され、第一回は、年末から土砂崩れで通行止めになっている下北山村応援イベントが行われます。
◆「奈良のトビラトークイベント」10:00~11:30 / 1500円
 下北山村の職員さんによる村の今のお話。甘酒1本プレゼント。 

◆「下北山村 ツチノコトーク」14:00~15:30 / 3000円
 ツチノコ共和国を作った野崎さんによるツチノコのお話。お土産付

◆「杉の葉を使ったワークショップ」12:00~/13:30~/15:00~ / 2500円

◆「つちのこキーホルダー作り」10:00~16:00随時参加OK / 500円

申込はこちらから、よろしくお願いします。
またチラシのPDFはこちら

そして、同じ「いざない館」にて
『元明天皇展リターンズ』が4/13から6/16まで開催されています!
こちらもどうぞご覧くださいませ!

2024年4月12日金曜日

「尾花deキネマ」と名残の桜

ホテル尾花さんの「尾花deキネマ」 

なら国際映画祭の一事業として上映されてきた「ならシネマテーク」を継承するかたちで、この4月から月いち映画上映「尾花deキネマ」が、ホテル尾花の主催で始まりました。
4月は「葬送のカーネーション」
トルコ・ベルギーの映画で、監督は小津安二郎を敬愛するベキル・ビュルビュル。次世代の才能と評されています。

映画のあらすじや上映日時などはこのブログの下段に書いてますが、上映後に中野聖子さんによるナビゲートで理解も深まり、民族や宗教による文化の違いをあらためて知る機会でした。
出演された12歳の女の子が実際にシリア難民だということ、トルコはシリアから350万人以上もの難民受け入れをしていること、祖父役も難民からとい監督の希望だったが70歳以上の難民はほとんどいないという現実から見えてくるものにも考えさせられました。

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いいお天気だったのと奈良公園の桜の様子も気になるので、少し早い目に家を出て、道中の名残の桜巡りもしてきました。

大仏殿裏の「おかっぱ桜」は満開。

飛火野の桜はもうほとんど葉桜に。



これから新緑が眩しい季節になるのでしょうね。

浮見堂もソメイヨシノやナラノココノエザクラは葉桜になっていたり満開を過ぎていたり、一本だけ綺麗な桜を見ることができました。
そして荒池越しに興福寺五重塔。

来年は桜に包まれた五重塔の姿は見られないかもしれませんね。

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「葬送のカーネーション」あらすじ
荒涼とした冬景色のトルコ南東部。年老いたムサは、亡き妻の遺体を故郷の地に埋葬するという約束を守るため、 棺とともに旅をしている。紛争の続く場所へ帰りたくない孫娘のハリメだったが、親を亡くし、仕方なく一緒歩いている。旅で出会う様々な人たちから、まるで神の啓示のような[生きる言葉]を授かりながら進んでゆく。 

上映日時:
4月12日(金) 11:00- / 14:00- / 17:00- / 19:30-
4月13日(土)11:00- / 14:00- / 17:00-
4月14日(日)11:00- / 14:00-
会場:ホテル尾花 (奈良市高畑町1110 tel:.0742-22-5151) 
料金:800円(奈良市民、その他割引価格)一般1000円
予約:ホテル尾花受付
定員:60名

「月いち上映」ですが、5月はホテルが修学旅行シーズンでお休み。
次回は6月28日(金)29日(土)30日(日)開催です↓



2024年4月10日水曜日

奈良市鴻ノ池運動公園でお花見*

奈良俱楽部から歩いて20分の鴻ノ池陸上競技場の公園。
今は命名権を持つ ロート製薬の「ロート奈良鴻ノ池パーク」という名称ですが、こちらの公園へ、あまりのいいお天気に誘われてお弁当持ってワンコのお散歩がてらのお花見に行ってきました。






桜はそろそろ散り始め。
でも遠目にはまだ充分綺麗で、いいお花見ができました。

おまけの画像>>
幸せな犬と飼い主ですね。

濃い紅色の八重桜がこれから咲き始めでした。