いつも通り順不同です! 今年は5本しか選べませんでした! よいお年を!(越してるけど!) ※前半でカロリー使い切りました。
『お兄ちゃんはおしまい!』 #8「まひろとはじめての女子会」
『おにまい』には予感がある。それはまひろがいつ男に戻ってしまうか、という物語なものや、女性視点で生きてきていない無防備なJCが外を出歩いていると何者かにさらわれるのではないか、はたまた誰かに正体がバレるのではないか。それらは物語に緊張感を生む。ただ、『おにまい』は物語的な緊張感だけに頼っているわけではなく、5話のモブたちからまひろへの視線(スカートで行儀悪くあぐらをかいている/JKがまひろに向ける視線)や、6話のカフェでのワンカット(人が横切るカット,4分26秒)など、誰かしらの視線(や神視点)のカットの驚きによってそれらは担保される。この8話に至っては同級生が遊びにくるということで、まひろ含む同級生と、姉(妹)。まひろ&姉(妹)と同級生、などの様々な視点からのカット割、空間が何層も設定される。またこれによる、画面内レイヤーの豊かさ、カット単位の驚きによって、(運動の)持続される。*1 物語的にも「おもらし」を庇うまひろという成長過程を見ることができる。
「成長過程」と書いたが、JC化していることで本来の姿の彼の成長とはまた違った噛み合わなさ、が面白い。まひろであることで、彼はどんどん「女の子らしさ」(はたまた「人間らしさ」)を手に入れることで本来の自分の姿を忘れていく。この「成長」と「忘却」は同時に進んでいく。本来、成長過程において忘却していくということは普遍的なものでもある。私たちは成長する過程で、小さい頃のできごとを徐々に忘れていく。それは視聴者が本来のまひろの姿(男性)を忘れていくことと似ているようだ。しかし、薄れていった記憶のなかにも確実に出来事は積み重なっている。それらは忘れても私たちの身体に刻み込まれているのだから。運動をし続けろ……。
『ONE PIECE』 1071話「ルフィの最高地点 到達!〝ギア5〟」
東映は戦闘シーンをドラゴンボールとどう差別化するか? って課題ずっと抱えているような気がしていた。ワンピースでも光線系の技を繰り出すときに「ポーヒーーー」ってエネルギー弾的な音を使っているから。あまりにも戦闘描写がインフレすると、結局ドラゴンボール化してしまう。今年のワンピースはルフィvsカイドウ、ゾロvsキングでだだっ広い外での戦闘があったのですが(もちろん作画的に素晴らしいし面白いが)、目新しさってのはそこまで多くはなかった。*2 そこにきて1071話は、ヒトヒトの実を覚醒させたルフィがグニャグニャとこれまでにない動きをしてみたり、それに伴ってカイドウもカートゥーンアニメみたいに目が飛び出してみたり、戦闘にバリュエーションが増えている。1071話カロリーハンパないだろうけどブチ上がりました。ちゃんとワンピース見ていてよかった。
『逃走中 グレートミッション』 第28話「混乱のラビリンス 裏切りものは誰だ⁉︎」
『逃走中』をここまで自由にアレンジするって毎回アイディアに唸らされる。だけど、あくまで「ハンターから逃げる」という目的は忘れていないのもいい。28話は仲間の中から裏切り者を炙り出す回なのですが、緊張感のあるスリリングなカットが持続していて最高なんですよねー。毎週楽しみにしていた。今年いちばん楽しく見ていたアニメかも。
『陰の実力者になりたくて! 1st season』 #20「魔人降臨」
2期もよかったですが、やっぱり1期のわかりやすさみたいなところが好き。市街戦のカット割が最高なんですよね。ワンピのゾロ戦のチャンバラもよかったけど、このくらいの強さ(シャドウが手を抜いているから)での斬り合いってアニメになるとちょうどいい。カットの持続がある。特に8分50秒過ぎで相手を川に蹴り落としてから、民衆(と馬)の間でベアトリスとの斬り合いをして→画面外へ出てカットを割ってミディアムショットで斬り合いという繋ぎ。9分09秒手前で馬車が左右画面外へ中から外へ移動する(運動の持続)、カット割って(手前で人がしゃべる)奥でベアトリスとシャドウが斬り合っている。画面が停滞することなく、繋がっているという当たり前の快感! これがアクションアニメ!
『BLEACH 千年血戦篇』 #26「BLACK」
修多羅千手丸の卍解! 娑闥迦羅骸刺絡辻!!
おまけ
あと、一度見て再見していなかったりしたけどよかったのは、以下の通り。2024はもっとアニメ見たいね。
HIGH CARD
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