春になったら 11話(最終回) 感想|これからも笑顔を絶やさないための旅立ち

 

 

いつも見慣れていた大きな鳥居のある通りで式を挙げる序盤から、もう涙が止まらない…。

瞳(奈緒)や雅彦(木梨憲武)が行き来する際に画面に映る鳥居が、

こんな住宅街に建ってるんだなぁ…それがまるで、神様が見守っていてくれているかのようで、

何かご縁が訪れてきそうで素敵だなぁと印象に残っていたんだけれども。

出産の様子を収めたあのDVDや瞳の名前の由来などで、雅彦が「忘れられない思い出」として

「瞳が産まれた時」をずっと大事に想い続けているように、

瞳にとってはあの通りが、長い間父と一緒に過ごしてきた思い出の"象徴"であり、

父に感謝の気持ちを伝えるためにどうしても必要な場所だったのだと想像したら、

ボロボロ泣けてきちゃいました。

 

真昼の日光に照らされた花嫁姿の瞳が、とても綺麗でね。

外で式を挙げると、微笑む表情があんなに柔らかく、温かく、優しく…

そしてちょっぴり儚く見えるものなんですね。

風に吹かれてヴェールがふわっと揺れる所も含めて、うっとり見惚れてしまいます。

 

今度はセレモニーホールへ移動して、父と娘2人っきりに。

展示されている数々の写真を見ながら、当時の出来事を語り合う。

個人的には、最終回であるあるの畳み掛けの回想に弱いタイプではあるんですが、

2人と同じ"展示会に来たお客さん"のつもりになって写真で振り返っていく見せ方も、

変にお涙頂戴に寄せてなくて好感が持てるなぁ…と思ったりしたのでした。

 

「旅立ちの式」はある意味、結婚式と生前葬がセットになった式。

生前葬は…実際はドラマでしか見た事がありません。

でも、「生前葬」って言うから特殊に聞こえてしまうだけで、

先生にもケイトにも再会出来て、友達や家族に囲まれて嬉しそうな雅彦の様子を見ていたら、

今後浸透したって良いのかもしれませんね。

大切な人に想いを伝えるのだったら、手紙や遺言書でも出来るんだろうけど、

亡くなってからの葬式だったら、

本人も相手も「会いたかった…」という後悔が残るばかりでしょうから…

終わりを迎える前に会えた方が、双方にとって幸せですよね。

 

私たち視聴者が最後に雅彦を見たのは、桜の木をじっくり噛み締めながら見上げた時でした。

雅彦のソロカットが数秒間映されてからCMに入ったので、

ああ、なんてタイミングで…(もっと見たい…)と最初は思いつつ。

本作は今まで、結婚式や余命までのカウントダウン、辛くても悲しくてもやって来る"明日"、

雅彦への容赦ない病気の進行を通して「時間は待ってくれない」を描いてきたからこそ、

CM明けになって、雅彦亡き後の残された人たちの日常を描くのも"らしい"なぁと言いますか。

雅彦がご臨終で、瞳が「お父さん!」なんて泣きながら縋り付くシーンや、

視聴者を泣かせようとして、部屋で2人っきりの状態で、

ベッドに寝ている雅彦が長台詞を言うシーンを一切入れなかったのも、

暗い雰囲気にさせたくない彼の意向を汲んでいるのが感じられる他に、

2人だけの時間を尊重してくれているかのようで、良かったです。

人生ノートに書かれた「全部伝えた!!」も、雅彦の声ですぐさま再生されて、また涙…。

 

人にはいつか必ず死は訪れる。

しかも、いつ、どうやって死んでしまうのかも誰にも分からない。

大切な人の悲しい旅立ちがあったとしても日常は続いていく訳で、

涙や後悔で明け暮れる日々にしないためにも、今を悔いなく生きて欲しい。

一馬(濱田岳)と龍之介(石塚陸翔)と一緒に笑顔を絶やさない瞳のラストシーンを見て、

そんな、脚本家のメッセージを感じさせる最終回でした。

 

他の感想がいろいろと溜まっているので(いや、書いてね…さすがにね?)、

実は本作の最終回の感想はスルーするつもりだったんですが、

リアタイしていて、ついつい書きたくなってしまいました。

久しぶりに書こう…そう思わせるくらいの内容だったって事です。

 

"死"を扱っているので、こんな表現も変かもしれませんが、

なんかね…多幸感でいっぱいです。

良い意味で「演者」と「中の人」の境目がない

奈緒さんと木梨さんのやりとりももちろん良かったですが、

何より、シーンごとに流れる劇伴のチョイスも、頻度も、音量も常に完璧で。

主題歌含めて、静かで温かい世界観を作り上げる音楽のセンスが光った

作品だったとも思います。

 

 

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さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜 9話 感想|ようやく訪れた雪解け。3話辺りで見たかった…

 

 

※先週(3/10放送分)の感想です。最終回の感想は後日投稿いたします(汗)

 

自分のせいで家族を壊してしまった云々の話は5話で既に語られていて、

その時は、それは八つ当たりなんじゃないかと同情出来ずに終わったのですが…

そう感じたのも多分、響(芦田愛菜)が音楽を辞める決定打となった部分が

描かれていなかったからなんでしょうね。

 

八つ当たりだという考えは完全に変わってはいないし、

5年間離れ離れで話す機会も謝る機会もなかったからとは言え、

あの不機嫌な態度は許されたもんではないと今でも思います。

でも、今回でやっと5年前の詳細が明かされた事で…

響に少しでも共感してしまう自分は確かにいました。

 

響みたいに、海外でも活躍する芸術一家や音楽家のもとで生まれてきてはいないのですが、

一応、芸術系の仕事に携わっている私からしたら、

当時の彼女の葛藤に心当たりがあったんですね。

※ここから私の身の上話が続くので、興味ないよって方は こちら を押して下さいませ。

 

