「渋谷系洋盤ディスクガイド100」、はじめます。その1。
こんばんは。フミヤマウチと申します。
90年代にポピュラーミュージックを聴いていた人のなかには、僕のことをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
90年代。僕はINKSTICK SUZUE FACTORYでお酒を運んだり作ったり、DJ BAR INKSTICKでブッキングを担当したり、オープンしたばかりのオルガンバーで働いたり、タワーレコードでbounceを作ったりしていました。
その一方で、今思えばびっくりするくらい大量のレコードを買ったり、いろんなバンドやアーティストのライヴを観たり、いろんなクラブで遊んだり、いつしかDJをやったりイベントを主催したりもしていました。
そしていつしか、その頃の自分が好んで観たり聴いたりしていた音楽やアーティストは「渋谷系」と総称されるようになっていました。
渋谷系。
すっかり定着した呼称にいまさら異議を唱えようとは思いません。ただし、その語られ方に忸怩たる思いを抱いているのは確かなのです。
あの頃にそこにいなかったような連中に限って「見てきたような嘘を言う」のは論外だとしても、当事者のみなさんが語る内容も一義的にすぎやしないか、と。渋谷系特集と題していつもの日本人アーティストの名盤がずらっと並ぶ誌面を眺めながら「いや、そうなんだけど、そうなんだけど…」といつまでモヤモヤしなければならないのか。
結論から言いますと、あの頃、アーティストやリスナーの区別なく、音楽行動のベースにあったのは「海外の最新のレコードを買って聴く」だったはずなのですが、そこがぜんぜん今に伝わっていない。
僕が常々思っていた「洋楽だけで渋谷系ぜんぜん語れる」を実現させるときがきたと感じています。というわけで「渋谷系洋盤ディスクガイド100」、はじめます。
このテキスト、明日に続きます。
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