NeverAwakeMan

主にゲームや映画について書きます。時々翻訳します。 連絡先:perversegod@g…

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主にゲームや映画について書きます。時々翻訳します。 連絡先:perversegod@gmail.com

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NeverAwakeMan寄稿目録

2022年から、俺はゲームのレビューを寄稿するようになった。詳細は省くが、この拙い文をそれでも気に入ってくれた人がいたのだ。なのに今の今までここで大っぴらに宣伝してこなかったのは……まあ、商業っぽさとかそういうニオイを出すことに多少の気後れがあったからだ。 とはいえ、文を書いて金が転がり込んでくるのは嬉しい。承認欲求と財布が同時に満たされて二倍嬉しい。もっと書いてもっと金が入って夢の売文業になればいい。けれど、俺の筆の遅さと無手勝流文体を考えると、セガが新ハードを作るくらい

    • 【翻訳記事】いまや誰もがセルアウト

      レベッカ・ジェニングスによるVoxの記事より翻訳。 レイチェル・ケイ・アルバースが自作を売り込むと、ビッグ・ファイブ(訳注:アメリカの出版業大手の五社。ペンギン・ランダムハウス、ハーパーコリンズ、マクミラン、サイモン&シュスター、アシェット・リーブルのこと)に勤める編集者は彼女のアイデアを気に入ってくれた。だが問題はマーケ部門からやってきた。アルバースには十分なSNSフォロワーがいないという問題が。 あらゆる書籍、とくにノンフィクションで顕著なことであるが、これまでの作品

      • 雑記:咳、胃液、セルアウト

        年明けに風邪をひいた煽りで、喘息が再発している。俺とこの病気とは長い付き合いだ。 いつもの吸入薬を処方してもらってしばらく快方に向かったものの、薬を切らした途端にじわじわと悪化し、3月に入ってもなお酷くなる一方だ。しかも今度は、薬を吸おうが飲もうが啜ろうが一向によくならない。仮想通貨よりも乱高下が激しい気温のせいか、花粉で鼻がやられて口呼吸が増えているせいか、そのすべてか。これを書いている今も、2分に一度くらいのペースでゴホゴホゲホゲホとひとしきり咳き込んだりえずいたりして

        • 雑記:RPGシーズン到来

          俺はアクションゲーマーを自認している。反射神経を張り巡らせ、正確にボタンを押し、暴虐的なコンボを決めるのが俺の得意とするところである。テクノロジーの発展著しいこのご時世、キビキビとしたアクションゲームこそが本来あるべきモダンなゲームだと言って憚らない。いやちょっとは憚れ。 それとは逆に、自分のターンがやってくるのをチンタラ待ったりチマチマとレベル上げに勤しんだりするコマンドRPGは年々苦手意識が増していくジャンルだ。口を開けばやれ「コマンドRPGは老人向け」だの「アクション

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        NeverAwakeMan寄稿目録

          【翻訳記事】超富裕層を生み出すモノポリー

          コリイ・ドクトロウによる以下の記事より翻訳。 今年のダボス会議(訳注:2024年1月15日–19日)と時を同じくして、公正な課税と反企業を掲げるアクティビストグループから合同で「収益ではなく収奪:独占企業が世界の権力と富の分配を支配する方法」というレポートが提出された。 誰もが──世界経済フォーラムでさえ──富の不均衡は深刻な問題であり、人々の政治と社会的な団結を侵していると述べている。このレポートで取りざたされているのは、世界を破壊している億万長者を生み出す企業独占と、

          【翻訳記事】超富裕層を生み出すモノポリー

          【翻訳記事】AIによる自動化が労働者にもたらす真の脅威とは

          コリイ・ドクトロウによる以下の記事より翻訳。 AIを巡っていま過熱している話題よりずっと以前に、我々は誤解を招くようなストーリーにより自動化の恐怖を植え付けられてきた。覚えているだろうか?「トラック運転手はアメリカでもっともありふれた仕事だ。そして自動走行するトラックはまもなく登場する。ロボットが彼らの仕事を奪ってしまったとき、大勢いるアメリカのトラック運転手たちが怒れる暴徒へ変貌してしまうのを止める方法はあるだろうか?」といったストーリーを。 これは完全にナンセンスだっ

          【翻訳記事】AIによる自動化が労働者にもたらす真の脅威とは

          私家版ゲームオブザイヤー2023

          いきなりだが、お詫びと訂正をしなければならない。 昨年のゲームオブザイヤーを書いたとき、俺は「2022年はゲームの当たり年だ」と書いた。なにしろ、『エルデンリング』があり『SIFU』があり『ゴッドオブウォー:ラグナロク』があったのだから。ゲーマーとして……特にアクションゲーマーとして、これ以上は望むべくもない豊かで幸福な年だと思っていた。 申し訳ないが、この言葉は間違っていた。改めて書き直そう、2023年こそがビデオゲームの特異点、ゲーム史に残るべき真の当たり年であると。

          私家版ゲームオブザイヤー2023

          雑記:忘却に抗うために書け

          こちらの記事に寄せて。 noteであれブログであれ、自分の思ったことを一通りの文章にまとめるというのは大変だ。とりわけ、筆が遅い俺などは毎度苦労している。アイデアをまとめてから実際に書き始めるのも遅ければ、書いた後に細かい文法や語順を直したりするのですごく時間がかかる。その時間があれば他になにができただろう?……考えるだけで恐ろしい。あなたがいま寝ぼけながら半分読み飛ばしているこの文章とて、俺にとっては鼻からスイカを出すくらいの力でなんとかかんとかヒリ出しているものなのだ。

