山本一郎(やまもといちろう)

普段はザンギエフを使っています。オークランド・アスレチックスのファン。1996年慶應義…

山本一郎(やまもといちろう)

普段はザンギエフを使っています。オークランド・アスレチックスのファン。1996年慶應義塾大学法学部政治学科卒、23年新潟大学修士(法学)、一般財団法人情報法制研究所/事務局次長・上席研究員。専門は統計分野、社会調査、制度設計と、投資実務および置物系コンサルティング業務全般。

最近の記事

【告知】5月29日、プライバシーフリーク・カフェで個人情報保護法改正議論やプラットフォーム・違法広告関連のまとめ放談会やります!

 あの『プライバシーフリークカフェ(PFC)』が帰ってきた!  最近いろんなお役所や政党に行くと「お前ら最近静かだけど、何か悪いもの食ったの」とか半笑いで煽られるわけですよ。ムカつきますよね。  俺たちだって頑張って生きているんだという生存証明を兼ねて「我を斬れるものはおるか」「ここにいるぞ」の精神でプライバシーフリーク・カフェを定例会合とするべく開催したいと思います! 思います!  登壇するのはそっち方面の法曹界の鬼才にしてグラビア評論家の板倉陽一郎先生、喋り出したら

    • 東京15区乙武洋匡(周辺も)頑張ってたよという話と今後の政治見通しについてのまとめ

      はじめに  4月28日に行われた衆議院3補選に関しては、島根1区長崎3区も東京15区も三者三様構造が違って面白かったなあという風に思います。今週で概ね振り返りや報告・反省会もひと段落して次の大型選挙対策へといった段取りになっていくところですので、今回は(問題のない範囲で)東京15区について振り返りながら、解散があるかもしれない現在の政治状況について考察します。長いよ。 東京15区で何が起きていたのか  今回の15区は公示前の情勢調査(2回)の結果からすると、投票率こそ予

      • 選挙妨害つばさの党ガサ入れの奥深さを知るための補助線

         警視庁が公職選挙法違反の疑いでつばさの党の本部や、代表・黒川敦彦さん、幹事長・根本良輔さんの自宅などを家宅捜索したニュースが出ました。  つばさの党もいったい何しとんねんという感じもしますが、GW明け早々(5月8日ないし10日)にもガサ入れするという方針が伝わってきておりましたので、機動隊の配置も含め割と慎重にやったんだなという感じも致します。というのも、一部情報でつばさの党本部や某邸では関係する反社会的勢力が武器等を準備しているという怪情報もあったため、組織的な抵抗や

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        • 月刊『公明』24年6月号に「退縮する地方で取り組む撤退戦」について寄稿しました

           初めてご依頼を戴いたときに、思わず「え、私でいいんですか」って訊き返してしまった案件です。 https://komeiss.jp/ 公明党支持に至る経緯  国重徹さんという公明党の議員さんがおられまして(大阪5区)、ちゃんとお会いしたことは無いんですが、妹さんが若くして急死、ご尊父もがん闘病中に司法試験合格、その後刑事事件の弁護で名を馳せ、現在は議員として活躍というヤバい先生なんですよ。ヤバイ。まともすぎてヤバイ。  東京に生まれ育ち、住んだ選挙区ではどちらかという

        【告知】5月29日、プライバシーフリーク・カフェで個人情報保護法改正議論やプラットフォーム・違法広告関連のまとめ放談会やります!

