2030年12月31日火曜日

このサイトについて



「くりぷとUMA大全 〜世界の奇妙な住人たち」は世界中のUMA(未確認生物)、絶滅種を含む不思議な動物 (珍獣) や植物、巨大生物、それに加えゴーストやUFO、そして昆虫食をはじめとする奇妙な食材や料理などを紹介しているサイトです。

特にUMAをメインとし、超メジャーなものから日本ではあまり馴染みのない超マイナーなUMAも数多く紹介しています。

不思議なお話が好きな方はどうぞごゆっくりご鑑賞ください。

2024年4月28日日曜日

男子は死産か生まれて速攻死亡、それでも滅びない ~ アダクチリディウム


■男子は死産か生まれて速攻死亡、それでも滅びない ~ アダクチリディウム

本日は久しぶりにUMAではなく寄生生物シリーズ。

アダクチリディウム (Adactylidium) というダニの仲間で、1属4種知られています。

多くのダニは寄生生活を送るのでそれ自体それほど珍しくありませんし、また今回話題にするアダクチリディウムのライフサイクルは他の寄生虫等に見られる宿主 (寄生される側の生物) に対するマインドコントロールをするわけでもなく、至ってふつうの寄生生活です。

ですが、その生態自体が驚くほど奇妙です。

それではアダクチリディウムの生涯を簡単に見ていきましょう。

アダクチリディウムは主に中東に生息するダニでの仲間で、メスはアザミウマという体長1ミリにも満たない小さな昆虫の卵のひとつにに寄生し、その卵を食べて育ちます。

オスは一切寄生生活を送りません、メスだけです。

オスはどうやって暮らしているかというと寄生生活を送るも何もオスは居ないので寄生する以前のの問題です。

オスがいない?

それは魚類に多く見られる性転換等によりオスが居なくなってしまうという意味ではありません。

アダクチリディウムにもオスとメスの雌雄が存在し生まれながらにオスとメスという別個の性別を持って生まれ、そしてその持って生まれた性を全うし死にます。

オスとして生まれたものはオスとして死に、メスとして生まれたものはメスとして死にます。

そんなに珍しいことではありませんよね、むしろ大多数の生物はこのようなライフサイクルを営みます。

なぜオスが居なくなってしまうのかというととても単純で、アダクチリディウムのオスは死んだ状態で生まれる (死産) か、もしくは生きた状態で生まれても食事することもなければメスと交尾することもなく生まれてすぐに (数時間程度で) 死亡するからです。

つまりはアダクチリディウムは単為生殖 (交尾なしでメスが単独で子供を産むこと) する生物ということでしょうか?

仮にそうであればオスは不要ですが、メスのアダクチリディウムは子供を1度に5~8匹産む中に必ずオスが一匹だけ混じっています。

まあ便宜上「産む」と書きましたが、後述するようにこれは一般的に思い浮かべる「出産」とはかけ離れたものですが。

さて、この生まれても繁殖に全く意味をなさないオスを一匹だけ紛れ込ませる芸当は一体何なのでしょう?

どうせ役に立たないながら、そのエネルギーを生まれてくるメスに分配する方が自然界で有利に働くに違いありません。

しかし「彼」はただの役立たずではなかったのです。

アダクチリディウムの子は母親の子宮内で孵化し、その中で母親の体を内側から食べながら育ちます。

そしてオスは母親の子宮内で一緒に生まれた姉妹全員と交尾し、妊娠させていたのです。

これにてこのオスの役目は終了、そのまま子宮内で死ぬもよし、姉妹たちと一緒に外界に出てから死ぬもよし。

母親の子宮内で妊娠したメスたちは母親の体を貪り食い、外界へと飛び出します。

生まれたと同時に既に妊娠しているという不思議な生物なのです。

母親は子供たちに貪り喰われもちろん死にますが娘たちは悲観に暮れる暇はありません、寿命僅か数日のアダクチリディウムのメスたちは我先に寄生先のアザミウマの卵を探します。

