古賀史健

ライター。バトンズ代表。最新刊『さみしい夜にはペンを持て』。その他『取材・執筆・推敲』…

古賀史健

ライター。バトンズ代表。最新刊『さみしい夜にはペンを持て』。その他『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』『20歳の自分に受けさせたい文章講義』など。週日更新しています。http://www.batons.jp

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    20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

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    古賀史健の note、2018年以降のぜんぶです。それ以前のものは、まとめ損ねました。

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  • 「書く人」から「つくる人」へ。 - 『取材・執筆…

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『さみしい夜にはペンを持て』刊行のおしらせ。

7月18日(火)、あたらしい本が世に出ます。 タイトルは『さみしい夜にはペンを持て』。ぼくにとってはじめての、中学生に向けた本です。どんな本なのか、どういう意味のタイトルなのか、なぜ中学生に向けてつくったのか。お話ししたいことはたくさんあります。少し長くなるかもしれませんが、お付き合いください。 どんな本なのか本が好きな人ならだれでも、本によって救われた経験があると思います。 ひどく落ち込んでいたとき、あの本に救われた。あの作者の、あのことばが生きる光を与えてくれた。あ

    • 野菜をめぐる中年の驚き。

      大根サラダ、という食べものがある。 せん切りにして、水にさらした大根にさっぱりしたドレッシング(あるいはポン酢)をかけてシャクシャクした食感をたのしみながら食べる。そういうサラダである。消化にもいいし、なんとなく健康的だし、葉野菜のサラダよりも箸でつかんで食べやすい。最近ではスーパーやコンビニで、カット済みの大根サラダもよく見かける。うちの近所のスーパーだと、夕方を過ぎると1袋50円で売っている。 さて、このカット済み大根サラダ。わが家では最近、鍋に入れて食べるようにして

      • 自分に似合う服を見つける。

        こんなおれでも、あのころは。 ハードボイルドにあこがれていた時期があった。ハードボイルドな小説、とくに「冒険小説」と呼ばれるジャンルばかり読んでいた時期があった。ジャック・ヒギンスとか船戸与一とかの、傭兵だの特殊部隊員だの、IRAのテロリストだのが活躍する物騒な小説だ。紫煙をくゆらせ、酒精をあおり、踵を返す。そういう世界である。 読んでいればもちろん、自分もその世界に染まっていく。いや、軍事の専門家をめざすとか、外国人部隊に志願するとかの方面ではなく、ただただハードボイル

        • わたしの定規を折らないために。

          たとえばここに、定規があったとします。 短すぎてはいけません。まあ30センチくらいの、木や竹ではない、弾力のあるプラスチック製の定規です。それで左手で定規の下のところを持って、右手で定規の上のところをぐーっと押していく。圧力をかけていく。まっすぐだった定規はぐにゃ〜っと曲がりますよね?  この定規はあなたの心です。そして負荷によって曲がった姿が「ストレスを感じている状態」。また、圧力をかけている対象(この場合は右手)のことを、ストレッサーと言います。 ストレッサーからの

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          原稿が迷子になったときにやること。

          しばしば事件は、迷宮入りする。 推理小説でも、刑事ドラマでも、クライムサスペンスでも、迷宮入りする。しかしながら実際の迷宮(迷路のような構造の建物、たとえばお城)に入ったことのある人は、ほとんどいないだろう。われわれは、というか探偵さんや刑事さんは、それを描く作家さんは、入ったこともない迷宮に入ったと言っているわけだ。 もしもこれを実感に即したことばになおすなら、迷子がいちばんだろう。犯人を追っているうちに、迷子になった。真相を解明しようとするなかで、迷子になった。どんな

          原稿が迷子になったときにやること。

          エジソンの99パーセント。

          ちびまる子ちゃんも歌っているように、エジソンはえらい人である。 おそらくたぶん、生まれてはじめて読書感想文を書いたのは、小学3年生のときだった。少なくとも自分の記憶にある読書感想文は3年生だ。それが課題図書だったのかどうかは忘れたけれど、エジソンの伝記を読んで感想文を書いた。小学生のエジソンは、算数の授業で教わる「1+1=2」がどうしても納得できなかった。担任の先生にしつこく、「1と1を足しても、『1がふたつ』になるだけで、それは『2』じゃない」と食い下がった。そんな導入が

          エジソンの99パーセント。

          入門書を選ぶときのコツ。

          世のなかにはいま、何冊くらいの本があるのだろう。 いや、この書き方だと『窓ぎわのトットちゃん』だけでも全世界に2500万冊以上、存在していることになる。なので正確には「世のなかにはいま、日本語で書かれた本が、何タイトルくらいあるのだろう」と書かなければならない。知りたいのはタイトル数であり、しかも日本語の本なのだ。 原理的に考えて、世のなかの本をぜんぶ読みつくした、という人はいないはずだ。すべての本を所有している、という人だっているはずがなく、たとえば日本一の大型書店とて

          入門書を選ぶときのコツ。

          25歳のトップランナー。

          トキワ荘の物語は、多くの人が知っていると思う。 手塚治虫を筆頭に、石ノ森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫、といったスーパースターたちが住み込んでいた漫画界の梁山泊である。藤子不二雄A先生の名作『まんが道』に、その姿は詳しい。いいよなあ、こういう場所で尊敬すべきライバルたちと切磋琢磨するなんて、最高の環境だよなあ、と若いころは思っていた。いや、いまでも思っている。 とはいえトキワ荘は、かつてのヒルズ族が標榜していたような「成功者たちの集まり」とはちょっと違う。トキワ荘に住むこ