          雑記:忘却に抗うために書け

          雑記:姫騎士おじさんとフクスケヤクザと如く味

          ここ一週間ほど『龍が如く7外伝』を遊んでいた。 今作では主人公はふたたび桐生ちゃんこと桐生一馬になり、龍が如く7の裏で起こっていた出来事が描かれている……らしい。らしいというのは、俺が龍7をやっていないからだ。食わず嫌いなのはわかっているが、龍7で採用されたようなコマンドRPGはあまり得意でもなければ好きなジャンルでもなく、どうも手が出にくい。そこへいくと、今作は伝統のヤクザアクションへと回帰しているので安心して楽しめるというものだ。 といっても、龍が如くのアクション部分

          雑記:姫騎士おじさんとフクスケヤクザと如く味

          決勝に立ち、頂点を狙う - 『THE FINALS βテスト』

          バトロワが、好きではない。 いや、好きだったこともある。『フォートナイト』はまだ日本語版がないときから遊んでいたし、『APEX』もランクマが実装されたあたりまでは結構のめり込んでいた。『WARZONE』もそれなりに楽しませてもらった……が。 人は飽きる生き物だ。 15分かけて必死に集めた豪勢な装備が、まずい会敵の仕方をしたばかりに30秒で水の泡になった。自分が下手だから負けたのか運が悪かったから負けたのかもわからずじまいだった。そういう経験を繰り返しているうちに、俺はバ

          決勝に立ち、頂点を狙う - 『THE FINALS βテスト』

          そみ先輩はともだち - 『サイバーパンク2077:仮初の自由』

          嘘をついていてごめんなさいと、死にかけのサイボーグ女はうわごとのようにつぶやいた。大きなため息が出て、すぐに怒りがふつふつと湧いてきた。クソアマ、三枚舌、疫病神。あらゆる悪態が脳裏によぎる。俺には彼女の裏切りが許せなかった。なにしろ、これは俺自身──Vの命がかかったヤマだったのだから。 けれど、怒りはすぐに呆れに変わり、呆れは諦めに変わった。怒るには遅すぎるし、殺すには無益すぎる。愛銃の引き金に指がかかるのを必死に我慢しながら、俺は月面都市行きのシャトルへと向かった。ナイト

          そみ先輩はともだち - 『サイバーパンク2077:仮初の自由』

          【翻訳記事】AmazonはいかにしてEUを計画経済へ変貌させたか

          コリイ・ドクトロウの記事より翻訳。 メタクソ化(enshittification)の喩えとして、Amazonは完璧だ。メタクソ化とは、まずエンドユーザーを囲い込めるよう彼らに金をバラまき、それからエンドユーザーを犠牲にして取引相手にいい思いをさせて囲い込み、そのあと自らのために可能な限りすべての金を手元に戻し、囲い込みを続けられる最低限の価値だけを残しておくプロセスのことである。 企業の社会的責任を調査するNGO、SOMOの新しい報告で、マルガリーダ・シルヴァはAmazo

          【翻訳記事】AmazonはいかにしてEUを計画経済へ変貌させたか

          未知なるゲームをフェスに求めて

          俺は疲弊していた。 アーマードコア6でものすごく興奮し、スターフィールドに心底ガッカリし、ピノキオに怒りの雄叫びをあげ、新生サイバーパンク2077とそのDLC『仮初の自由』でふたたびものすごく興奮する。この一か月近くというもの、ネガ/ポジの両極端に情緒が振り切れる日々を過ごしていたのだから、疲れるのも当然だ。サウナと水風呂は気持ちいいけれど心臓に悪い。 秋が来ると飽きが来るなんて寒い駄洒落だけれど、実際この時期は8月9月の大作ラッシュをなんとかさばいては毎年ヘロヘロになっ

          未知なるゲームをフェスに求めて

          ドールにソウルは宿らない - 『Lies of P』

          カルマだ。このゲームを遊んでいてそう思った。 アーマードコア6でゲーマーの本懐ともいえるような心底楽しい思いを味わったぶん、死神が帳尻を合わせにきたのだと思った。幸福と苦痛の収支をトントンにするべく、ゾッとするようなつまらないゲームで俺をメチャクチャにしにやってきたのだと。 その死神は人の姿をしているように見えた。しかし違った。見てくれこそよく似ているが、それは魂を持たない虚ろな人形だったのだ。 死神の名は『Lies of P』という。この秋大本命の新作ソウルライクゲー

          ドールにソウルは宿らない - 『Lies of P』

          雑記:アーマードコア6を3周すると自分自身がメタになる

          アーマードコア6を3回クリアし、俺は星を見るひとになった。今は全ミッションSランクを埋めつつ、フォトモードで遊んだりしている。 このゲームはマルチエンディングで、トゥルーエンドに到達するには都合3周する必要がある。とはいえ、そこに退屈さはない。周回を重ねるとまったく新しいミッションが追加されたり、同じミッションに違う展開が追加されるからだ。一周目であんなに苦労したボスを余裕でシバいたり、前回は虐殺気味にクリアできたミッションを今度は虐殺される側について戦うようになったり、思

          雑記:アーマードコア6を3周すると自分自身がメタになる

          おまえは今すぐアーマードコアに乗りルビコンへ行け

          よく来たな。おれはNeverAwakeManだ。おれは毎日すごい時間ゲームをしたり映画を観たりして、ときどき気がふれたようにテキストを書いている。 つまり、おれはアーマードコア6を発売初日の0時からブッ通しで5時間プレイしてフラフラになり、むさぼるように一周目をクリアし、最高潮に達したテンションでPC版も買い、二度目の一周目をクリアしたということだ。10年ぶりに復活したアーマードコアーのあまりのおもしろさにおれは圧倒され、深くおののき、思わずつぶやいた。G.O.A.T.A.

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