といっても効率がいいことこの上ありません、交尾相手を探すステージをカットし、寄生する卵だけを見つければいいからです。

無事にアザミウマの卵を見つけたメスは寄生すると、次世代へとつなぐ子供たちを胎内で育みます。

そう、あと数日後には自分が食べられることを知りながら。

(寄生虫)





2024年4月27日土曜日

弾む!弾む!ヤマアラシのUMA ~ ルベラド


■弾む!弾む!ヤマアラシのUMA ~ ルベラド

今回は可愛らしいUMAです。

いっつもコイツは気持ちわりいもんしか書かねぇな、と思われるのも心外ですのでたまにかわいいの挟んでいます。

今回はフィアサム・クリッター (Fearsome critters) の中からルベラド (Rubberado) の紹介です。

日本ではローマ字読みしてルベラドですが英語圏ではラバレイドー (ラバーレイドー) と発音されます。

フィアサム・クリッターは何度か説明しているので詳しくは書きませんが、アメリカ・カナダに伝わる木こりたちのホラ話から生まれた民間伝承上の生物です。

ユーモラスがありスーパーナチュラルな性質を持つものも少なくありませんが、多かれ少なかれ実在する動物が元になっており、中には信じられないようなその性質が実在の生物でも確認される場合もあり、なかなか興味深い動物たちです。

例えば自分の尾を噛んで輪 (フープ) になりタイヤのように坂道を転げ落ちて獲物を捕らえるというフープスネークというフィアサム・クリッターがいますが、実在するドワーフ・リード・スネークは天敵から逃れるときに実際にフープ状になって転がって逃げることがあります。

今回のUMAルベラドは「荒唐無稽」な方のフィアサム・クリッター、つまり実在しそうもないタイプです。

ルベラドはUMAとしてh非常に珍しい、ヤマアラシタイプのUMAです。

ヤマアラシは南北アメリカに棲息するアメリカヤマアラシ科 (Erethizontidae) とアフリカやユーラシア大陸に生息するヤマアラシ科 (Hystricidae) に大別され、全く異なる継投で進化をしてきたにも関わらずそっくりな姿に進化 (収斂進化) した不思議な生物です。

(カナダヤマアラシ)
(image credit by Wikicommons)

大雑把にヤマアラシ科は地上性、アメリカヤマアラシ科は樹上性で、今回のルベラドはもちろんアメリカヤマアラシ科が元になっているのは明らかです。

ちなみにアメリカヤマアラシの最大種、カナダヤマアラシ (Erethizon dorsatum) は頭胴長が90センチ以上もあり尾を含めると1メートルを超し、北米大陸においてアメリカビーバー (Castor canadensis) に次ぐ2番目に大きな齧歯類です。

さて、アメリカヤマアラシの仲間は樹上性であることがルベラドに深く関係ありそうです。

フィアサム・クリッターのそのほとんどが世間一般のUMAと同様、人間にフレンドリーな存在ではありません。

しかしルベラドは、人間と特別友好的な関係にある生物ではありませんが、少なくとも攻撃を仕掛けてくるといった直接的な害を人間に与えることはないようです。

彼らはいつも笑っている愉快なUMAだからです。

その姿は球体に近く、ゴムのように弾力性のある体をしており、その特性を利用し弾みながら地面を移動するといいます。

これはカナダヤマアラシが細い木の枝の先端にある木の実や枝を好んで食べるため、よく木から落っこちることで有名でそれに由来するのでしょう。

また鳴き声も頻繁に発するとため、それが「笑い」と擬人化されたに違いありません。

ルベラドはその自身のバウンドの都度、大笑いするといいます。

ルベラド決して危険な生物ではないため狩猟により捕らえることも可能です、但し非常に弾力性のあるその毛皮はライフルの弾丸すら跳ね飛ばしてしまうということで捕まえるには他の方法を試さなければいけません。

但しルベラドの肉は非常に美味であり苦労してでも捕まえる価値はあると考えられています。

特にルベラドの肉を使ったシチューは美味しいといわれ一度は食べてみたい一品です。

ただひとつだけ覚悟しないといけないのはルベラドのシチューを食べた後、笑いが止まらなくなりルベラドのように暫く弾んでしまうということです。

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体長25メートル、史上最大級の魚竜が発見される ~ イクチオティタン・セベルネンシス