          25歳のトップランナー。

          日記を趣味にする。

          日記というのは、とてもおもしろい容れものだ。 たとえば日記に、日々の「気持ち」を書く。仕事が忙しくてまいったとか、最近あまり本を読んでいないとか、きのうの飲み会はおもしろかったとか、そういう日々の「気持ち」を書く。 書いているあいだは、おもしろい。書いた翌日あたりも、まだおもしろい。ところが、たとえば一年後に読み返してみたときにそれがどこまでおもしろいのか。ここはかなり微妙なものがある。それよりもむしろ、天気、気温、その日の服装、昼ごはんのメニュー、あたりを記録しただけの

          日記を趣味にする。

          夢の値段と南無阿弥陀仏。

          また宝くじのことを考えている。 何度か書いたことがあるけれど、ぼくは毎週宝くじを買っている。自分で番号を選ぶ、ロトくじというタイプのやつだ。銀行口座から直接購入・引き落としされるようにしていて、解約手続きを取らないかぎり半永久的にそれは継続されていく。ちょうどきょう、いつかに買ったくじが当選し、1000円の入金があったというメールが届いた。まあ、当たっても1000円か2000円がほとんどで、赤字を垂れ流すばかりの道楽である。 『さみしい夜にはペンを持て』の装画とイラストを

          夢の値段と南無阿弥陀仏。

          ページの裏側を読むように。

          ゴールデンウィークと書いてはいけない。 そう教わったのは、週刊誌で仕事をしていたときのことだった。なんの記事で、どういう文脈だったかは忘れたもののぼくは、原稿のなかに「ゴールデンウィークは〜」とか「ゴールデンウィークの〜」と書いていた。すると編集のおじさんから「大型連休」と直しが入った。いやいや、いまどきみんなゴールデンウィークって言ってますよ、と思ったものの、これは映画業界がつくったキャンペーン用語であって、新聞社やNHKでは「大型連休」と呼ぶのだ、と教えてもらった。

          ページの裏側を読むように。

          半日間のコールド・トリップ。

          きのうの東京は、すこし寒かった。 とくに夕方くらいから、肌寒さは本格のものになった。けれど、ここ数日が暑かったこともあり、なんとなくTシャツ姿のまま「寒いなあ」と思いながら仕事を続けた。いまにして思えば、この時点でなにか着ればよかった。 帰りの電車で、ちょっと頭が痛かった。駅の階段をのぼるとき、膝が震えていた。うん、これは本格的に寒いぞ。そのままスーパーに行って、鍋の材料を買った。最近気に入って週一以上のペースで食べている、鶏とキャベツの水炊きをつくることにしたのだ。

          半日間のコールド・トリップ。

          雨降りの電車で考えた大根の話。

          雨が降っている。朝からずっと、雨が降っている。 雨降りの地下鉄に乗りこむと、モワっと瞬間、独特の匂いに包まれる。平熱のサウナみたいに高い湿度。やたら生々しく吐き出される老若男女の呼気。人の数だけ持ち込まれたびしょびしょの傘。ぬるい人肌で温められる衣服の微妙な生臭さ。地下鉄だというのにぼんやり薄暗い車内に充満する、人びとの不快感。 次の駅に到着すると、一瞬だけさわやかな風が入る。密閉された車内に新鮮な空気が入り込む。ところがそれも扉が閉まって発車すれば、もとの空気に戻ってし

          雨降りの電車で考えた大根の話。

          子どもたちへのみくびりを払拭して。

          思うところあって最近、むかしのディズニー映画を観ている。 むかしのディズニー映画と言っても『アラジン』とか『美女と野獣』とかのレベルではなく、たとえば戦前(1937年)の『白雪姫』までさかのぼって、観ている。なるほど、むかしのディズニー映画ってのはジブリ映画みたいに「テレビでたまたま観る」がないものなので、みずから積極的に観に行かないと永遠に触れないまま終わりかねないのだ。はじめての『白雪姫』の物語に、それを知った。 ぼくのような男でも知っている事実として『白雪姫』は、デ

          子どもたちへのみくびりを払拭して。

          部屋の描写がもったいない。

          映画やテレビドラマを見ていると、部屋の描写が気になってしまう。 たとえば「ひとり暮らしの若者の部屋」。ずぼらさや不潔さを強調したキャラクターでないかぎり、作中の若者はそこそこ片づいた部屋に住んでいる。それなりの生活感は演出しつつも、アイドル的な俳優さんを小汚い部屋に住ませることはあまりない。 そして実際、現実世界においてもピカピカの部屋に住む若者はいる。というか、たとえばヤマダくんの家で鍋パーティーをしよう、みたいな話になったとしよう。するとヤマダくんは(ほとんどかならず

          部屋の描写がもったいない。

          会議とわたしと打ち合わせ。

          これが職人気質、というものなのだろうか。 会議が苦手である。会議の場になると緊張するとか、なにも発言できないまま終わってしまうとかではなく、むずむずしてくるのだ、会議が続くと。もちろん会議が大切であることはよく知っているし、朝から晩まで会議の連続でヘトヘトになっている人のことも知っている。大変だなあ、と思うし、心からのお疲れさまを贈りたい。 しかしながら自分のことにかぎって言うと、たとえば2時間の会議があったとして、それで話が盛り上がり、あたらしいアイデアが出たり進むべき

          会議とわたしと打ち合わせ。