さとなお(佐藤尚之)

コミュニケーション・ディレクターです。 さとなお名義で食やエッセイの本、佐藤尚之名義…

さとなお(佐藤尚之)

コミュニケーション・ディレクターです。 さとなお名義で食やエッセイの本、佐藤尚之名義で広告関係の本を書いています。最新刊は『ファンベース』(ちくま新書)。 1995年から個人サイト「さとなお.com」を運営しています。

マガジン

  • 明日の言葉

    いままで生きてきて、自分の糧としてきた言葉がいくつもあります。それを少しずつ紹介していきます。

  • アート&イート

    ぶらりと美術館に寄って、周辺の店でうまいもんを食べる。楽しく豊かなことだけど、ボクにとっては、どこかリハビリに近いこと。 食物アレルギーになってから、それまで生き甲斐にしていた「食と旅」が、逆に苦痛になってしまった。でも、ずっと「食と旅」から目をそらして生きていくわけにもいかない。あんなに好きだったんだから、きっとまだ人生の楽しみであるはずだし、なるはずだ。 3年かけて美術検定1級も受かったことだし(2021年)、「美術館巡り」を目的に、「レストラン巡り」を無理矢理組み合わせて、もう一度、東京や地方を旅してみよう。レストランにも行ってみよう。魚や和食以外を美味しく食べて、楽しんでみよう。 アート&イート。 そんな、超個人的「リハビリ・エッセイ」です。

  • アートのお勉強

    アートをもっと包括的に知りたい、という思いから、いろいろと勉強を始めました。その経過をちょぼちょぼと書いていきます。

  • ファンベース

    ファンベースのこと、マーケティングのこと、クリエイティブのことなど、少しずつ書いていこうと思います。

最近の記事

バー開業顛末記④「ライフワーク & DIE WITH ZERO」

※ バー開業顛末記を最初から読みたい方はこちらから。 さて、お金の話である。 考えないといけないのはざっと2種類。 初期費用・・・賃貸の頭金(数百万)と内装工事費用(数百万)。 運営費用・・・家賃(毎月数十万)と諸経費。 これらをどう考えるか、だ。 すでにボクの中でこのバーは「ライフワーク」とか「生き方」くらい大きなことになりつつあった。 まぁ今後バーを死ぬまでやり続けるかどうかは正直わからない。 でも、「ちょっとお店を始めてみましたー」的なノリでは決してない。「

    • バー開業顛末記③「変わりゆく家族の風景」

      ※ バー開業顛末記を最初から読みたい方はこちらから。 さて、「会いに行けないから、会いに来て」というコンセプトと、その方策として「バーをやる」という考えは自分の中で定まったが、そのためには「家族の理解と協力」が必須になる。 まず、それなりの金額が必要だ。 初期費用(賃貸の頭金と内装工事費用)と運営費用(家賃と諸経費)。 貯金を切り崩すにしても話し合いが必要だし、バーが毎月赤字になっていったら佐藤家の将来設計にも関わる。 もちろんお金だけじゃない。 毎晩のようにバーのカウ

      • バー開業顛末記②「トーク・ライフ・バランス」

        前回の「開業顛末記①」を読んで、こんな疑問をもたれた方もいらっしゃるかもしれない。 ・そんなに友人に会いたい? ・開業資金はどうすんの? ・いやいや素人がそんな動機でやれるほど飲食店は甘くない ・つか、本業の仕事はどないすんねん? まったくその通りで。 ボクもいろいろ悩み、考えた。 62歳という年齢と体力。 大きめの負債を抱える身(次回以降にて)。 まったく未経験の飲食業。 仕事面でも、取締役会長としてメンバーたちと夢を共有している大切な会社「ファンベースカンパニー」

        • バー開業顛末記①「会いに行けないから、会いに来て」

          6年前の今日、2018年3月23日。 行きつけだった大好きなイタリアンで「鯖のマリネ」を食べた。 アナフィラキシー・ショックを起こした。 その日の夜中に救命病棟に運ばれた。 ギリギリだった。血圧は上が60で下は20まで下がった。 人生初めてのアレルギーだった。 その夜を境に「海の魚介類」を食べることを禁じられた。 アレルゲンはアニサキスという寄生虫。 アニサキスでお腹が痛くなるのは「アニサキス症」。ボクのはそれを飛び越えて「アニサキス・アレルギー」というものだった。 ア

        バー開業顛末記④「ライフワーク & DIE WITH ZERO」

        マガジン

        • 明日の言葉
          44本
        • アート&イート
          6本
        • アートのお勉強
          106本
        • さとなおオープンラボ
          1本
        • 4th
          9本
        • ファンベース
          8本