■体長25メートルのギョリュウが発見される ~ イクチオティタン・セベルネンシス

時事ネタも軽く触れましょう、そのうちUMAの正体になる可能性もありますので。

とてつもなく巨大な魚類の化石が発見されました。

発見されたのはイングランドのサマセット (Bristol) かブリストル (Bristol) かはっきりしませんが、取り敢えずイングランドの港湾地域です。

もともとこの骨が発掘されたのは8年ほど前の2016年、謎の骨として少しの間ほったらかされた後、ブリストル大学の古生物学者ディーン・ロマックス (Dean Lomax) 博士のチームにより史上最大級の魚竜として認識されました。

発見当初はあまりの大きさから恐竜の化石と認識されていたともいいます。

魚竜と聞いて最も有名なのはおそらくイクチオサウルス (Ichthyosaurus) で、これは「魚のようなトカゲ」(ichthys:魚, saurus:トカゲ) を意味します。

イクチオサウルスは魚でもなければ恐竜でもなく海棲の爬虫類で姿こそ違えどUMAの正体として馴染み深いプレシオサウルス (Plesiosaurus) やエラスモサウルス (Elasmosaurus) 等の首長竜ら近縁です。

首長竜は海生爬虫類ながら恐竜然とした姿をしていることから恐竜ほどではないにしろ一定の人気があるのに対し魚竜はいまいちぱっとしない感は否めません。

大抵の魚竜はもろにイルカそっくりに収斂進化 (しゅうれんしんか) している上、体長も3~4メートルとそれほど大きくないからでしょう。

シーラカンスのように奇跡でイクチオサウルスが現在まで生き残っていたとして、目撃者が「イルカに似た奇妙な生物を見た」と証言しても、それは「イルカとかカジキを見ただけだろ」と一蹴されるに違いりません。

そんなこともあってUMAの正体として魚竜が候補に挙がることはまずありません。

さて今回発見された巨大な魚竜はイクチオタイタン・セベルネンシス (Ichthyotitan severnensis) と命名されました。

属名にタイタン (titan, 「巨人」の意) が入っている時点で分かる通り、「巨大な魚」の意を持つ魚竜です。

棲息していたのは今から2億100万年以上前の三畳紀です。

発見された化石は非常に断片的で顎の一部分のみ、しかしその不完全な顎の部分だけで1.8メートルもありました。

全長はいくらになるか?

まずは既知集の巨大魚類を見ていきましょう。

魚竜の最大種といえばショニサウルス (Shonisaurus) やシャスタサウルス (Shastasaurus) ですが、現在どちらに分類されるか浮いた状態になっているショニサウルス・シカネンシス (Shonisaurus sikanniensis) もしくはシャスタサウルス・シカネンシス (Shastasaurus sikanniensis) は全長が21メートル以上になったと推測されています。

今回発見された顎化石がこのシカネンシスと同じプロポーションであると仮定するとイクチオタイタン・セベルネンシスは全長25メートルに達するといいます。

ちなみに今回の論文を発表した古生物学者ディーン・ロマック等のチームは断片的なイクチオタイタンの全長に関する質問については慎重さを維持し言及を避けており、あくまで部外者によるセンセーショナルな記事が大好きなマスコミ向け体長です。

史上最大の硬骨魚類として知られるリードシクティス (Leedsichthys) も当初の全長28メートルの推定値から全長17メートルほどまで縮んでおり、イクチオタイタンの推定値も縮んでいく可能性はあります。

が、それを考慮しても史上最大級の魚類であったことは間違いないでしょう。

(参照サイト)
National Geographic

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2024年4月26日金曜日

平均身長2メートル超えの民族 ~ ラブロック洞窟の巨人


■平均身長2メートル超えの民族 ~ ラブロック洞窟の巨人

アメリカ、ネバダ州にはグレートベースンでもっとも初期に発見された洞窟、ラブロック洞窟 (Lovelock cave) があります。

外から見える入り口がとても狭いのが特徴で、洞窟内の幅は35フィート (約11メートル)、奥行45メートル (150フィート) 程度とそれほど大きな洞窟ではありません。