父がデザイナーだから、小さい頃からパソコンに触れていて絵を描くのが好きになって、

それで友達や先生から「〇〇ちゃん絵上手いね!」って褒められるのが嬉しくて。

別に自慢話をするつもりはないんですが…小学校でも中学校でも高校でも、

ありがたい事に、賞状を受け取りに壇上に上がる機会が多かったから、

自分は美術が好きで得意なんだとだんだん自信がついてきて。

そのうち進路を考えるにあたって、

美術系の学校に行って父と同じ仕事に就こうと決意して、

合格していざ通おうとするまでは良かったんですけど…

やっぱり専門の人が集まるからか、自分よりも発想が独創的で面白い人がたくさんいて、

良い評価をもらえている友達や同級生との差を感じるようになってきて。

もちろん、分かりやすさを心がけて頑張って取り組んだ結果

褒められた時もあったけれども、誰かと比較しては、

私ってつまんない人間なんだろうなと思う事も日々あったし。

特に就活の時期なんかは、コミュニケーションにも苦労して中々内定がもらえなかったから

よくネガティブになっていたっけなぁ…と、

響を見ながら学生時代の私を思い出してしまいました。

 

俊平(西島秀俊)は晴見フィルをきっかけに

5年前に閉ざした指揮者の道を再び歩み初めているのだから、

「もう前に進もう?」が響の口から発されるのにはイマイチピンと来ないんですけど、

夏目家の話し合いの足りなさが、2人の関係性に影響を及ぼしてしまったのは事実な訳で。

響は、不安な気持ちを父に、どうしても言いづらければ母にでも相談出来ていたら、

コンサートの時に、父が"音楽家の先輩"として期待を込めて言ったつもりのアドバイス

感情を爆発させる事はなかっただろうし。

(パパには分からない!うえ〜ん…じゃなくて、

純粋に褒めて欲しかったと言えば良かったとも思うの。)

俊平も、手紙のシーンでも言及されていたように、音楽にどっぷり…ではなく

響をもう少し気に掛けていたら、あそこまで険悪な仲にもならなかったかもしれない。

双方が落ち度を認めて、2人でセッション、ハグ…の流れには目頭がやられてしまいました。

 

でもさ。でもさ!

遅過ぎるよ、9話で和解って(笑)

ついタメ口になってしまいましたけど…

遅いと言えば、「ちりオケ」体制になってからの

晴見フィルの費用や練習場所確保についての描写もね。

今頃描くって事は…じゃあ、前回の高松の時はみんな自腹で行ってたの?って

ツッコミたくなってしまうのも仕方ないと思うんですよ。

なんかもう、構成がグダグダなのが勿体ないです…(汗)

 

今回の話を3話、遅くても4話に持ってきて。

響を晴見フィルに途中加入させて、

残り数話は、親子で舞台に立つという夢に向かって二人三脚で頑張る姿が描かれる。

そんな2人を見て、視聴者は自然と応援したくなり、

見届けていきたい気持ちにさせる…で良かったはずなんですけどね。

 

響は本来、明るくて無邪気な性格みたいなので。

大きく成長されてからの芦田愛菜さんは、気が張っている役が続くなぁという

個人的印象もあるだけに、もっと早くから響の明るい表情を見たかったです。

 

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グレイトギフト 8話 感想|本坊は最後までブレないなぁw

 

 

なるほど、そう来たか…なラスト。

殺人球菌なのに簡単に培養出来ちゃったし、異動するつもりもないのなら

これはもう黒幕(←「真犯人」はやはりピンと来ないのでこの表記w)は

奈良(小野花梨)で決まりだろうと誰もが思っていた中で、

麻帆(明日海りお)が候補者に名乗り出る展開はちょっと意外でした。

 

藤巻(反町隆史)は散々、妻や娘から「家族の事を何も分かってない」と言われてきて、

なんであんなにギスギスした関係性を描き続けるのかと少し疑問に感じていたのですが、

ラストを魅せるための下準備だったんですね。

仕事に熱心なあまり、家族に関心が持てなかった事がここで響いてくる。

妻の当時の勤務先を知らなかった(知ろうとしなかった)のなら、

そりゃプリンが嫌いな事を覚えていなかったのも合点がいく訳で…。

自身の稼ぎで生活と治療を支えてきたのに、

そんな言い方しなくても…藤巻が可哀想…という同情ムードがちょっと逆転する所も含めて、

最後の最後に「おおっ」と惹きつけられちゃいました。

 

ただ、麻帆は看護師で培養は出来ないから、

黒幕候補はやっぱり奈良か杏梨(倉科カナ)に絞られるんでしょうね。

まぁでも…考察に興味のない私からしたら、

どちらかと言うと気になるのは、藤巻たちの今後をどう描くのか?かな。

人は殺しているし、密売しているし、殺人球菌と知りながら培養に協力しているし…で、

何度も言うようですが、彼らはれっきとした犯罪者なので、

もしこの事が公になったりなんかしたら下の部署や施設に左遷、

最悪、医師免許剥奪もあり得そうです。

少なからず、何のお咎めもなくハッピーエンドにはならない気がします。

 

次回で最終回。

帽子を被っただけで全然身元を隠せていない

刑事にしては爪が甘過ぎる神林(尾上松也)とか、

医者なのに平然と「殺す」ワードを発する白鳥(佐々木蔵之介)とか、

最後まで杏梨さんを手に入れるという意志にブレがない本坊(筒井道隆)とか。

ヤバいおじさまたち(愛情を込めた表現)がもう見られなくなると思うと、

何だかんだで寂しくなりそうです(笑)

 

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