2012年8月23日木曜日

皮のプレゼント(皮モノ) 第1話

私の名前は"井上裕美"都内のとある病院で看護婦として働いている。
特にこれといった趣味もなく、彼もいない私にとって最近は仕事だけが生き甲斐のようになっていた。
私には2つ年上の姉がいるが、姉妹とは思えない程、見た目も性格も正反対で、綺麗で要領のいい姉は、最近は働くこともなく、男をとっかえひっかえしながら、不自由なく生活をしているようだった。
私は、姉が時より羨ましく思えたが、自分には到底出来ないことだし、心のどこかで姉を見下していたのも事実だった。
そんな姉から久しぶりに食事の誘いがあり、自宅に招かれたのだったが、そこで私の人生が大きく変わる出来事が起こることなど、その時の私には知る由もなかった。
約束の時間に姉の自宅を訪れた私は、姉の様子が何かいつもと違うように感じたが、気のせいだろうと深くは考えず、姉と久しぶりに食事とお酒を楽しんだのだった。
だか翌朝、目が覚めると姉の姿が見当たらなく、少し待ってはみたが帰ってくる気配はない。
不信に思った私は、姉の携帯を何度か呼び出してみるものの、電源が入っていないらしく、つながらなかった。
その時、ふとキッチンのテーブルの上に置手紙らしきものが目に入った。
そこには「裕美に最高のプレゼントをあげるね♪クローゼットにあるから着てみて♪」と書いてある。
言われるままクローゼットを開けた私は、ショックのあまり言葉を失った。
そこには、人間の皮のようなものが、ハンガーに掛かって吊されていて、それには髪まで生えている。
私は、ゾッとして目をそらそうとしたが、その髪型や顔には見覚えがあった。そう、その皮は昨日まで一緒にいた姉にそっくりなのである。
その皮の真下に、姉の携帯が落ちている事に気付いた私は慌てて手にとり電源を入れてみた。
すると未読のメールが何件か届いているので、確認すると「あなたのお姉さん、皮にしちゃったから♪それあげるね♪一度着たら病み付きになるわよ…」と送信元不明のメールが入っている。
驚いた私は、ハンガーに掛かった皮らしき物を恐る恐るてにとってみると、その皮は、人間の皮膚の質感と全く同じで、潰れてはいるが顔は姉にそっくりで、背中には大きく切れ目が入っていた。
とっさに警察に通報と思い携帯を手に取ったが、私はすぐに携帯を置いた。
その時、私の中に抑えられない衝動が込み上げてきたのだ。
昨日、いつもと姉の様子が違っていたのは、誰かが、この姉の皮を着ていたからに違いなく、もしかすると私もこの皮を着れば、姉に成りすませることが出来るかもしれない。
「この皮を着てみたい」
私は、その欲求から逃れることはできなかった。
徐にハンガーから皮をとり、部屋のカーテンを閉め、服を脱ぎ全裸になると、背中の切れ目から、ゆっくり脚を通してみた。
すると中は生暖かく、その皮は張り付くように私の脚に吸い付いてくる。
今まで感じたことのない感覚と、姉になれるかもしれないという期待から私はあまりの興奮に息を荒げてしまった。
奥まで脚を通し終えると、私の足は姉の脚と全く同じ脚になっており、皮を履いているとは到底思えなかった。
私の期待は更に高まり、脚以外の部位をいっきに着込んでいく。
頭部以外を着終えた私の身体は、本当の私の身体とは比べものにならない程グラマラスなボディになっていた。
最後に鏡台の前で、慎重に位置を合わせながら頭部を被ると、鏡に写るのは、姉と寸分違わない顔だ。
私の興奮は絶頂を迎えたが、そこへ私の携帯がなり響いた。
病院からの電話だったので慌ててとったが、声が自分の声ではなく姉の声に変わっている事に驚き、一瞬動揺してしまったが、姉であることを名乗り、なんとか取り繕った。
改めて鏡台で身体や顔を確認してみると、背中にあったはずの傷もなくなっており、その姿は完璧に姉その物だった。
私は火照った身体を落ち着かせる為、そのままベットで自慰行為に耽った。
自分以外のもう1つの身体を手に入れた私の人生は、その日を境に大きく変っていく。

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※この作品はフィクションであり、登場する人物、団体、事件とは一切関係がありません。
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