しかしこの洞窟は伝説に彩られています。

ラブロック洞窟が移民たちによって発見されたのは1911年のこと、デヴィッド・ピュー (David Pugh) およびジェームズ・ハート (James Hart) なる二人の鉱夫によるものでした。

一見すると、この洞窟には何も価値がありそうなものはりませんでした。

しかし、ふたりは地面にグアノ (guano) が大量に堆積していることに気付きます。

グアノとはケチュア語のワヌ (wanu) に由来する「糞」という意味の単語で、文字通りグアノとは糞が化石化したものをいいます。

グアノには大別して2種類あり、水鳥の糞が化石化したシーバード・グアノ (Seabird guano)、そしてもうひとつがコウモリの糞が化石化したバット・グアノ (Bat guano) です。

当時グアノは自然の創り出した植物の肥料として珍重されていました。

長きにわたりコウモリの群れが生息していたラブロック洞窟内には無尽蔵ともいえるバット・グアノが堆積しており、その厚みは薄いところでも3フィート、最も堆積しているところは人間の背丈並みの6フィート (1.8メートル) もありました。

総重量は250トンにもあり、彼らはこれを売りさばいて大金を手にしました。

しかしその過程でグアノ以外のもの、遺跡や人骨のようなものも混じっているのを認識していましたが彼らはグアノが枯渇するまで国に報告せず、遺跡は無造作に洞窟の周りに廃棄されていました。

とうとう売るものがなくなった発見から1年後の1912年、かれらと販売先であったカリフォルニアの肥料業者はこの洞窟には遺跡が眠っていることを国に報告しますが、既に多くの遺跡は踏みにじられ破壊された後でした。

それでも専門家がラブロック遺跡の内部、そして洞窟の外に無造作に捨てられて「ゴミ」の中から1万点ほどの遺跡を発見することができました。

その中でも、考古学的な目線でもっとも歴史的にも価値とあると考えられているもののひとつは12羽発見されたアヒルのデコイです。

デコイとは狩猟用に使う動物のハリボテで、いわゆる囮 (おとり) でありデコイに近寄ってきた野生動物を捕らえます。

デコイは紀元前130年~300年ほどに製作されたものと推測されています。

動物を欺き引き寄せるためにはある程度の精巧さは持ち合わせていなければならず、紀元前にはこのような精巧なデコイを利用し獲物を狩っていたのはなかなか興味深いことです。

さてUMAというか若干パラノーマルな話に進みましょう。

この遺跡の中には2体のミイラを含む60体分の人骨も含まれていたといいます。

そしてそのミイラが現代人と比べとても背の高いものでした。

ソースによってその身長はバラバラで、もうこの時点でこの話自体が怪しくなってくるのですが、取り敢えず8.5フィート~10フィート (約1.95~3.0メートル) あったといわれています。

「あった」という過去形なのはどっかいってしまったからです。

というか、このミイラは考古学者により発掘されたことになっていますが、あのラブロック洞窟を発見した二人の鉱夫、ピュー氏とハート氏の目撃談にすぎないという説すらあります。

まあ、そこら辺はあまり追求しないとして、この地に住む先住民族、パイユート族 (Paiute people) の伝説にはシテカ族 (Si-Te-Cah) という民族がが登場します。

シテカ族は「ホタルイ (雑草の一種) を食べるもの」という意味で長年パイユート族に虐げられており、彼らの攻撃から逃れるためネバダ州のチャーチル郡にあるフンボルト湖 (Lake Humboldt) に筏を浮かべ暮らしていたといいます。

この伝説のシテカ族は赤毛の巨人といわれており、一説には人食いとの説もありますが、背が低かったという説もあり「よく分からない謎の民族」です。

さて、このふたつの民族、シテカ族とパイユート族の緊張はついに抗争を勃発させることにあり、パイユート族がこれに勝利、赤毛の巨人は滅んだといいます。、

そう、皆さんもお気づきでしょう、ラブロックで発見された高身長のミイラや人骨はこの滅んだシテカ族のものではないか?といわれています。

(参照サイト)

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