月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

更新!「月の文庫ブログ」掲載小説一覧

月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…

災厄の神の落し子 第6話 悠久の時を超えて

リルはイザール侯に呼び出された。面と向かって会うのはこれが二度目。プリムローズを助けて、ここを訪れて以来、一度も会っていなかったのだ。別に珍しいことではない。末端の使用人が当主であるイザール侯に会うことなど、滅多にあることではない。母屋で…

災厄の神の落し子 第5話 第一印象は……

プリムローズと共に馬場に現れたのはイザール侯爵家のローレル。三人いるプリムローズの兄の中では一番年下。もっとも年齢が近い兄だ。兄妹ではあるが、金色の髪以外は似たところはない。瞳の色が違うだけでなく、美少女と言えるプリムローズと比べてしまう…

災厄の神の落し子 第4話 成り行きと運命は紙一重

リルの寝床は馬屋のすぐ隣にある小さな建物。亡くなった御者が使っていた部屋だ。前任者は変わり者で、人といるよりも馬といるほうを好んだ。人と接するのが嫌いだった、という表現のほうが正しい。レイヴンを扱える稀有な人物ということで、特別に本人の望…

災厄の神の落し子 第3話 天職というべきなのか

帝都の定義がどこまでというのは難しい。公式にはかなり広範囲。帝都を囲む防壁は大きく分けると内壁と外壁の二つがあり、外壁の内側が帝都となる。ただ外壁は一周するのに半月はかかるほどの広範囲を囲っている。正確には囲っているというのは誤りで、いく…

災厄の神の落し子 第2話 怪しいことが多すぎる

馬が大人しくなったところで御者を代わった彼。そうしたくてしているわけではない。女の子に任せては、また同じ結果になるだけ。自分がやるしかないのでやっているだけだ。 女の子はその彼の隣に座っている。馬車の中には何体もの死体がある。いくら親しい人…

災厄の神の落し子 第1話 A girl meets a boy

地面に転がるいくつもの死体。その中に立つ、ふわふわした金髪に大きな翠色の瞳のまだ幼い、十人が十人、可愛らしいと思うだろう女の子。だが今の彼女は可愛らしい顔を歪め、目の前に立つ剣を持った男たちを睨んでいる。死体は彼女の従者たち。馬車で移動し…