          【映画】『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)』を観に行った感想(後半ややネタバレあり:追記あり)

           戦争で母親を失った平和主義者が、人でごった返す観光地へセスナに乗せた大型爆弾を落としに行く映画があるというので『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)』ってのを家族で観に行ってきました。  本当はオッペンハイマーを観に行くつもりだったんですが、どうしてこうなったんでしょう。  最終的に探しているお宝の場所は普通に函館市や北海道管区の自衛隊が把握してそうな場所でしたし、壮大な迷惑をかけてまでみんなで探し回るほどのものでもなかったのかなと思ったりも

          【映画】『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(100まんドルのみちしるべ)』を観に行った感想(後半ややネタバレあり:追記あり)

          「国公立大学の学費を三倍に」慶應義塾塾長・伊藤公平君の騒ぎに関する補遺

           慶應義塾塾長の伊藤公平さんが中教審で掲載した文章が炸裂しており、話題になっておりました。どちらかというとネガティブな反応の方が多かったかと思うのですが、思うところが多々あり、勝手ながら文春オンラインで記事を書いたところ、コアな文教政策記事にもかかわらずランキング入りして十万単位の読者からさまざまご反響を戴いてビックリであります。  みんな興味があったのね。 大学教育の多様化に向けて https://www.mext.go.jp/content/2020327-kouto

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          「国公立大学の学費を三倍に」慶應義塾塾長・伊藤公平君の…

          滅びゆく地方での雑感

           定常的にやっている業務でご一緒している先から公開していいというのでJBpressで玄人向けの記事を書きました。  あんまり土地勘のないところに地方巡業しても疲れる割にたいしたことが分からないんじゃないかと思って島根とか足を向ける機会も無かったんですが、担当するはずのジジイが突然辞職しやがったので仕方なく穴埋めに行ったらこれがまた面白い。聞く力(ちから)スキル発動!  で、記事にも書いたんですが、島根県の有権者、お年寄りがとても多いんですけど皆さんよく政治の状況をご存知で

          鈴木わかな裁判長が東京地裁で北村紗衣と雁琳との訴訟判決ですごくすごい感じのやつをぶっ放していた件

           最高に興味深い地裁判決が出ていたので見物に行きました。 http://www.mklo.org/mklo/wp-content/uploads/2024/04/ffdd5b80e78c62b11a9a19dbd8ffa153.pdf  武蔵大学の北村紗衣さんが雁琳(山内翔太さん)を名誉棄損で訴えていた件、本件不思議な判決をお捻り出しになられた鈴木わかな裁判長は司法修習の同期(53期)に本件原告代理人の神原元さんがおられ、最高裁判所へのご栄転が決まっています。  判決に

          鈴木わかな裁判長が東京地裁で北村紗衣と雁琳との訴訟判決ですごくすごい感じのやつをぶっ放していた件

          公証制度(公証役場、公証人)を使った適法性確認とかいう与太話について

          はじめに  さっき木曽崇さんと副島雄一さんが私的な賭け事についての契約書面の公証のため公証役場にぶっ込んだところ、門前払いされるという珍事がありました。  面白いので見てましたが、一時の娯楽に供する罪に問われない賭け事に関する契約の私署証書認証を取りに行った話なので、ひょっとしたらいったんは受け取り後の審議あるかなと思いきや門前払いでしたね。  公証人法26条による拒否は理由書を作ることになりますが、ただ本件では「法令に違反した事項」に該当するかどうかは裁判例から引っ張

          公証制度(公証役場、公証人)を使った適法性確認とかいう与太話について

          山本一郎、ついに家業の一部から足抜けする

           4月5日付で、いままで関係していた産業廃棄物関連や運送の仕事、計7社から降ろさせていただくことになりました。2026年3月までは資源関係だけのお付き合いとなろうかと思います。関係先の皆さまには、いままでの長らくのお付き合いについて深い御礼とともに、この後のご清栄を心よりお祈り申し上げます。  本当は昨年で契約満了と共にすべて終わるはずが、皆さんご存じのように働き方改革で当業界も激震に見舞われることを見越して諸事対応に追われる中、業界事情を知る人間は私のようなパートタイム経

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          【書評】小林製薬紅麹死亡事件があったからこそ読んでおきたい『教養としての発酵』

