令和6年04月24日付

 きのう昼前、20日から続いた宮古市の山林火災が鎮圧状態になったとの報道があり、胸をなで下ろした▼自衛隊や東北3県のヘリが往復し、上空から散水する様子はニュースで見たが、その陰に地元消防団の活躍があったことも見逃せない▼岩手日報が23日の紙面で団員らの奮闘を取り上げていた▼それによると、一日あたり十数時間におよぶ散水活動で、地道な裏方に徹したのが消防団だったという。三日三晩続いた警戒態勢で、土日どころか平日も仕事を休み、活動に従事していたようだ▼「なんて素晴らしい義勇と愛郷の精神だ」…と言うはたやすい。だがここは「団員一人あたりの負担が大きい」という現実にまず目を向けたい▼消防白書を見ると、消防団員数は年々減少。平均年齢も毎年少しずつ上昇しており、なり手不足は全国共通の課題だ▼東日本大震災後は「子を団に入れたくない」と思う親が増えたとか、若い層が地域内で濃密なつながりを持ちたがらないなど、人口減少以外の要因もある▼以前、消防団長を務めた方が「酒を飲んでばかりの〝男の園〟で上下関係が厳しい─といったイメージを払しょくせねば」と自戒を込めて話していた▼女性や学生団員増加の取り組みが成功している地域もある。〝男性社会〟という固定観念を取り除くことは確かに、団存続のかぎを握るのかもしれない。