        記事

          リスナーたちの「孤独の連帯」が本当に温かかった。オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム

          昨晩、『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』に行ってきた。 最近の東京ドームは、コールド・プレイ、ブルーノ・マーズ、ビリー・ジョエル、テイラー・スウィフト、クィーンなど、ほんとすごい流れだったのだけど、ボク的にはどれも羨ましくなく(強がり)、この日をじぃっと待っていた。 最終的に19万人が申し込んだという抽選に1回目で当たり、スタンド1階席ほぼ中央前から8列目。運を使い果たしたな。 つか、ほぼ最年長リトルトゥース。周りは20代30代40代で溢れてた。

          リスナーたちの「孤独の連帯」が本当に温かかった。オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム

          自炊って、「自立」だし「自由」だし「自信」なんだな。

          5年前に突然厄介な食物アレルギーになって、外食も旅も家族との食事もままならなくなり、いつしか「食」から目を背けるようになってしまっていた。 「食」はつらいもの。 常にボクを落ち込ませるもの。 あんなに愛して、あんなに楽しんで、レストランガイドを主宰したり本を何冊も書くくらいは得意分野であったのに。 まぁ愛が強すぎた分、必要以上に目を背けていたんだと思うけど。 そんなある日、「一日3回ある食事に対してこんなにネガティブでは、さすがに人生的にあかん!」と深刻に反省し、「食の

          自炊って、「自立」だし「自由」だし「自信」なんだな。

          今年の1月、KANの"ラスト”ツアーに行ったんだ

          KANさんが亡くなった。 たまたま今年2023年の1月10日に、KAN BAND LIVE TOUR 2022【25歳】に行った。25周年ライブ@お台場ZEPP DiverCity Tokyo。 本当は去年の12月2日のライブだったんだけど、KANさんがコロナに罹り、1ヶ月延期しての振り替えライブだった。 この2ヶ月後の3月18日に、KANさんはがんを公表した。 そして今日。 同じ年の11月17日。 KANさんの死が公表された。 亡くなったのは11月12日。 そうい

          今年の1月、KANの"ラスト”ツアーに行ったんだ

          もうそこだけ目指せばよくない?

          『グッドライフ』という本をSNSなどで褒めていたらPOPの推薦文の依頼が来たので、書きました。 たとえばFBではこんな風に褒めてます(リンク先、FBやってなくても読めます)。 とはいえリンク先に行かない人も多いので、ここにFBの文章を貼り付けますね。長いけど。 ※上記のTEDのスピーチはこちら。 いやホント、ハーバードにおける84年間に渡る研究で「幸せな人生を送るたったひとつの原則は『よい人間関係』に尽きる」と科学的に解明されているのであるのなら、もうそこだけ考えてい

          もうそこだけ目指せばよくない?

          「人生は勝てることなんてほとんどなくて、だいたい負け」

          今年の夏の甲子園。 決勝で慶應義塾高校に負けて準優勝した仙台育英高校。 その監督をした須江航監督(40歳)についてのいい記事があったのでご紹介。 須江監督の去年の言葉「青春って、すごく密」は流行語大賞にもノミネートされましたよね。 今年も名言を残しています。 そして、この記事の中にもいろいろ名言が(40歳とは思えないw)。 一つ目の「なにか失敗したり、理想がだめだったりした時、人生が好転しはじめる」、というのも「明日の言葉」に残したいけど、今回ボクが一番グッときたの

          「人生は勝てることなんてほとんどなくて、だいたい負け」

          帯状疱疹ワクチン(シングリックス)を打ってきたよ

          打とう打とうと思いつつ先延ばししてきたんだけど、帯状疱疹ワクチン、ようやく打ってきました(1回目)。 「シングリックス」の方を打ちました(いわゆる高価な方)。 上腕部への筋肉注射で、「コロナワクチンより副反応あるよ」と聞いていたので予想はしていたのだけど、コロナワクチンの副反応が皆無だったボクでも腕の痛みや悪寒、だるさなどが出ましたね。 そもそも打てるのが50歳以上、ということで、若い人には関係ないかもしれないけど、すこしだけ報告します。 まずは「帯状疱疹とは」につい

          帯状疱疹ワクチン(シングリックス)を打ってきたよ

          矢野顕子と坂本龍一。「千のナイフ」「ひとつだけ」「ごはんができたよ」

          夏の矢野顕子トリオ恒例「ブルーノート・ライブ」に初めて行ったのは2009年。 それからコロナ期以外は全部行っているのかな(数回抜けてるかな)。 でも、気持ち的には毎夏行っている気分だから、もう14年行っている。 いや、行っているというより、連れて行ってもらっている、かな。 アッコちゃんの大ファンである中島夫妻が毎年チケットを押さえて誘ってくださった。 今年は違う仲間たちと行ったのだけど、また中島夫妻ともご一緒したいなぁ。 さて。 今年は、ご存知の通り、坂本龍一が亡くなっ

          矢野顕子と坂本龍一。「千のナイフ」「ひとつだけ」「ごはんができたよ」

          連続ラン1500日突破!