           今日いまほど小林製薬の紅麹関連のサプリで、紅麹菌の中のシトリニンと見られるカビ毒も含む何らかのコンタミが発生して思い腎臓疾患から2件目の死亡事故が発生する騒ぎがありました。  2010年、小林製薬が全ゲノム解析の報告として紅麹菌(Monascus pilosus)においてこのシトリニンを産出させない株を持っているような話をしておりました。世界的に市場規模が大きい高脂血症の治療効果が見込めるスタチン系薬ロバスタチン(モナコリンKなど)を生成するこの紅麹菌で小林製薬がこれらの

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          河野太郎の再生エネルギータスクフォース(内閣府)で元活動家構成員が中国企業の資料で政府への提言取りまとめ

          そもそも何が起きたのか  内閣府に設置されている、再生エネルギータスクフォース(以下、再エネTF)において、次期再生エネルギー調達にかかる固定買取価格(FIT)を政権に対して提言するにあたり、再エネTFの構成員の何者かが中国国営の送電企業の『国家電網公司』の資料を流用し、その電子透かしが資料にそのまま掲載されていたことが発覚した事件です。 https://web.archive.org/web/20240323041756/https://www8.cao.go.jp/k

          河野太郎の再生エネルギータスクフォース(内閣府)で元活動家構成員が中国企業の資料で政府への提言取りまとめ

          パワハラ訴訟で勝利的和解

           22年10月に、パワーハラスメントでコンサルティング先の、その取引先に勤める女性幹部氏から某地裁で訴えられるという珍事がありました。  しかも、ついでにくっついていた求める賠償というのがそこそこビッグであり、福永活也200人分だったうえ、刑事告訴も辞さず的な内容だったので馬鹿じゃねえのと思っていたわけです。  そのコンサルティング先は私にとってはダイレクトにクライアントになりますが、幸か不幸か長年のお付き合いの中でずっと起用してくださっているのもあって、今回の件では法務

          パワハラ訴訟で勝利的和解

          売れるネット広告社の加藤公一レオさんが大騒ぎした件について

           売れるネット広告社というよりは喰えぬネット広告社気味になっていますが、ネタが身近なところに着弾していたので興味深く見物していました。  伝え聞くところによると、ADK九州からやずやなどのクライアントを連れて独立したという武勇伝があったり、A/Bテスト云々よりもメールアドレスなどの連絡先を置くなと指導していたり、なかなか素敵な会社さんであります。  問題は、今回スタートアップメディアの「SUAN」に余計な記事を書かれて加藤公一レオさんがムカついたのか、普通に違法なIRリリ

          売れるネット広告社の加藤公一レオさんが大騒ぎした件について

          「看護師を描けと言われたら女性として生成するAI」は男女のジェンダー偏見問題があるのか

           一般的には、データが多く出回っているものをAIが学習するので、そのデータがもともと偏見を根拠にしていたらAIも偏見に基づいたアウトプットをします、という問題ですね。  しかし、先進的なはずのAIが、人間の生活において長らく因習づいてきた偏見やステロタイプを学習してしまい、先進的なポリコレに抵触するというのは学習させる範囲をどうするかという永遠の課題に直面します。  例えば、アメリカのニュース媒体などがOpenAIに対して起こしている訴訟もある一方で、日本国内のAI規制関

          「看護師を描けと言われたら女性として生成するAI」は男女のジェンダー偏見問題があるのか

          特に犯罪を犯してないけど性的衝動を持つおっさんはどこへ向かうのか(日本版DBS法への懸念)

           しょうもない方向で着地をしそうだと聞いて、みんなで首をひねっていたわけです。どうしてこうなった。  「性犯罪歴なくても配置転換」というのは、事業者が雇っている人物(男性女性を問わず)が、子どもを対象にした性犯罪を犯す合理的な恐れがあると判断された場合には、子どもと直接かかわる仕事から外しなさいという義務を課す形で進むと思うんですけれども…。  これ、法制局通るんでしょうか。  特に「性犯罪者は再犯率が高い」という俗説は裏付けが乏しい一方、世間的には再犯率の高い性犯罪者

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