          まぁボクの場合、ランというより走禅なのだけど(座禅ならぬ走禅)。 走り始めたのは2019年7月13日。 その年の3月23日の夜に突然アニサキスアレルギーになり、魚介やダシがすべてNGになり、人生最大の趣味だった「食」をほぼ失った感じになって、あまりにつらいから「もっとつらいことをしよう!」と、人生で一番嫌いだったランを始めた。 わけわからないよねw ボクもそう思う。 でも、そのくらいつらかった、ということだと思う。 ただ、そのときはまだ「治るかも」と希望をもっていた。

          連続ラン1500日突破!

          【アート&イート #6】 「池内晶子展」からの、府中『鳥はる』で焼き鳥 @府中市美術館

          今回は、まずは数枚の写真(ウェブ上にあったものを拝借)を見てください。 そして「おぉ〜!」と何か感じたら、府中まで見に行った方がいいのではないかな。 ボクは「おぉぉぉぉ〜〜〜!」と思ったので、迷わず府中市美術館まで行ってきた。家から府中はかなり遠いのだけど、まぁ小旅行気分でゆるゆると。 行ったのは、「池内晶子 あるいは 地のちからをあつめて」という美術展。なんか写真を見ると浮いている感じだけど、「地のちから」ってなんだろう、と思いながら。 この美術展、池内晶子さんの美

          【アート&イート #6】 「池内晶子展」からの、府中『鳥はる』で焼き鳥 @府中市美術館

          【アート&イート #5】 「民藝の100年展」からの、神保町『ガヴィアル』で欧風カレー @東京国立近代美術館(竹橋)

          「民藝(みんげい)」って聞いて、どんなイメージを思い浮かべます? ボクはね、なんだろ、たとえば唐津焼みたいな素朴な焼き物のイメージかなぁ。 というか、あまりちゃんと考えてこなかったなぁと思う。 美術検定の勉強をしている中で、民藝運動の話は当然出てくるんだけど、柳宗悦の名前も「ヤナギソーエツ」と読んでいたくらいで(本当はヤナギムネヨシ)、ま、なんか地味でダサくて田舎臭いイメージしかなく、そんなに興味もなかったんですよね。 だから、この「民藝の100年」展も、実はそんなに

          【アート&イート #5】 「民藝の100年展」からの、神保町『ガヴィアル』で欧風カレー @東京国立近代美術館(竹橋)

          【アート&イート #4】 「奇想のモード展」からの、目黒『BONDS』で赤ワイン(からの、ピンクレディ) @東京都庭園美術館

          さて、「アート&イート」の4回目。 今回は、目黒にある東京都庭園美術館の「奇想のモード」だ。 「奇想」って言葉、一般的にはあまり使わないよね。 でもアート界隈ではこの言葉、わりと普通に使う。 その理由は、1970年に発売されたこの『奇想の系譜』という本がきっかけだと思う。 上記リンク先、アマゾンの内容紹介にはこう書いてある。 つまり、「奇想」って、"絵画史を書き換える" インパクトがある切り口だったということですね。この本によって、それまで無名だった伊藤若冲とか有名に

          【アート&イート #4】 「奇想のモード展」からの、目黒『BONDS』で赤ワイン(からの、ピンクレディ) @東京都庭園美術館

          【アート&イート #3】 「アナザーエナジー展」からの、六本木『鳥長』で焼き鳥 @森美術館(東京・六本木)

          「アート&イート」。 第3回は「アナザーエナジー展」。 (※1月16日まで。興味ある人は急いで!) ところでアナザーエナジーって、何のエナジーだろう? ・・・って考えているうちに頭から離れなくなったのは、甲斐バンドの「ビューティフル・エナジー」(なぜだw) サビに向かって盛り上がっていくところとか、なかなかいい曲。 ※ 正確な題名は「ビューティフル・エネルギー」だけど、歌の中では「エナジー」って歌ってる。まだあの頃(1980年発売)は「エナジー」って言っても世間的に通じ

          【アート&イート #3】 「アナザーエナジー展」からの、六本木『鳥長』で焼き鳥 @森美術館(東京・六本木)